1.フリンジ使いで躍動感を生むBOHOアウター
70年代を彷彿させる、フォークロアスタイルのリバイバルに注目が集まった2024-25年秋冬シーズン。フリンジがあしらわれたBOHOジャケットは一見甘くなりがちだが、色や素材で辛口なスパイスを効かせることでモードな装いが完成する。カジュアルなデニムジャケットも、流れるような袖のフリンジによってメリハリをプラス。フラッフィーなスカートにエッジィなウエスタンブーツをあわせてドラマティックに装って。
流れるように広がるフリンジが大胆なレザージャケットに、レース付きのフレアボトムが好相性。モノトーンでまとめることで、甘さと辛さのコントラストが調和され、こなれた大人の遊び心を演出する。足もともクールに黒で引き締めるのがポイント。
インフルエンサーのハート・エヴァンジェリスタは、ビンテージ風のフリンジジャケットを着用。重くなりがちなスエードだが、ブラトップをあわせたさりげない肌見せで軽やかな雰囲気を演出。ボトムや小物も同系色で統一することで、秋冬らしいシックな装いが完成する。
背面から裾にかけて流れるようなフリンジをデコレーションした、モスキーノ(MOSCHINO)のデニムジャケット。身体の動きにあわせてリズミカルに揺れるディテールが躍動感を生み出す。フロントにはフラップポケットが付いており、クロップド丈でどんなボトムともあわせやすい。
胸もとと裾周にフリンジの切り替えを効かせたスエードジャケット。ストレートな袖とドロップショルダーによってフリンジの動きをより強調し、歩くたびに優雅に揺れる。
2.着こなしのアレンジで勝負するトレンチコート
ケープ付きのクラシカルなトレンチコートを主役に、厚底のウッドサンダルでBOHOチックに仕上げた2024-25年秋冬のクロエ(CHLOÉ)。ケープを取り外せば、モダンなトレンチコートとててもアレンジが楽しめる。ヴィンテージライクなペタルネックレスが胸もとのアクセントに。
ニュートラルカラーのトレンチコートは、襟の開け方やベルトの結び方でさりげないひねりを効かせて。胸もとを大胆に開けてペールカラーのドレスを仕込めば柔和なムードに。仕上げはキャップやブーツなどハンサムな小物で大人のストリートミックスを完成させると◎。
大きなフラップとデコラティブなボタンがアクセントになったドレスライクな逸品。雨の日も安心な撥水コットンを使用し、チンストラップは取り外しが可能。シルエットの緩急を楽しめるベルテッドスタイルで、デイリーからフォーマルまでスタイリングの幅を広げてくれるはず。
秋冬のワードローブにプラスワンするなら、ジャックムス(JACQUEMUS)のニュアンスグレーをチョイスしたい。柔らかで洗練されたカラーリングとワイドネックが上品なロングトレンチは、ラフに羽織るだけでドレッシーな佇まいに。ハイウエストのデザインでスタイルアップの効果も。
3.一枚でモードに格上げするブラックコート
ベーシックな黒のコートは、モードに格上げしてくれる有能アウター。ただし組み合わせによっては重くなりすぎたり、地味に見えてしまうことも。今季は色や素材のレイヤリングで軽やかさをプラスするのが旬のテクニック。フォーマルからデイリーまで着こなすなら、黒のチェスターをチョイスしたい。ベージュのブレザーとブーツが上品な差し色となり凛とした色気を漂わせる。
ベルリンでキャッチしたソニア・ライソンは、フリンジをあしらった黒のロングコートをセレクト。タイダイ染めの上下スエットを重ねることで、かたい印象になりがちな黒を今っぽくアップデートしている。ニットキャップやローファーも黒で引き締めつつ、バッグの差し色が小粋なアクセントに。
ラウンドネックにロングスカーフをドッキングした技ありの一着。そのままラフに垂らしたり、マフラーのように巻きつけたり自由なアレンジを楽しみたい。サイドスリットでもたつかず、スッキリとしたシルエットを保ってくれる。
ワイドなピークドラベルが特徴のマキシコートはドレス感覚で羽織りたい。肩のボリュームを強調することでくびれたウエストを強調し、対比によって女性らしいシルエットを表現。エッジの効いたボタン使いも大人のエレガンスを感じさせる。
4.Pコートはユニフォーム感覚で軽やかに
正統派のPコートだが、今年はボリュームのあるシルエットでゆるっとしたこなれ演出したい。ミドル丈やショート丈なら、ボトムとのバランスがつけやすく、ロング丈なら一枚でドレスライクな着こなしが完成する。パリでキャッチしたチン・フイランは、金ボタンがアクセントになった構築的なピーコートコートを着用。裾からチラリと揺れる真っ赤なフリンジと、チャンキーなギンガムチェックのパンプスが差し色のアクセントに。
英国の人気インフルエンサー、タマラ・カリニックはミュウミュウ(MIU MIU)で統一。ユニフォームを思わせるグレーのコートに鮮やかなブルーのトップスを差し込み、大人のガーリーコーデを完成させた。足もとはトレンドのルーズソックスとバレエシューズでキュートにマッチさせて。
柔らかなウールとカシミアの混紡素材を使用。ワイドなノッチラペルのダブルブレストシルエットで正統派なルックスに仕上げている。コートの内側にはブランドのシグネチャーがあしらわれ、線部にまでこだわりが詰まった一着。
フロントと袖にパネルデザインを施したモダンなデザイン。端正なノッチドカラーとクロップド丈で、身体のラインをシャープにみせてくれる。メリノウールブレンドで肌触りがよく、適度なハリとしなやかさも両立。
5.グラマラスに纏うエコファーコート
毛足の長いエコファーを使用したボリュームコートは一枚で主役級の存在感。今季はパンチの効いたアニマル柄から、柔らかなニュアンスカラーが勢揃い。エコファーならではの軽やかさで旬のドレスアップを叶えよう。お手本にしたいのが、リヴィア・ヌネス・マルケスの着こなし。大胆なレオパード柄は一見、派手なイメージだがダークトーンで抑えることで、シックな雰囲気を醸し出す。シアーな肌見せのバランスも今っぽさを握るカギに。
華やかなホワイトのエコファーコートは、ボリュミーな毛足と大きな襟がポイント。甘くなりすぎないよう、ストリートライクに装うならミリタリー調のパンツでカジュアルダウンさせよう。フリル付きのタイやキャットアイサングラスで遊びを効かせることでフレッシュなムードをつくり出す。
温かみのある柔らかな毛足が特徴のチェスターコート。こなれた色合いだからこそ、ハンサムにもドレッシーにも着こなせる。ビッグシルエットなロング丈なのでボトムとのバランスを気にせず合わせられるのも嬉しい。
ラウンドカラーが上品なロング丈。洗練のアイボリーは、カジュアルなデニムスタイルとも好相性。ガウン風に着られるオーバーサイズで、軽やかなのに暖かく、これからのワードローブに欠かせない一着になってくれそう。
※価格など表示内容は、執筆現在のものです。変更の可能性もありますので、最新の在庫状況や販売価格は、販売ページをご確認ください。
Photos: Getty Images Text: Megumi Otake Editor: Mayumi Numao
READ MORE