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子どもの「塾選び」でやってはいけない、2つのNG項目

  • 2024.10.9

秋は「塾探し」のタイミング

来春からのわが子の中学受験勉強をスタートするために、秋は「塾探し」のタイミングでもあります。中学受験専門塾『スタジオキャンパス』代表の矢野耕平先生は、「主役はわが子の中学受験ではあるが、どの塾にするかという最終判断は親が下してほしい」と言います。また、塾選びの際に決め手にしたものにはNG項目があるとか……。矢野耕平先生による寄稿です。

塾通いの決断は親の意志で

塾にもいろいろなタイプがあります。ご家庭で十分学習をすることを前提に、あくまでも塾サイドで提供するのは「授業」中心というところもあれば。一方で、わたしたちスタジオキャンパスもそうですが、特に高学年になって以降は自習室を常時開放し、塾の中で「囲い込んで」中学受験をおこなうことを可能とするタイプのところもあります。もちろん、どっちが良い悪いの話ではありません。どういうタイプの塾がそのご家庭にとって良いのかは、家庭環境(たとえば、共働きか否か)だったり、わが子の性格面だったり……そういう複合的な要素に依るところが大きいと思います。わが子の通う塾を決定するのは親の役目。中学受験の主役はまぎれもなく「わが子」であることには間違いありません。しかし、わが子はまだ小学生。塾選びにおける的確な判断力は求められないと考えます。

塾選びの決め手のNGには2項目ある

保護者はさまざまな観点でわが子の塾探しをすると思いますが、塾通いのきっかけになった「決め手」をヒアリングすると、「うーん、それで決断するのはこの先が少々不安かもしれない」と思わされる事柄があります。注意すべき2点を挙げて説明しましょう。①仲良しの友人/ママ友・パパ友の子が通っている塾だからという理由で選ぶ子ども同士が仲が良いと、のちのちお互いの成績が筒抜けになる上、受験期に要らぬトラブルが引き起こされることがあります。マウントをとったつもりはないのに、先方からそう思われてしまうなんていうことも……。逆も然りです。そして、大切な総仕上げの時期に子どもたちが群れ合い、たとえば、自習しているときに用もないのにお手洗に付き合わされる、など足を引っ張り合ってしまうことすらあり得ます。同じ小学校の同級生が大挙して通う塾はこのような意味で避けた方が無難だと考えます。そういえば、かつて、ある大手塾とその近隣の小学校校長が面談するなんてこともありました。なんでも塾内の成績状況が小学校内に持ち込まれて、いじめに発展してしまったらしいのですね。友人たちが大勢通っている塾はこのようなトラブルが勃発する可能性だってあるのです。

塾選びには「冷めた見方」も必要

②合格実績にばかり目を奪われてしまう難関校に多数合格者を輩出している塾は、その学校に行くためのノウハウが蓄積されているといえますし、同じ学校を目指すライバルたちと切磋できる環境があるといえます。そういう意味で、各塾の合格実績は大切な尺度になります。しかし、大手塾といわれるところは、何十、何百と校舎を構えていて、結局はその合算数値を公表しているのです。校舎単位で見るとその数値は一気に縮小してしまいますよね。そして、その華々しく思える合格者はしょせん、よその子どもたち。わが子がそこに入れるとは限らないという“冷めた見方”も必要です。たとえば、A中学校にという最難関校に100名合格している塾があるとしましょう。果たして受験生100名で100名全員合格したのでしょうか。もしA中学の実質倍率が3倍であれば、おそらく300名程度が受験して100名合格している……こう見るのが妥当なところです。換言すれば、そこの塾に通っていた200名は不合格になっているわけです。ですから、特定の難関校の合格数だけに目を奪われて、それを塾選びの最大の尺度にするのはやめたほうがよさそうです。

中学受験の成功譚を鵜呑みにしない

拙著『令和の中学受験 保護者のための参考書』でも触れましたが、近隣在住のパパ友やママ友、あるいは、会社の同僚などの間で流布する「中学受験、塾の経験談」は成功譚ばかりです。中学受験は第1志望校に合格できる子どもたちよりそうでない子どもたちのほうが圧倒的に多いのに不思議ですね。簡単に言うと、中学受験で上手くいかなかった、塾で成績が伸びなかった……そんなふうに後悔している保護者は口を噤んでいるのです。また、成功譚は「盛られる」ことが多いですから、(とりわけ伝聞による話については)その弁を信用しないほうが無難だと思います。逆説的ではありますが、「わが子の中学受験は決して上手くはいかなかった……でも、塾にはたくさん手をかけてもらって感謝している」なんて口にする保護者がいたら、その塾は信頼に足る可能性が高そうですよね。このことをご参考に、数多くの塾に足を運んでみてください。本記事の執筆者である矢野耕平先生が立ち上げた、音声プラットフォーム『Voicy』のチャンネル『矢野耕平のモヤッとユルッと中学受験』も要チェック! 矢野先生の著書『令和の中学受験 保護者のための参考書』(講談社+α新書)をテキストにして、そこに「書かなかったこと/書けなかったこと」を盛り込んだお話が聞けます。今回扱った「価値ある学校」についても話しているそう。ぜひお聴きください。矢野耕平先生の著書『令和の中学受験 保護者のための参考書』(講談社+α新書)はこちら↓

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