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軍用犬の訓練士が涙する理由…→悲し過ぎる現実にどう声をかけていいかわからない【米軍基地で働いてみた(72)】

  • 2024.10.10

<軍用犬の訓練士が涙する理由…→悲し過ぎる現実にどう声をかけていいかわからない>米軍基地で働いてみた[#72]

(前回の続き)私が働いていた基地に軍用犬をともなったUnit(部隊)が滞在していた際のお話です。

ある日、クラブにやって来た軍用犬の訓練士である「ハンドラー:handler」と話す機会があったのですが、一人伏し目がちな兵士が気になりました。

「楽しんでる?」と聞くと、なんと彼の瞳にはキラリと光るものが…。
私と目が合ってしまった彼は「目にゴミが入って…」と言い訳をしますが、明らかに何かがあった様子です。

出来上がった料理をもって他のハンドラーの兵士達はワイワイとテーブル席に移動していきました。

こんな時は、遠くの親戚より近くの他人です。
「よかったら話しを聞くわよ!」と、明るく声をかけると少し笑顔になった兵士は、自分が最初に担当した軍用犬の話しを始めたのです。

彼とバディーである軍用犬は、数々の訓練や任務を通じて成長していましたが、ある年に緊張感が漂う戦闘地域に赴任する事になりました。
そんな戦闘地域でのパトロール任務中に襲撃事件がおきてしまったのです。

そして、ハンドラーである彼の事を身を挺して守ったバディーの軍用犬が犠牲になってしまったというのですから、かける言葉もありません…。
彼自身もひどいケガをして意識を失い、治療後に意識を取り戻した病院のベットの上でバディである軍用犬の訃報を聞いたんだとか。

ふと、その時にバディーの亡骸に会えなかった事を思い出してセンチメンタルになったそうです。

訓練中の軍用犬を見て「カッコいいし可愛いな!」などとお気楽に考えていましたが、彼らは命令が下れば、兵士と一緒に戦地に赴く仕事なんだと思い知らされました。

軍用犬の引退年齢は一般的に8歳から10歳程度だそうですが、引退後はハンドラーやその家族に引き取られたり、一般家庭に譲渡するプログラムもあるんだとか。

残りの人生…もとい「犬生」は穏やかで幸せな隠居生活を送って欲しいと心から願わずにはいられませんでした。

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