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【インタビュー】急成長中の関東サッカーリーグ1部南葛SC!岩本義弘GMが語るクラブとの出会い

  • 2024.10.9
【インタビュー】急成長中の関東サッカーリーグ1部南葛SC!岩本義弘GMが語るクラブとの出会い
【インタビュー】急成長中の関東サッカーリーグ1部南葛SC!岩本義弘GMが語るクラブとの出会い

Text by 高橋アオ

地域リーグからJリーグへ―。この理想を掲げてクラブ運営をするチームは日本中に数多くある。その中でも衆目を引く成長を遂げながら下部カテゴリーから駆け上がる社会人チームが存在する。

東京都葛飾区を拠点とする関東リーグ1部南葛SCは、世界的なサッカー漫画『キャプテン翼』の原作者である高橋陽一先生がオーナー兼代表取締役社長を務め、「ボールはともだち」をモットーにJリーグ入りを目指している。

2018年にスポーツジャーナリスト、出版業経営者からサッカークラブ運営のゼネラルマネージャーとなった岩本義弘代表取締役専務兼GM(以後岩本GM)にインタビューを実施。

連載インタビュー初回はクラブとの出会い、GM就任の経緯などを振り返っていただいた。

(取材・撮影・構成 高橋アオ)

取材日2024年5月25日

葛飾からJリーグへ、畑違いの挑戦

【インタビュー】急成長中の関東サッカーリーグ1部南葛SC!岩本義弘GMが語るクラブとの出会い
【インタビュー】急成長中の関東サッカーリーグ1部南葛SC!岩本義弘GMが語るクラブとの出会い

――岩本さんと南葛SCの最初の関わりは、2013年10月、高橋先生が当時東京都社会人サッカーリーグ3部だった南葛SCの後援会会長に就任した際とお聞きしています。

高橋先生が後援会会長に就任するタイミングで、先生のマネジメント担当としてミーティングに同席したのがきっかけでした。それまでは葛飾ヴィトアードというクラブ名で活動していましたが、高橋先生から「葛飾からJリーグを目指していくならば、南葛SCというクラブ名にしませんか?」と関係者に提案がありました。そこから南葛SCというクラブの歩みが始まったんです。

――これまで岩本さんはスポーツメディア業界でご活躍されてきました。南葛SCのフロントとしてクラブ運営に関わり始めた時期はいつごろですか。

南葛SCに関わる前は、サッカーを中心にさまざまなスポーツメディアを運営する株式会社フロムワンに約20年在籍し、2016年2月まで代表取締役兼サッカーキング統括編集長を務めていました(統括編集長は2017年2月まで)。

それと並行して、2016年2月に高橋先生と株式会社TSUBASAを立ち上げ、『キャプテン翼』のライツ業務を担当しました。2017年の春からは高橋先生との二人三脚が本格化し、先生から「南葛SCの運営についても真剣に向き合いたいので、力を貸してもらえませんか?」と声を掛けてもらったんです。一緒にやっていくと決めた高橋先生からの依頼ですから、僕の中にはもちろん「YES」の回答しかありません。その後、2017年の夏ごろに翌シーズンからのGM就任の話があり、編成をはじめとした準備に取り掛かりました。

当時、専従のスタッフは一人だけ。もちろん、チームには監督やコーチがいましたが、フロントスタッフとしては僕ともう一人が手弁当で仕事を回しているような状況でした。ただ、高橋先生が本気で南葛SCと向き合うと覚悟を決めた以上、このままでは先生の期待に応えられないだろうと。そこで、2019年1月に株式会社南葛SCを設立したんです。組織としての仕組み作り、クラブを運営していく資金の確保など、Jリーグ参入に向けて優先順位を明確にしながら業務を遂行していける体制を作りました。

競技面はGM入閣初年度でリーグ制覇も

岩本GMがフロントに入閣した2018年にチームは東京都リーグ1部で優勝するも、関東リーグ2部昇格がかかった関東社会人サッカー大会では2回戦で敗退。コロナ禍の2020年に関東社会人大会を制して関東リーグ2部昇格を果たすと、翌2021年には同リーグを2位で終え、入れ替え戦を経て2022年から関東リーグ1部に戦いの場を移した。現在、チームは日本フットボールリーグ(JFL)昇格を目指して奮闘している。

