佐倉の秋祭り
佐倉に秋の訪れを告げる秋祭りは、鍵の手のような城下町を三日間、山車・御神酒所・御輿が盛大に練り歩きます。
山車や御神酒所がすれ違う様子や、佐倉囃子に合わせた「えっさのこらさえっさっさ」の掛け声、踊りは佐倉ならではのものです。
麻賀多神社神輿は、千葉県最大級の大神輿であり、威勢良い掛け声とともに渡御される姿は勇壮です。
佐倉の秋祭りは古くから「麻賀多神社祭禮」が母体であり、五穀豊穣に感謝する秋祭りで、江戸時代に土井利勝が佐倉城を築くと、佐倉城大手門のすぐ近くにある麻賀多神社は佐倉藩の総鎮守となり、その神社の祭禮は歴代藩主の加護の下に発展しました。明治時代前期になると、新町六町と弥勒町が江戸(東京府)日本橋方面から7体の人形山車を買い付け現在に至ります。その後、大正・昭和にかけて、各氏子町内も「御神酒所(おみきしょ)」と呼ばれる踊り屋台を拵え現在の祭禮の形となりました。平成5年には「佐倉の秋祭り実行委員会」が発足され「佐倉市の伝統文化の継承と発展を願うとともに、住民の交流を深め、佐倉市民の心のふるさとづくり」をテーマに活動を続け、現在は麻賀多神社以外に愛宕神社、神明神社、八幡神社の氏子町が加わり、4社合同祭の形で、祭りを開催しています。
勇壮な山車人形は見ごたえあり!
明治時代に購入された山車人形は佐倉市指定文化財になっており、貴重な江戸の文化、伝統を現在も各町内によって大切に保存され、100年以上の時を越えて文化継承されています。
特に江戸時代に庶民の間で流行した、能に登場するものを題材とした人形が多く、製作は、江戸~明治にかけて名工と語られてきた人形師、仲 秀英(なか しゅうえい)・原 舟月(はら しゅうげつ)・横山 朝之(よこやま ともゆき)が手掛けたものです。
佐倉囃子を楽しみました
佐倉囃子は葛西囃子の流れをくんでおり、「屋台・昇殿・鎌倉・四丁目・上がり屋台」で構成された五囃子があります。 他に大拍子という締太鼓と舞が加わった「仁羽」の曲があります。「仁羽」の曲に合わせて「えっさのこらさのえっさっさ」と掛け声と共に曳き廻しが行われるのは佐倉独自の文化となっています。
その他にも「屋台、昇殿、鎌倉、四丁目、あがり屋台」の五囃子なども演奏されます。佐倉囃子保存会は昭和35年に結成、昭和46年に佐倉市指定無形民俗文化財に選定され、多くの会員を輩出しています。
佐倉囃子が祭りを盛り上げます!
祭に先立ち、佐倉市の「夢咲くら館」で佐倉囃子保存の会の皆様の演奏を聴きました。
お囃子を間近に、見て、聞いてお祭り気分が盛り上がります。
山車人形の詳しい説明もしてくれました。
心躍る秋祭りに是非足を運んでみてはいかがでしょうか。