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「ラマダン(断食月)」真っ最中のトルコ旅。レストランが軒並み閉まっていて大ピンチ!? 女ひとり世界一周旅行記

  • 2024.10.7

『深夜特急』や『グレートジャーニー』などの旅を描いた本に影響を受け、旅に出たいという思いをいだいたことは誰しも一度くらいはあるものだろう。とはいえ現実的な問題を考えると、長期間の旅をすることは簡単なことではない。旅行資金や仕事、行った先の安全性など不安はつきず、結局、願望は願望のまま終わることも珍しくない。

しかし、なかには勢いのままに一歩踏みだす人もいる。『旅のオチが見つからない おひとりさまのズタボロ世界一周!』(低橋/KADOKAWA)は、1年かけて世界一周するという目標をかなえるために、仕事をやめ、たったひとりでまだ見ぬ地へと飛びだした様を描いたコミックエッセイだ。

世界各国の景色や、食べものなどが、繊細なイラストでみっちりと描かれているのを見るだけでもワクワクする。現地の人とさまざまなコミュニケーションをとる様子も数多く描かれており、その国々ならではの空気を感じることができる。「ニンジャとサムライはどっちが悪いの?」なんて質問は、日本人からはまず受けることはないだろう。そんな新鮮さにみちあふれているのだ。

ロシアからはじまりトルコや南米、ニュージーランドなど、バックパックを背負い、まさに世界を股にかけた旅がくり広げられるのだが、これがちっとも予定通りにはいかない。トルコでは「ラマダン」と呼ばれる日の出から日没まで一切の飲食を断つ時期にあたってしまい、食べ物にありつけず飢えることになったり、ペルーで「コンドルの谷」を見に行った帰りに力つきて、行き倒れてしまったり、危うく命を落としかねないエピソードなども盛りだくさん。「ズタボロ」とタイトルに冠してあることに偽りなし!

それに全行程を1年ほどでまわる予定が、自転車にはまり、南米だけで1年4カ月も滞在することになるなど、滞在期間だけでも予定から大幅にはずれており、その予測のできなさがページをめくる手を止めさせてくれない。

予想外な出来事の数々も「ひとり旅」であれば、自分さえ問題なければ楽しさのひとつ。そうやって「ひとりであること」の尊さを教えてくれることもこの作品の美点のひとつだろう。予定通りに進まない旅をドキドキしながら眺める楽しさだけでなく、各国の食べ物や、有名観光地、そして各国の空気そのものを体験できる本作をぜひ堪能してみてほしい。

文=ネゴト / たけのこ

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