――常勤フロントスタッフ一人だけでクラブを回していたとは。想像を絶する大変さですね。

ただ競技面というか、ピッチ上ではいい結果を出すことができていました。GM就任初年度の2018年、東京都リーグ1部はとてもレベルが高く、現在はJFLに所属するクリアソン新宿も同じリーグのライバルでした。その中でも、同シーズンは2位のクリアソンを抑えて、南葛SCは優勝することができたんです。

――GM入閣初年度で優勝はすごすぎますね。

2018年には、プロ経験のある選手を2人獲得しました。一人が、アビスパ福岡、徳島ヴォルティス、ヴァンフォーレ甲府などに所属していた柴村直弥。もともと関係性のあった選手で、南葛SCに加入する直前はクリアソンにいました。東京都リーグ1部に初挑戦する上で、そのリーグのことをよく知る選手が必要だと考えたんです。彼には選手兼コーチとして、南葛SCの一員になってもらいました。

もう一人は安田晃大(元日本代表DF安田理大の弟)。彼は直前まで愛媛FCの選手だったので、J2リーグから東京都リーグ1部の南葛SCに来てくれたことになります。さらに同年8月には、元日本代表の福西崇史さんに、約10年ぶりに現役復帰してもらいました。選手としても十分に存在感を示してくれましたし、南葛SCの名を世に広めることにも大いに貢献してくれました。

彼らがチームにさまざまな影響を与えてくれて、東京都リーグ1部は数試合を残して優勝を決めることができました。もっとも、その後の関東社会人大会では2回戦で敗れ、当時の目標であった関東リーグ2部昇格とはなりませんでした。もちろん悔しい気持ちでいっぱいでしたが、一方で、“都道府県リーグから地域リーグへ昇格する”というのは、“地域リーグからJFLへ昇格する”というステップアップの次に困難なことだとよく言われています。あくまで個人的には、GM就任初年度で関東リーグ2部昇格まであと少しというところまで勝ち上がることができた。だから、「これは結構いけるのではないか」というのが当時の僕の心境でした。

翌2019年、先ほども触れたとおり株式会社南葛SCを設立し、予算規模を上げて福西さんに監督を任せ、元Jリーガーを複数補強しました。ただ、そう簡単にいかないのがスポーツの世界なのでしょう。このシーズンは、東京都リーグ1部で7位という悔しい結果に終わりました。

【インタビュー】急成長中の関東サッカーリーグ1部南葛SC!岩本義弘GMが語るクラブとの出会い
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――さすがは地獄の東京都リーグ1部。攻略が非常に難しいリーグですよね。

2018年はギリギリの勝負をモノにして、結果的に断トツの1位になったのですが、2019年は「やっぱり東京都リーグ1部はハンパないな」と実感させられました(苦笑)。僕自身、すぐに翌年での再起を誓ったことをよく覚えています。

その翌年(2020年)、結果として関東(サッカーリーグ2部)に昇格できました。監督は名古屋グランパス時代に風間八宏さんの下でやっていた島岡健太さん。来シーズンを考えなきゃいけないときに、ちょうど風間さんがグランパス(の監督を)を辞めたタイミングでした。「ボールを大事にするサッカーをするんだったら風間さんの下でやってた人がいい」ということで紹介されて、島岡さんが監督を受けてくれました。島岡さんの下、「止めて蹴る」から始まって今年から(監督は)風間さんだけど、ある意味そこからボールを大事にするサッカー“風間イズム”のサッカーを始めた感じですね。

営業で1億を稼ぐ選手たち

2020年、南葛SCは東京都リーグ1部、関東社会人大会を制し、関東リーグ2部昇格を果たした。コロナ禍ながら、クラブは将来を見据えて地域貢献活動を徐々に始め、同時に元Jリーガーの選手社員をセールスマンとして育てて、彼らが新規パートナーを獲得するまでにいたった。

