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3000本を観尽くした“映画の達人”が選ぶ、『一生に一度は観ておきたい名作映画』

  • 2024.10.16

毎年、日本国内だけでも数百本制作される「映画」。ラブコメやアクションから、感動する作品まで幅広いジャンルがある中で、3000本映画を観尽くした“達人”が「一生に一度は観ておきたい」と語るのはどんな作品なのか。

達人が選んだ名作映画

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(C)SANKEI

作品名:『ぼくのお日さま』
公開日:2024年9月13日
あらすじ:吃音を持つ少年タクヤ(越山敬達)、フィギュアスケートを習う少女さくら(中西希亜良)、選手の夢を諦めたコーチの荒川(池松壮亮)がスケートリンクで出会い、3つの視点で描かれる物語。ホッケーが苦手なタクヤに、荒川はアイスダンスでさくらとカップルを組まないかと提案し、タクヤは、荒川に憧れを抱くさくらと練習を始めていく…。主演は池松壮亮。

なぜ“一生に一度は観ておきたい”映画なのか?

映画作りの大事な要素として、カメラに映るショットをどうやって切り取っていくか計算しながら組み立てる“必然性”と、その時その場でしか生まれない奇跡的なショットの“偶然性”が映画を作り出す上で重要だとすれば、この映画はあらゆるショットで見事にその2つの要素が無駄なく全編にわたって融合している。

フィギュアスケートのシーンは終始あまりの美しさに呆然としてしまうだろう。また全体的に最後まで役者さんのセリフをできるだけ排除して登場人物が本当はどんな感情を抱いたのか、どんな想いだったのか、正解のない解釈になっており、映画を鑑賞している人の想像に任せている点においても素晴らしい。映画の中で出演されているコーチ役の池松壮亮はベストワークの演技を魅せている。2024年を代表する日本が誇るべき、一生に一度は観ておきたい1本。

おすすめしたい類似作品

『夜明けのすべて』

この映画のポスターをみると恋愛映画と勘違いしてしまうが、松村北斗と上白石萌音の2人が主演を務めそれぞれの障害を抱えている男女がいわゆる恋人や友達などに定義できない関係性をベースに、2人が働く会社の中で物語が進んでいく映画。“障害”というとシリアスなイメージをしてしまうかもしれないが、人と人の出会いや絆を丁寧に2時間描き、どんな人にも寄り添ってくれているような作品。

『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』

第96回アカデミー賞作品賞ノミネートされた映画でどことなく1970年代のアメリカンニューシネマを意識した作りのヒューマンドラマ。教師と生徒の関係性の変化を巧みに表現されており、心の中にある孤独をお互い理解していくストーリーだが、ところどころのユーモアシーンや、歴史をモチーフにしたセリフの数々、当時のフィルムルックを再現したり見所が多い映画。

まとめ

『ぼくのお日さま』は映像美、物語、演技のすべてが融合した芸術作品。この映画に触れた瞬間から、自分の中に何かが変わったと感じるはず。映画を観ることが単なる娯楽ではなく、心の旅路になる瞬間を提供してくれる名作である。『夜明けのすべて』や『ホールドオーバーズ』も、深く心に残る映画体験を与えてくれるので、ぜひ併せて鑑賞してみてはどうだろうか。

一生に一度、心の奥深くを揺さぶられる映画体験を。その第一歩として、この名作たちをぜひ。


※記事は執筆時点の情報です