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専業主婦の母は「金銭的理由」で離婚できなかった。共働きによって離婚はカジュアルになったのか

  • 2024.10.12
共働き世帯より専業主婦世帯の方が多かった時代、パートナーに不倫をされても「泣き寝入り」をする人は多かった。しかし、現代においては「別れる」ことを選択する人が増えている。
共働き世帯より専業主婦世帯の方が多かった時代、パートナーに不倫をされても「泣き寝入り」をする人は多かった。しかし、現代においては「別れる」ことを選択する人が増えている。

「仕事は結婚後ももちろん続けるつもりです。今はラブラブでも今後どうなるかは分からないので」

こう語るのは、先日婚約をしたばかりのミキコさん(仮名/29歳)だ。都内のIT企業で働く彼女は、結婚後も変わらず仕事を続ける予定だという。

共働きが主流の今の現代において、ミキコさんのように結婚後も変わらず仕事を続ける女性が大半だ。

専業主婦だった母、離婚できないのは「金銭的な部分」だった

ミキコさんは、自身の家庭事情を振り返り「私の母は専業主婦で、父の愚痴を毎日のように言っていました。私が大学生の頃、父は不倫してたみたいで。じゃあ離婚すればいいのに、と何度思ったことか。でも離婚できないのはやっぱり金銭的な部分が大きかったんだと思う」と明かす。

内閣府が発表した「人生100年時代における結婚と家族」で、共働き世帯数と専業主婦世帯数の推移を見ると、ミキコさんの母親が結婚した1985年は、「共働き」が718万世帯、「男性雇用者と無業の妻」が936万世帯と、専業主婦世帯の方が上回っていた。しかし2021年の統計では、共働き世帯の方が2倍以上も多い。

結婚後も働く理由として挙げられるのは、金銭的な理由や社会的なつながりを持ちたいといったものだ。一方で、ミキコさんは「離婚したくてもできない」母の姿を見て育った。だからこそ、今は幸せいっぱいの状況でも「もしものこと(離婚)を考えて仕事は続ける」と続けた。

パートナーの不倫が分かったら「離婚する」は5割

9月27日、ドリームプランニングが運営する「URUHOME(ウルホーム)」が「パートナーの不倫を疑っているか」「もし不倫していたらどうするか」というテーマで男女501人に独自調査を行った。

その結果、パートナーが不倫をしていたら「離婚する」と回答した人が52.6%と約半数を超えた(調査概要:7月17~24日、日常生活の問題に興味関心を持つ20~70代の男女501人を対象にインターネットで実施)。

また、実際に不倫が発覚したらどうするかを聞いたところ、最も多かったのは「対応はケースバイケースで考える」(114人/22.8%)というものだった。

コメントで目立つのは、20代女性の不倫に対する厳しい声で、「相手の全てを崩して、お金をしぼりとる」「もらえるものはもらって、パートナーと不倫相手次第では社会的にも制裁を与えたい」など、強い意志を感じるコメントが並んでいる。

共働きが主流の現代。金銭的な要因で「離婚したいけれどできない」ミキコさんの母親のようなケースは、減少しているのかもしれない。

再構築しつつも、「次不倫したら速攻離婚する」

一方で、夫に不倫されたが、再構築を目指しているというケースも。

「再構築を目指して、夫と話し合う時間やデートをする時間を積極的に作りたいと思います」

こう話すのはルミさん(仮名/30歳)だ。夫が出張とうそをつき、不倫を重ねていたことが発覚。弁護士を入れて話し合い、不倫相手の女性に慰謝料を請求したという。そのうえで、離婚せず、再構築を目指している。

「不倫されたのは許せないけど、子どももいるし、私が職場を変えたばかりなので、今別れることは考えられないんです。夫も反省しているみたいなので」

一度の過ちなら「許す」と話すルミさん。一方で、こんな本音も。

「もし今後夫が同じような不倫をしたら、速攻離婚すると思います。仕事にも慣れてきたし、子ども1人なら私の収入でも育てられる。もちろんしっかり慰謝料を請求してから」

共働きで「離婚」がカジュアルなものに?

テレビやネットニュースで話題になることも多い不倫問題。

不倫をテーマとしたドラマも多いが、最近の不倫ドラマで特徴的なのが、不倫相手に「復讐」するといった内容が多いことだ。

従来、不倫ドラマでよく描かれていたのは、禁断の恋に溺れた側だった。しかし今は、不倫された“サレ妻”側の視点で、夫や不倫相手に復讐していくというストーリーに熱狂する人が多い。

実際、上記の調査結果のコメントや、ルミさんの意見も「不倫されたら復讐する」といったものだ。

「夫婦関係は我慢の上に成り立つ」という言葉がある。しかし現代は、結婚しても、収入は自身で確保する“自立型”の結婚スタイルが主流となった。”我慢しない”結婚は、離婚をカジュアルなものにさせているのかもしれない。

※回答者のコメントは原文ママです

この記事の筆者:毒島 サチコ プロフィール
ライター・インタビュアー。緻密な当事者インタビューや体験談、その背景にひそむ社会問題などを切り口に、複数のWebメディアやファッション誌でコラム、リポート、インタビュー、エッセイ記事などを担当。

文:毒島 サチコ

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