――ボールを大事にするスタイルは、『キャプテン翼』の主人公・大空翼くんの「ボールはともだち」からきていますか。

そのとおりです。都道府県リーグや地域リーグでは、勝利を重視するというか、早めに相手ゴール前へとロングボールを蹴り込む、リスクを負わないサッカースタイルが主流になっているように感じます。そういう部分も踏まえ、クラブとしての方向性を高橋先生とじっくり話し合いました。その中では、「『キャプテン翼』のチームがロングボールを蹴り合うようなサッカーをするのはどうか」、「作中にも出てくる『ボールはともだち』をテーマに据え、クラブとしてブレずにやっていこう」という結論に達しました。

――2020年には、株式会社南葛SCとして“選手社員”を雇ったと聞きました。

楠神順平、佐々木竜太、石井謙伍の元Jリーガー3選手を社員として雇い、“選手社員制度”をスタートさせました。社会人チームに所属する選手は、その多くが日中に働いて夜間に練習します。そのスケジュールで活動していると、地域貢献活動が思うように展開できません。僕自身、サッカークラブに携わる者として、地元の方々に応援していただくのはとても重要なことだと考えています。そのため、“選手社員”という新たな立ち位置を設け、今挙げた3人をモデルに地域貢献の新たな取り組み方について検証したいという思いもありました。

とはいえ、2020年といえば世の中はコロナ禍で、自由に外出することすらできませんでした。当時、楠神はJ1リーグの清水エスパルスから南葛SCに来てくれたのですが、出社もできない状況でしたので、ビジネスに関する書籍を積極的に読んでもらうことにしました。読後には感想文を送ってもらい、それに対して僕がコメントするようなやり取りが続きました。

――楠神選手は同志社大出身ですよね。

楠神は学生時代をはじめ、プロになってからもサッカーばかりやってきた人間ですが、当初からビジネス面に関するセンスが感じられました。ビジネス書に関する感想文に、その目のつけどころのよさが十分に滲んでいたんです。今季で在籍5年目になりますが、営業の数字も素晴らしいものがあります。

ちなみにこの選手社員は、2021年に大卒新人2人を加えて、合計5人にしました。まだまだコロナの影響で難しい状況が続いていましたが、少しずつ屋外での活動ができるようになってきた。先ほど挙げた楠神、佐々木、石井はそれぞれJ1リーグのクラブに所属した経験がありますが、Jリーグ経験者でなければ成立しないのであれば、この先も選手社員制度を続けていける保証はありません。僕の立場としては、大卒ルーキーにも働いてもらい、その分の給料をきちんと支払えるような組織を作っていきたい。その思いが5人体制へとつながり、結果的に営業活動と地域貢献活動の両面で手応えをつかむことができました。そこで翌2022年には、選手社員を一気に21人に増やすことにしたんです。

【インタビュー】急成長中の関東サッカーリーグ1部南葛SC!岩本義弘GMが語るクラブとの出会い
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――え、21人ですか。

サッカー面では関東リーグ1部昇格を成し遂げることができましたので、事業面でも規模の拡大を狙いました。前年の5人体制の中で大卒2人も「十分に機能する」という感触があり、一気に勝負をかけて正社員と業務委託社員を合わせて21人体制にしました。彼らには夜間の全体練習が始まる前に、週3日、1日5時間、株式会社南葛SCの営業部の一員として働いてもらい、その対価として給料を支払う。人数が増えればもちろん人件費も増えるわけですが、その年は選手社員21人で合計約1億円を売り上げたんです。

――1億円ですか!!

