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顔が大きくなった、面長になったのはなぜ? エイジングデザイナー・村木宏衣先生に聞く「中顔面のたるみ解消」メソッド

  • 2024.10.10

近年、「フェイスライン」とともに、下まぶたから唇までの「中顔面」のたるみや間伸び感に悩みを抱える人が増えています。「顔が面長になったように感じる」「顔が大きくなった気がする」といった変化について、エイジングデザイナーの村木宏衣先生は、「中顔面の影響が大きい」と話します。どのような生活習慣が、中顔面やフェイスラインに悪影響を与えるのかを、改善のための「メリハリ美容」メソッドとともに伺いました。

顔を大きく見せていた原因は「噛み締め」による筋肉の硬直

――「中顔面」の変化はどのように起きるのでしょうか。

村木先生:「顔が大きくなった」などの中顔面の変化は、むくみも影響していると思いますが、「咬筋(こうきん)」と呼ばれる噛むための筋肉が、固くなっているのもひとつの原因だと思います。

ここ数年を振り返ってみると、コロナ禍では常にマスクを着用しなければいけなかったため、息苦しい状態と、マスクで顔を押さえつけられている状態が重なり、顔まわりの筋肉の緊張が高まりました。このことから、噛み締めが強くなり、咬筋が固まってしまったと考えられます。

また、食事中にマスクをあごにかけて食べていた人は、あごを前に出してしまうクセがついてしまい、より一層噛み締めが強くなってしまっているはずです。

噛み締めが強くなったり、姿勢が悪い状態が続いたりすると、前側に筋肉が縮こまり、ほおが上がりにくくなります。するとほおがたるみ、「ほうれい線」が目立つように。このように、ひとつの筋肉が、さまざまな部分に影響を及ぼすため、全体のバランスも意識して整えたいですね。

――「面長になった」と感じるのはなぜでしょうか。

村木先生:顔のたるみは、 横に広がり、下に下がる 傾向にあります。マスクを着用している間、口呼吸になってしまったことで、口が常にポカンと開いた状態になっていたという人も多いはず。すると、口まわりの筋肉が衰え、鼻の下が伸びてしまい、中顔面の間伸びにつながってしまうのです。

下あごだけになってない? 口まわりの筋肉をしっかり動かそう

――コロナ禍のマスク生活が、中顔面の変化につながったのですね。

村木先生:マスクだけでなく、日々のクセも影響していると思います。

例えば人と話すときや笑うとき、ほとんどの人が 下あごのみ を動かしていると思います。中顔面には、上唇を持ち上げる筋肉や、口角を持ち上げる筋肉がついているのですが、ほとんど使うことがなく筋肉が衰えて下に落ちてしまうのです。そうなることで、鼻の下が長くなり、小鼻から口角までの距離が長く見えてしまい、のっぺりとした印象になってしまうため気をつけたいですね。

――口まわりの筋肉を効果的に使うために、ふだんから意識できることはありますか?

村木先生:「え」の口の形で人と話すことです。しっかりと上あごを使って、上に口を開けることをクセづけることで、筋肉の弾力が回復し、上方向に引き締まるはずです。「え」の口で話していると、楽しいという印象が相手に伝わりますし、目もとにシワがよりにくくなります。よい効果がたくさんあるので、ぜひ実践してみてください。

――口まわりの筋肉が衰えていないかどうか、たしかめる方法はありますか?

村木先生:口を「う」の形にしたまま、ぐるりと1周まわしてみてください。鼻の横の筋肉を使うことがポイントです。スムーズにまわすことができなければ、使えていない筋肉があるということ。口まわりの筋肉を使うメソッドを行うことで、顔の印象がグッと変わるはずですよ。

「中顔面」と「ほうれい線」に効く3つのメソッド

【メソッド1】食いしばりによって固くなった咬筋をほぐす

村木先生:固くなってしまった咬筋を、ていねいにほぐしましょう。緊張がほどけると、ほおの引き上げ力がアップし、肌のハリが戻ってくるはずです。

(1)右のほお骨の下に、左手の親指の腹を当てる。人さし指と中指は耳のうしろからエラを軽く押さえる。
(2)(1)の状態から口を大きく開け、「あ」と「ぐ」を5回くり返す。 (3)親指の位置をずらして3か所行う(各5回)。 (4)反対側も同様に行う。

<ポイント>
上あごを動かすイメージで口を開けると、効果的にほおをリフトできます。

【メソッド2】ほお骨を上へ引き上げて、顔の中心に高さを出す

村木先生:噛み締めの筋肉が緊張したり、口まわりの筋肉が衰えたりすると、ほおの位置が下がってきてしまいます。ほお骨にじんわりと圧をかけて、位置を正しい場所に戻してあげましょう。

(1)テーブルにひじをついて、手のひらのつけ根(手根部)をほお骨に当てる。
(2)(1)の姿勢のまま、視線を上げて正面を向きじんわりとほお骨を押し上げる(10秒×3回)。

<ポイント>
顔がななめにならないよう注意しましょう。

【メソッド3】垂れ下がったほおをリフトして、ほうれい線を解消

村木先生:顔の中央の筋肉をほぐし、ほおの弾力を取り戻しましょう。ほうれい線だけでなく、ゴルゴラインやマリオネットラインの解消にも効果的です。

(1)ほお骨の下に人さし指の側面を当てて、グッと押す。 (2)(1)の状態のまま左右に小刻みに動かす。 (3)少しずつ位置をずらし、ほお全体をほぐす(1か所各5回)。
(4)(3)に続いて、小鼻の横の筋肉を、人さし指と中指で押さえ、「え」と「お」の形で口を大きく動かす。 (5)指の位置を変えて数箇所同様に行う(1か所あたり5回)。

<ポイント>
「え」のときは、上の前歯8本が、しっかり見えるくらい口を開けましょう。

もたつきのないフェイスラインへ! 「二重あご」解消メソッド

【メソッド4】首のこりをほぐして舌をトレーニング

村木先生:首がこってしまうと、舌を支える筋肉が硬くなり、あごの動きが悪くなります。首のこりをほぐして、舌の筋肉を鍛え、もたつきのないスッキリとしたあごを目指しましょう。

(1)正面を向き、腕を胸もとでクロスし、親指を鎖骨に引っ掛ける。
(2)舌を上あごにつけた状態で、上を向いて首を伸ばす(10秒×3回)。目は閉じていても開けていてもOK。
(3)あごを上げて、首を左右交互に傾ける(左右各10秒×3回)。

<ポイント>
首をしっかり伸ばしたまま、あごを動かすようにしましょう。

毎日の積み重ねが「10年後の自分」を変える

――村木先生のお話しから、マスク生活や日々の姿勢などの影響が、顔のさまざまなパーツに影響していることがわかりました。これから「メリハリ美容」をスタートする方に向けて、メッセージをお願いします。

村木先生:筋トレと同様に、顔の筋肉も年齢に関係なく鍛えることで、変化を得られます。とくに顔の場合は、筋肉をほぐすことで弾力が復活しますし、こりがほぐれると血液が循環しやすくなり、栄養が行き渡るため肌状態も改善します。

自分の顔が元気になると、心も元気になっていくはず。毎日の積み重ねが10年後の自分を左右すると考えて、気になる部分からメソッドを試していただきたいです。

撮影/我妻慶一 文/佐藤有香

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