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菜々緒演じる主人公の、愛おしいほどの無能っぷりに笑いがこぼれる「無能の鷹」毎日の自分の頑張りを認めてあげたくなる作品がスタート<試写室>

  • 2024.10.11
「無能の鷹」をオリジナルレビューで紹介 (C)テレビ朝日
「無能の鷹」をオリジナルレビューで紹介 (C)テレビ朝日

【写真】すがすがしい無能っぷりを発揮する菜々緒“鷹野”

菜々緒主演の金曜ナイトドラマ「無能の鷹」(毎週金曜夜11:15-0:15ほか、テレビ朝日系)が、10月11日(金)より放送スタートする。今回WEBザテレビジョンでは、同作の第1話を事前に視聴。オリジナルレビューで番組の魅力を紹介する。

菜々緒がポンコツ主人公を演じる超・脱力系お仕事コメディ

同作は、女性コミック誌「Kiss」(講談社)で現在連載中のはんざき朝未による同名コミックを実写ドラマ化した、超・脱力系お仕事コメディ。

テレビ朝日ドラマ初主演を務める菜々緒が、スマートな身のこなしに落ち着いた声、自信に満ちあふれているのに謙虚な立ち振る舞い、どこからどう見ても中堅エース級の風格を備えていて、超有能そうな見た目なのに実は衝撃的に無能な主人公・鷹野ツメ子を演じる。

「無能の鷹」第1話あらすじ

50社受けて、ほぼ全滅。就職活動で大手企業では全滅した鶸田道人(塩野瑛久)は、のちに勤めることになるITコンサルティング会社・TALONの面接会場で、鷹野(菜々緒)と出会う。スマートな身のこなし、公共放送のアナウンサーのようなきれいな声、余裕のある微笑み…圧倒的なデキるオーラを醸す鷹野を、一目で「デキる人」だと直感する鶸田。

翌年、無事にTALONに入社した鶸田は、面接の時に一目置いた憧れの鷹野と同じ営業部に配属される。真剣な表情で、颯爽と作業をこなす彼女だが、なんと入社して3カ月、資料のホチキス留めしかしていなくて(それさえもズレまくっている)ーー!? そう、鷹野はそのいかにもデキそうな容姿とは相反し、圧倒的に無能だと発覚。社内ニートになっていたのだ。

鷹野の指導係である鳩山樹(井浦新)、鶸田の指導係・雉谷耕太(工藤阿須加)、鵜飼朱音(さとうほなみ)らが見守る中、「難しいことを考えると頭が痛くなる」とパソコンでのグラフ作成もままならず、「何が分からないのかが、分からない」と笑顔で肩をすくめる鷹野。いやいやまさか、こんなに無能な人間が存在するはずがない…能ある鷹は爪を隠すっていうし…秘められた能力があるのでは、と勘繰る同僚たちの期待は、ことごとく、美しく、裏切られてゆく。

一方鶸田は、初対面の相手から向けられる、自分を値踏みするような視線に臆してしまい、契約が取れない日々が続く。「第一印象最弱の自分は、営業職に向いていないのでは」と悩んでいたところ、うっかり部長の朱雀又一郎(高橋克実)が、無能すぎる鷹野をクビにしようと密談している姿を目撃。どこか他人事ではない気持ちになった鶸田は、なんと鷹野を営業のパートナーに指名する。

すがすがしいポンコツっぷりに笑いがこぼれる

ドラマは冒頭、就活シーンからスタートする。颯爽と歩く鷹野に思わず見惚れてしまう鶸田ら他の候補生。さらに会社の担当者までをもとりこにする鷹野。そして翌年。気弱ですぐにお腹が痛くなってしまう鶸田がなんとか入社に漕ぎ着けた企業には、就活会場で憧れた鷹野の姿があった。

しかし、憧れの存在だった鷹野は、圧倒的無能だったのだ。

「単純作業って眠くなるよね」「難しいことを考えると、頭が痛くなるんです」「何が分からないのかが、分からない」と首を傾げ、そのポンコツっぷりにはすがすがしささえ感じる。

鷹野のデキるオーラは「私はただ、昔からお仕事ドラマが好きだっただけ」という理由から。一方、指導係・雉谷から「初手の印象、弱すぎ」「説得力がない」「営業として致命的」と言われてしまうほど、気弱さがにじみ出てしまう彼女と同期の鶸田。分析力やセンスは悪くないのに、どうしても第一印象がふるわない。

本当は優秀な鶸田に対して鷹野は、「私はただボタンを押しただけなんですけどね」と拡大のボタンを押し、コピーもままならない状態。部長の朱雀から叱責され「落ち込んでないの? さっき部長に怒られてたじゃん」と心配する鶸田だったが、「いつ私が怒られてたの?」と彼女は怒られたことにさえ気づいていない様子。

さらに「そもそもコンサルって言葉の意味が分からない」「IT(イット)も分からない」と真っすぐ話す鷹野に「そこから!?」「あ、IT(アイティー)ってこと!?」と混乱する鶸田。見ているこちらも彼と同じ反応をしてしまうこと間違いなし、想像を超える無能さに思わず吹き出してしまうだろう。

どこか応援したくなる、塩野瑛久演じる鶸田の姿

そして、周りの友人たちの眩しいSNS投稿を見て、「みんな楽しそうだな…」と部屋でつぶやく鶸田の表情はどこか寂しげ。煮詰まるとコロッケを揚げ、「コロッケがカラッと揚がると重い気持ちがカラッとする」と一人コロッケを食する鶸田に寄り添いたくなる。

また、元カノの投稿に打撃を受けたり、母親からの結婚の圧にイライラしたりという姿は等身大で、親近感が湧く。突拍子もない主人公・鷹野と対比される形が多い鶸田だが、一番視聴者に近い目線で鷹野の言動に驚き、笑い、ツッコむ姿で私たちを楽しませてくれている。

そんな中、鶸田は営業部部長の朱雀と開発部部長の鴫石(安藤玉恵)が鷹野の押し付け合いをしているところを聞いてしまう。同じく鷹野もその光景を目撃するも、「私が会社を必要としているから、会社が私を必要としているかは考えないようにしている」と笑顔を見せる彼女。その後、2人で話す中で鶸田はあることを思いつき、そしてそれが“奇跡”へと繋がっていく。

いい意味で「なんだ、少しの失敗くらいいいか」「力を抜いてみよう」と思わせてくれる、金曜日の夜にぴったりな今作。菜々緒演じる鷹野の愛おしいほどの無能っぷりに、思わず“膝カックン”されることだろう。仕事に打ち込むのはすてきなこと。だけど、もっともっと!と肩肘張りすぎている人たちに見てほしい。一週間の終わりに、きっと毎日の自分の頑張りを認めてあげられるはず。

新感覚お仕事コメディー「無能の鷹」第1話は、10月11日(金)夜11時15分から放送される。

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