はい。彼らの営業努力で。

――コロナ禍が収束したとはいえ、すごすぎますね。

「勝負に出て、賭けに勝った」という感覚がある一方、僕の中には確信もありました。特に、2021年の5人の働きぶりを見て、プロ経験者、またはプロに近いところまで到達した選手には、“正しい努力を積み重ねられる能力”があり、こちらがビジネスにおいて何が正しい努力なのかを指摘してあげられれば、彼らは戦力として十分に機能すると思ったんです。

――正しい努力ができていないとプロにはなれませんもんね。

そうです。サッカーというとんでもない大きいピラミッドの中で、その上澄みまで来るということは、子供のころからずっと誰よりも努力して、工夫してやってきた人間しかプロないし、プロに近いところにはなれないと思っています。メディアとして選手と関わりながら、そこへのリスペクトはずっとあった。だから「絶対やれるだろうな」と思っていましたが、思った以上に初年度から結果を出してくれました。

システムエンジニアを兼業するプロ選手

クラブには元日本代表でワールドカップを経験したMF稲本潤一、MF今野泰幸を始め、5人の日本人プロ契約選手が在籍している。クラブ規模を考えれば元日本代表選手を雇うことは財政的に厳しいが、斬新なアイディアで強力な選手たちを獲得してきた。そして仕事を兼業する必要がないプロ選手の中には、システムエンジニアを務めながら活躍する選手も在籍している。

――南葛SCには、選手社員の他にプロ契約選手もいます。

現在では稲本、今野、関口訓充、下平匠、大前元紀の日本人5選手と、ブラジル人2選手の7人がプロ契約です。地域リーグのクラブが、元日本代表やJリーグのトップレベルでプレーしてきた選手を獲得するのは、やはり簡単なことではありません。南葛SCが彼らのような選手たちを迎え入れられた背景には、2020年から導入している個別パートナー制度があります。選手一人ひとりが個別に企業や個人と契約を結び、パートナー料の対価として、会社名や個人名のロゴを練習で着用するトレーニングウエアに掲出するという取り組みです。当然、プロ契約選手たちにもトレーニングウエアのパートナー枠を提供していますから、彼らにとってはプロ選手としての給料とともに、個別のパートナー料も収入源の一つになっているのです。

【インタビュー】急成長中の関東サッカーリーグ1部南葛SC!岩本義弘GMが語るクラブとの出会い
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――なるほど、だからこれだけ大型補強ができると。

例えば関口は、J1リーグのベガルタ仙台から南葛SCに加入しました。驚いたのは、立派な営業力を備えていたこと。彼は帝京高校卒業後、長年にわたりJリーグの第一線でプレーしてきました。つまり、ずっとサッカーばかりやってきたわけです。営業活動はしたことがないはずなのに、彼のトレーニングウエアは前面も背面も個別パートナーのロゴで埋め尽くされています。関口の営業力は本当に見事だと感心しましたね。

――プロ契約選手は、しっかりと競技面以外でもクラブに貢献されていますね。

その中で、下平だけは仕事をしています。彼はシステムエンジニアなんです。南葛SCのホームゲームを告知するランディングページも、彼が制作してくれています。

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――システムエンジニアですか…!

下平が南葛SCに加入したのは、3年前の春になります。ジェフ千葉退団後、当初は選手として加入する前提ではなく、本人が「体を動かしたい」という理由で南葛SCの練習に参加しました。下平とは彼がガンバ大阪に在籍していたころからつながりがあり、南葛SCの練習に参加した際、「実は現役を引退してトラックの運転手になろうと思っています」と言われました。サッカー選手をやめるのは、身体能力の衰えなどが原因の一つであるわけですが、トラックの運転手だって肉体労働。だから僕は、「サッカーをやめるのはいいけれど、次の職業としてトラックの運転手を選ぶのはちょっと違うのでは?」と返しました。それを聞いた下平の心は少し揺らいでいましたが、運送会社から悪くない条件を提示されていたそうです。

それでも僕が、「10年後にはトラックも自動運転になり、運転手という職業は規模が縮小している可能性もあるね」と伝えると、「なるほど。では、どういう職業がいいですかね?」と。そこで知り合いのシステムエンジニアの会社を紹介し、採用が決まりました。今では一人前のシステムエンジニアとして仕事をこなしつつ、日本プロサッカー選手会を通じて、現役Jリーガーたちにエンジニアに関するレクチャーも行っていると聞いています。

