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幼い私が欲しかった、自分に合うブラジャーと生理用品、教育環境

  • 2024.10.10

私が「女の子」だった頃にあればよかったと思うのは、学校でのいじめと家庭での精神的な虐待から逃げやすい環境と、必要な医療を必要な時に受けられる環境と、自分に合ったサイズのブラジャーと生理用品を手に入れやすい環境です。

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病院嫌いの家庭に生まれてしまっても、幸い大きな病気をした事はありませんでしたが、中学2年生の時に視力が落ちて眼鏡が必要になっても眼鏡を買って貰えなかったので、1ヶ月分のお小遣いを全部使って3千円の眼鏡を買いました。

眼鏡を買う時は本来ならば病院で視力測定をした方がいいみたいですが、眼鏡店で視力を測定して貰って購入する事も出来たので、保険証を自由に使えなくて自分の意思で自由に病院に行く事ができない中学生としては親の同意がなくても自分に合った度数の眼鏡を購入できたのは非常に助かりました。

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ブラジャーと生理用品は全く買って貰えない訳ではありませんでしたが、母から与えられるブラジャーはサイズの合わないもの、生理用品は特売品の羽なしの昼用のみだけだったので、就寝時と経血の量が多い日は羽なしの小さいナプキン数枚を下着の中に敷き詰めて凌いでいました。今思えばとても不便な生活を強いられていました。

近年だと公的機関などで生理用品の配布はあるようですが、羽なし昼用ナプキン1袋を貰う為に10代の女の子が窓口に行くハードルは高いですし、1袋を使い切ってしまったら終わりなので正直あまり意味がないと思いました。

本来ならば母親など女性の家族が買ってくれるのが一番良いですが、それが難しい家庭の子達が行きやすい場所で昼用と夜用の生理用品とブラジャーが貰えて、様々な相談が可能な場所があったならば助かったと思います。

ナプキンに羽付きや夜用などの種類がある事、ブラジャーはお店の人に採寸して貰って適切なサイズの物を購入するという事は18歳で一人暮らしをするまでずっと知りませんでしたが、知ってからはこんなにも快適に過ごせるのかと衝撃を受けました。

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学校でも家庭でもない第3の居場所があったならば、とも思います。いじめや虐待からすぐに逃げる事が難しくても、第3の居場所の存在が心の支えになっていたかもしれないからです。

両親の思い通りにならないと必ず「お前なんかいらない」と両親から言われながら大人になるくらいならば、小さいうちから両親から離れて生活したかったです。

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あとは本人にあった適切な教育を受ける権利が保障されてほしいです。
私は小学校入学時から境界知能(知的障害の手帳は貰えないが健常者よりも知能が低い)と発達障害の診断を受けていて、本来ならば支援クラスか特別支援学校に行く事を市の教育委員会等から強く勧められていたそうでしたが、両親が世間体等を気にした結果、小学校から専門学校までの14年間を健常者と同じ学校の同じクラスで学ぶ事になってしまいました。

何も分からないまま授業が進んでいく事と、集団行動で何をすればいいか分からない事と、授業が理解できない事を「怠けている」と先生や周囲の生徒たちから責められる事が苦痛でした。

世間体を強く気にした両親から塾に通わされましたが、それでもテストの点数は1桁が多くて、良くても30点取れれば良い方でした。

成人してからは家族との縁を切って適切な医療と福祉の支援を受けたお陰で過去の自分よりはだいぶ生きやすくなりましたが、それでも、障害が判明した6歳の時点から適切な支援を受けさせて貰えたならば、こんなに長い間苦労する事は無かったかもしれませんでした。

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両親の意向を尊重する事よりも、子ども本人の現在や未来にとって一番適切な選択肢を行政などが半強制的に決めてくれるようなやり方があれば良かったです。

あとは、お金のない未成年者が安全に避難出来て、住む事も可能なシェルターの様な場所があれば良かったです。

■青葉はなのプロフィール
平成5年生まれの蠍座の女。20歳で服飾系専門学校卒業後、工場や清掃などの仕事をした後に28歳から縫製の仕事をしています。

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