すでに“ブレイク確定”か？　NHK朝ドラヒロインに抜擢された“若手美人女優”の過去作に賛美の声

「朝ドラヒロインへの抜擢」は、ひとりの俳優として知名度・実力ともに認められた証拠としての意味合いを持ち、若手俳優の登竜門として機能している節がある。直近でも、清原果耶・福原遥・趣里・伊藤沙莉・橋本環奈とフレッシュな面々が連なるなか、2025年後期の連続テレビ小説『ばけばけ』のヒロインに抜擢された俳優の名を、果たしてどれだけの人が知っていただろうか。

朝ドラヒロイン抜擢、代表作は殺し屋映画？

2025年後期の連続テレビ小説『ばけばけ』の舞台は1960年代。明治の作家・小泉八雲の妻であるセツが、主人公のモデルとなる。松野トキを演じることが決定した俳優・髙石あかりは、今作で3度目の朝ドラオーディション参加であり、彼女にとって念願が叶った形と言えるだろう。

2002年、宮崎県出身の髙石あかりは、2016年にダンスボーカルグループの一員としてデビュー。2018年に卒業し、2019年に本格的に俳優活動を開始。2021年公開の映画『ベイビーわるきゅーれ』で初主演を務めた。

シリーズ2作目となる『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』では第15回TAMA映画賞における最優秀新進女優賞も受賞。園村健介をアクション監督に迎えた本作は、二人の可愛い女の子がバキバキのアクションで華麗に人を撃ち殺していく、そのギャップが話題となりじわじわとコアなファン層を拡大していった。

青春、バイオレンス、ガールズムービーの趣。どれも等間隔に絶妙なバランスで成り立った『ベビわる』の世界観で、髙石あかりは主人公の一人・杉本ちさととして存分に持ち味を知らしめた。同時期に公開されたシリーズ最新作『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』と、その撮影の模様を収めた『ドキュメンタリー オブ ベイビーわるきゅーれ』を合わせて鑑賞すると、より髙石あかりの演技に対するストイックさが知れる。

ちなみに2024年9月からは、テレ東系列にてドラマ『ベイビーわるきゅーれ エブリデイ！』も放送中。映画と同じくバキバキのアクションがあることはもちろん、より殺し屋として生きる彼女たちのパーソナルな部分に迫った内容となっており、見応えがある。

2.5次元舞台に出演、声優も

『ベビわる』シリーズのほか、髙石はドラマ『墜落JKと廃人教師』（MBS/2023-2024）でヒロイン・落合扇言を演じ、『わたしの一番最悪なともだち』（NHK/2023）で鍵谷美晴を演じ（蒔田彩珠とW主演）、Netflix『パレード』（2024）への出演や、劇場アニメ『きみの色』（2024）で声優を務めるなど、常に俳優として活動の幅を広げ続けている。

『墜落JKと廃人教師』は、橋本涼演じる教師・灰葉仁と、髙石あかり演じる女子高生・落合扇言が秘密裏に付き合っている……のか、いないのか、曖昧な線を行きつ戻りつする様をコミカルに、ときに胸キュンも交えつつ描いた作品。一度観れば癖になり、次回も観たくなる中毒性が話題となり、シーズン2まで制作された。

『わたしの一番最悪なともだち』で演じた鍵谷美晴も、蒔田彩珠演じる笠松ほたるが、なぜか妙に意識してしまう腐れ縁の友人として、髙石にしか出せない味をまとっていた。幼少期から自身の考えを確立している美晴。つい他者に合わせて意見を変えてしまうほたるにとって、美晴は屈折した憧れの対象でありながら、近づきがたい存在だった。

髙石あかりの端正な、美少女としか呼称できないルックスは、不思議とラブコメにも青春劇にもヒューマンドラマにもハマる。くわえて、その声も魅力的だ。少女らしい色味と清涼感がありながら、しっとりと心地良い低音が滲む一瞬もある。

声優として『きみの色』の作永きみ役に選ばれたのも納得で、古書店で働きながらギターの練習に勤しむ、どこか影のある高校生役を違和感なく演じきった。

映画ファンは『ベビわる』を通して髙石を知るが、2.5次元舞台ファンは『鬼滅の刃』の初代・竈門禰󠄀豆子を通して知った層も多いだろう。原作があるがゆえに賛否両論が巻き起こりやすい界隈だが、髙石のルックスを以ての禰󠄀豆子に対しては賛美の割合が高かったのではないだろうか。

ジャンルや作品を問わず、その瞬間に魅力の最大風速を吹かせてくれる髙石あかり。連続テレビ小説『ばけばけ』でも、多くの視聴者に向けて存分に認知を広げてほしい。

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ライター：北村有（Kitamura Yuu）
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。Twitter：@yuu_uu_