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新卒で“給食のおばさん”に! 笑いと元気がもらえる、新人の成長物語

  • 2024.10.8

「給食のおばさん」といえば、学校給食を思い浮かべる人が多いかもしれないが、給食は学校だけではなく病院にも存在する。『新卒で“給食のおばさん”になりました ~女の園は敵だらけ~』(松山ルミ/KADOKAWA)は、新卒で病院の給食のおばさんならぬ、“給食のおねいさん”になった著者が描く、笑顔と元気がもらえるお仕事コミックエッセイだ。

夢も希望もないが調理師免許はある主人公のルミが、条件で選んだ仕事は病院で給食を作る給食調理員。一瞬で100人分のきゅうりの輪切りができる機械の存在や、残飯は捨てる前に量をはかることで献立に活かす工夫など、知られざる給食の仕事の裏側が垣間見れる。また、新人には必ず血液型を聞く先輩をはじめ、個性豊かなアラ60のベテラン「おばちゃん」たちが活躍する「女の園」に、初めは戸惑うルミ。しかし、徐々に職場に馴染み成長していく姿が、リアルかつユーモラスに描かれている。

結婚により辞めていく同僚がいれば、定年が65歳まで伸び、まだまだ働く気満々のアラ60おばちゃんたちもいる。女性はライフステージの変化で仕事も変わることが多い。それでも何十年と働き続けられる職場があることは、とても幸せなことではないだろうか。「女の園」であるがゆえの難しさもあるかもしれないが、同時にお互いの状況を理解し、協力しあえる環境でもある。条件で選んだ仕事だったが、真摯に向き合い、周囲との関係を築いていくことで、居心地の良い職場に変えていくルミの姿は、多くの読者に勇気を与えるはずだ。

本作では主人公ルミの奮闘と成長を通じて、病院給食の世界を覗き見ることができる。笑いあり、学びありの、バランスの取れた作品といえる。続編も出版されており、3年目になったルミの姿が描かれている。仕事に悩む人、新しい環境に不安を感じている人、そして仕事で疲れ癒しを求めている人など、幅広く気軽に楽しめる1冊である。

文=ネゴト / Ato Hiromi

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