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【専門家解説】ランニングシューズの正しいサイズの選び方は?最新おすすめシューズも徹底比較

  • 2024.10.9

ランニングを始めようと思ったとき、一番迷うのがシューズ選びだろう。ランニングシューズコーチの衛守篤さんによると「自分に合うランニングシューズが知りたい、という方が多いですが、”自分の足に合うシューズを選ぶ” ”正しく履く”ことが大切。履き方が正しくできていなければ、結果的に足に合わないシューズになります」とのこと。

今回は衛守さんに初心者向けランニングシューズの正しい選び方から履き方まで、教えてもらった。体に合わないシューズを選んでしまうとパフォーマンスの低下、故障リスク増加に繋がるというから、ランニングを始める前にしっかりチェックしよう。

あなたの足のタイプは? 足のタイプと見分け方

衛守さんによると足のタイプは大きく分けて下記の3種類「オーバープロネーション」「アンダープロネーション」「ニュートラルプロネーション」。早速それぞれの特徴と見分け方をみていこう(衛守さん・以下「」は省略) 。

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(足のタイプ①)土踏まずが低い「オーバープロネーション」

足首・踵の内側へ倒れ込みと土踏まずの低下が過度に生じる足のタイプ。土踏まずが低い"ローアーチ"の方が多い。

見分け方は?

・扁平足や外反母趾、浮指傾向にある

・立った状態、歩行時、走行時に足が外に向いている

・ランニング時に膝が内に入りやすい

・X脚、O脚傾向にある

・シューズの履き口やアッパーが内側に傾いている

・シューズのソールの内側が削れやすい

(足のタイプ②)土踏まずが高い「アンダープロネーション」

足首・踵の外側への過度な倒れ込みと土踏まずが高く、土踏まずの沈み込みが見られない足のタイプ。土踏まずが高い"ハイアーチ"の方が多い

見分け方は?

・立った状態、歩行時、走行時に土踏まずの沈み込みが見られない

・X脚、O脚傾向にある

・シューズの履き口やアッパーが外側に傾いている

・シューズのソールの外側が削れやすい

・足首が硬く、ぐらつきやすい傾向にある

(足のタイプ③)土踏まずが普通「ニュートラルプロネーション」

上記の2種類のような足首・踵の内外への倒れ込みが少なく、ローアーチ・ハイアーチではない足のタイプ

衛守さんによる3タイプの分析は、「自分で足の状態や使用したシューズを確認して分析するのも良いですし、シューズショップの店員さんやトレーナーさんなど第三者に客観的にアドバイスをもらうのもおすすめ」だという。

自分の足のタイプが分かったら、シューズの選び方をみていこう。

柔らかすぎるソールは注意? ランニングシューズの選び方

衛守さん 曰く、最近のランニングシューズは多種多様になって選び方も難しくなってきて、主流は厚底クッションを使用したものだという。しかし、柔らかくて厚底があるがゆえの注意点も……。詳しくは下記の選び方をチェックしてみて(衛守さん・以下「」は省略) 。

(選び方のポイント①)ソールは比較的硬めのものがおすすめ

ランニングは片足着地動作の連続で、着地時は足元が不安定であり、柔らかすぎる厚底シューズを履くことで不安定感が増してしまう可能性がある

具体例を挙げると、柔らかい砂浜の上でジャンプしたときは足が沈みやすく不安定になるが、反対にアスファルトの上でジャンプすると、砂浜に比べて足が沈み過ぎず安定するのと同じ。

中にはソールの中に推進力や安定性をサポートするためのプレートが内蔵されているシューズもあるが、クッション性や反発性という機能は備えているものの、柔らかすぎるがゆえに不安定になりやすく、必要以上に筋力を使ってしまう可能性もある。そのため、初心者がシューズを選ぶ際は柔らかすぎるものは注意が必要。

ソールのチェックポイント

・プレートの内蔵に関係なく、ソールが厚底すぎず柔らかすぎないか?(迷ったときは、違うシューズを2足履き比べてみてソールが硬めな方を選ぶのがおすすめ)

(選び方のポイント②)足首・踵のホールド感が高いものを選ぶ

最近のシューズは軽量化のため、安定化やホールド感を高めるための補強材が使用されることも減った。そのため、しっかり足首と踵をホールドしてくれるかが大事になる。

 足首と踵のチェックポイント

・履き口が深く、足首・踵周りを包み込んでくれるか?(深さはくるぶしに当たらない程度)

