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持続可能なカカオの生産のために、私たちが今できること。「1チョコ for 1スマイル」って?

  • 2024.10.10

シティリビング創刊40周年を記念して小田急百貨店 新宿店で開催したイベント「新しい知識と学び、出会いのある4日間」。イベントでは、展示物や写真展のほか、役立つセミナーが行われました。

今回は森永製菓の「1チョコ for 1スマイル」講演の様子をレポートします!

「1チョコ for 1スマイル」って?

「ダース」「小枝」など人気のチョコレート菓子が多数ラインアップする森永製菓。125年の歴史で培った信頼と技術を携えて、ウェルネスカンパニーへと進化を遂げています。

そんな中、同社の特長的なサステナビリティへの取り組みであり、カカオ産業の持続可能性向上に貢献する活動が、2008年から続く「1チョコ for 1スマイル」です。

登壇したのは、森永製菓 コーポレートコミュニケーション部 広報グループの渡辺啓太さん。渡辺さんは昨年実際にガーナにも訪れて、支援地域の人々との交流も行ったそうです。

出典:シティリビングWeb

現地に行ったからこその熱い思い!渡辺さんの講演

「チョコレートを食べる人も、カカオの国で学ぶ子どもたちも、みんなの笑顔を未来につなぎたい。」という思いを込めて、活動を続けています。

チョコレートの原料「カカオ」が作られる赤道近くの国々では、十分な教育環境が整っていない、経済的な自立が難しく子どもが働かざるを得ないなどの問題があるのが現状です。

「1チョコ for 1スマイル」の取り組みでは、ガーナなどカカオの国の未来を担う子どもたちの教育環境の改善や児童労働問題への取り組みを、商品の売上の一部を使って支援しています。

支援活動のパートナーは、国際NGO プラン・インターナショナルと、日本生まれのNGO ACE。年間を通して行う寄付のほか、対象商品1個につき1円を寄付するキャンペーンを実施している時期もあります。

いままでにガーナだけではなく、インドネシア、フィリピン、カメルーン、グアテマラ、エクアドルといったカカオ生産国6カ国を支援。2008年からの16年で累計3億円以上、約17,000人の子どもたちの支援が実現しています。

最近、カカオが高騰しているというニュースを目にしたことはありませんか? この理由は、一般論としては、カカオの生産量減少と需要の高まり、投機目的での売買による影響のほか、たとえ耕作面積を増やしてもすぐ実がなるものではないことや、森林維持など持続可能な活動のためにはただ耕作面積を増やせばいいというものでもないということが影響しています。

その現状を、ガーナに渡航した際に目の当たりにしました。

出典:シティリビングWeb

カカオ農家の方に話を聞くと、「温暖化・気候変動の影響で病虫害も増えている」「カカオだけでは収入が足らず副業をしている」「体力的につらいけれど食べていくにはカカオ生産を続けなければならない」など、厳しい現状が聞こえてきました。

ガーナ政府にはカカオ農家に対する技術面での支援体制はあるものの、肝心の政府が財政難のために、農家まで行き届いていないのが現実です。

カカオ農家には実は階層が存在しています。

売上がほぼすべて自分のものになる「土地持ち農家」、売上の半分が取り分になる「シェア・クロッパー」、売り上げの3分の1が取り分となる「ケア・テイカー」です。児童労働のリスクが高いのは後者2つであり、「1チョコ for 1スマイル」ではそこを直接支援しています。

児童がナタを使うなど危険な作業を担っています。当事者の子どもたちからは、「平日は学校に通えるようになった。放課後や休日はカカオ農園の仕事や家事をしている。カカオを頭に乗せて運ぶのは重くてつらい」「学校に通いながらカカオ農園の仕事をしている。ナタを使った作業を行うこともある」といった声が聞こえました。

支援によって子どもたちが通学できるようになったから終わり、というわけではないことをひしひしと感じました。

また、教育を受けた子どもたちは「将来カカオ農家にはなりたくない」と思っており、親もそう思っていました。カカオ農家が儲からないビジネスであることも課題として浮かび上がってきます。

「1チョコ for 1スマイル」では、課題を抱えるカカオ生産者・コミュニティをダイレクトに支援し、カカオ生産の持続可能性を高めることと、自社調達だけに限らずカカオ生産地全体を考えた取り組みであることをガーナ渡航を経て改めて感じました。

究極のゴールは「カカオ産業から児童労働をなくし、カカオ産業の持続可能性を向上させること」です。カカオ生産者がカカオ生産のみで生計を立てられるように継続的な支援を行うことと、まずは日本国内で自分ごと化し、お客さまにサステナブルな消費行動を選択していただくことが、私たちのできることだと思っています。

これからチョコレートを買うときに、ガーナの現状や課題を思い出し、それをご家族や友人に少しでもシェアしていただければと思います。ご清聴ありがとうございました!

出典:シティリビングWeb

「学びと気づきになった!」参加者の感想

参加した読者からは、

「毎日食べているチョコレート。カカオ生産には児童労働などの問題があることを知り、自分の行動が少しでもプロジェクトのプラスになるように選択したいと思った」

「カカオ高騰のニュースの背景が知れて勉強になった」

「チョコレートを買うことが支援につながるならぜひ協力したいし、周りにも取り組みを広めたい」

といった、感想が寄せられました。

普段当たり前に食べているチョコレート。その裏側を知ることで、持続可能な社会の実現を自分ごととして考えられるセミナーでした。

■1チョコ for 1スマイル https://www.morinaga.co.jp/1choco-1smile/

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