キャプテン翼の力で笑顔に

東京都リーグ1部時代の2019年12月、南葛SCはJリーグ準加盟クラブの参加資格を踏襲した、「Jリーグ百年構想クラブ」に都道府県リーグ所属クラブとして初めて認定された(2023年の規約改定により、現在は同資格がなくても特定の条件をクリアすればJ3ライセンスが交付される)。Jリーグの理念を理解し、地域密着を掲げるクラブが、東京都葛飾区に拠点を置いた理由を岩本GMに聞いた。

――改めて現在の岩本GMの立場・役割を教えてください。

株式会社南葛SCの代表取締役専務兼GMとして、事業と強化の責任者を務めています。

――スカウトや強化は元プロ選手が担当することが多い仕事です。メディアから入った人間からすれば、未知の領域だと思いますけど…。

ヨーロッパサッカーが中心ですが、スカパー!やDAZNなどで20年近く解説者をやらせてもらいましたし、Jリーグや日本代表戦の取材には日常的に足を運んできました。プロ野球界に「名選手、名監督にあらず」という言葉がありますが、元プロ選手でなければ選手のクオリティーを見極められないとは考えていません。

また、サッカーメディアの人間として、本当にたくさんの選手、監督、コーチ、経営者に話を聞いてきました。そのため、自分の中では「正解は分からないけれど、間違っていることは分かる」という感覚で、トライ&エラーを繰り返しながら業務に当たっています。

どれほど世界的なビッグクラブの監督やGMでも、うまくいかない時にはうまくいかない。ある意味、そういうものだと捉えて、自分一人ではなく、フロントスタッフたちと一緒になって物事を進めています。もちろん、クラブに関わるすべてのことは、その都度高橋先生にも相談しています。

【インタビュー】急成長中の関東サッカーリーグ1部南葛SC!岩本義弘GMが語るクラブとの出会い
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――クラブのビジョンについて教えてください。岩本さんは個人のX(旧Twitter)スペース(公開で複数人に向けて音声で会話できるライブ機能)などで、「Jリーグの参入は通過点」というお話をしていたと思います。そこに絶対上がるとかじゃなくて、もっと大事なものがその先にある的なことを言われていたと思うんですが。

それはちょっと違いますね。Jリーグ参入は通過点なのではなく、「Jリーグ参入だけを目指しているわけではない」というスタンスです。南葛SCはビジョン、ミッション、バリューを掲げており、ビジョンの中には「サッカー、スポーツ、『キャプテン翼』の力でみんなをもっと笑顔に」というフレーズがあります。

高橋先生は、ご自身が生まれ育った葛飾の下町エリアに大きな愛着を持っています。先生は東京都立南葛飾高校出身なのですが、“南葛”というのは母校の名前に由来しています。だからこそ南葛SCは東京都葛飾区を拠点にし、将来的には東京、日本全国、そしてアジアへと笑顔の輪を広げていきたい。その過程で多くの方々にたくさんの夢を見てもらうためにも、現時点では“Jリーグ参入”という分かりやすい目標があったほうがいいと考えています。そして、Jリーグに上がるだけでなく、その先にJ2リーグやJ1リーグへの昇格、さらにはアジアを代表するクラブになるというフェーズもあるので、数多くの物語を皆さんに楽しんでもらいたいと思っています。

また、ただただJリーグに上がることだけを目的としているのであれば、「ボールはともだち」をキーワードにしたスタイルは効率がよくないでしょう。見ている人もプレーしている選手も楽しめるサッカーを、東京23区で初となるサッカー専用スタジアムで展開する。今まで誰もやってこなかったことを目指すからこそ、夢があって面白いと思うんです。

【インタビュー】急成長中の関東サッカーリーグ1部南葛SC!岩本義弘GMが語るクラブとの出会い
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――2023年にはサッカー専用スタジアムの候補地も決定していたんですよね。

2023年2月に葛飾区と候補地の所有者が正式に協定を結び、今年3月に取得が完了しました。建設に向けた座組やスケジュールは今後詰めていくことになりますが、土地の取得は大きな前進であることに間違いありません。


大きな夢の実現に挑み続ける南葛SCは、2024年にある名将の招へいを決意した。連載インタビュー次回は鬼才と称される日本サッカー界屈指の指導者・風間八宏監督招へいの秘話を岩本GMが語り尽くす。

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