・シューズの踵部分のヒールカウンターが足首・踵周りを包み込んでくれるか?(シューズの踵部分が押しつぶしにくいものが良い)

土踏まずの状態にも大きく関わる踵や足首周りが安定することで、足元のブレ軽減、体全体の安定化に繋がる

ランニングシューズの履き方

(履き方①)まずは紐を解くところから始める

シューズを足にフィットさせるには、シューズを脱ぐ時に紐を解くところからスタート。蝶々結びの所だけではなく、前足部の紐の部分まで解くようにしよう。

足は日によってサイズや形状が異なるので、次にシューズを履く時にその時の足の状態に合わせて靴紐を調整し、フィットさせることができる。さらに、シューズ自体の寿命を長持ちさせる効果も◎。

(履き方②)シューズを履く時のポジション

1.踵を合わせる

シューズに足を入れたら、まずは踵をシューズのヒールカップにフィットさせるために、地面に踵をトントンとさせることがポイント。シューズの中に足が真っすぐ入るようにするためにも、踵の場所が動かないように固定させることが大切。

2脚の向きを揃えて履く

股関節の中心と膝のお皿の中心、足の人差し指ができる限り一直線の状態を保ち、靴紐を結んでいこう。膝が内に入った状態だと、ヒールカップと踵がフィットしなくなり、靴の中で足が斜めに入ってしまうことになるから注意。

3.足が“非荷重”の状態で履く

足全体に体重が乗っている状態でシューズを履いてしまうと、土踏まずが低下したままホールドされてしまうので足の癖が出てしまう危険が。

足が地面に着地する時と離れる時では足の形状が変化する。足の動きの変化に対応するように、シューズを履くときは踵が地面に着いている状態でつま先を上げて、荷重がかからない状態で履くのがおすすめ。

この時の注意点は、つま先を上げることを意識してしまって、前すねやふくらはぎに力が入らないようにすることが大切。

(履き方③)靴紐を結ぶ・締める

靴紐を結ぶ時のポイントは、足のどこに紐が通っているかを踏まえて靴紐を結ぶこと。

シューズによって、靴紐を通す穴の数が異なっていたり、靴紐の通る位置(足指辺り・土踏まず辺りなど)が異なるため、靴紐の強度を調整しながら締めていくことが必要。

足全体を同じ強度できつく靴紐を締めることや、緩めに履くことはランニング時の足のトラブル発症や、パフォーマンス低下に影響するから控えよう。

足の場所に応じた靴紐の強度は……

「土踏まず~蝶々結び辺りの中足部~後足部」:ホールド感・固定感を出す過度な土踏まずの低下や足の左右への横ブレを抑制するために、ホールド感・固定感を出す必要があるため、靴紐の強度を出す必要がある。

「足の指辺りの前足部」:中足部〜後足部に比べて緩め→前足部は着地時に横に広がる動きがあったり、神経や血管が多く通っている末端の場所でもあるため、ゆとりを確保する必要がある。

「シューズの履き方の上達は正しい方法の習慣化に尽きます。今までの履き方を見直していただき、まずは靴を脱ぐ時に紐をきちんと解くところから始めてみましょう」

エディターが10ブランドのシューズを履き比べ! 特徴や履き心地をレビュー

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ウィメンズヘルスのエディター3人が10ブランドのシューズを履き比べた。足の特徴がそれぞれ違う3人がシューズを履いて分析。

※分析グラブは「足幅の広さ」「甲の高さ」「クッション性」「ホールド感」「サイズ感」「軽さ」「アーチの高さ」で分析。数値が大きいほど[()内は小さいほど]、「足幅の広さ」:広い(狭め)、「甲の高さ」:高い(低め)、「クッション性」:高い(低め)、「ホールド感」:高い(少なめ)、「サイズ感」:大きめ(小さめ)、「軽さ」:軽い(重め)、「アーチの高さ」:高い(低め)。

エディター3人の足の特徴

エディターA「オーバープロネーション」 サイズは23・5か24.0迷うサイズ感、アーチ下がり気味

エディターN「アンダープロネーション」 外反母趾気味、足幅狭め、アーチ高め

エディターY「ニュートラルプロネーション」 足幅広め、アーチ普通

①ナイキ 「Pegasus 41」

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「ペガサス 41」は、ナイキ独⾃の「エア ズーム ユニット」と「ナイキ リアクト Xフォーム」の組み合わせにより反発性と安定性を高めた一足。前作より進化したエンジニアードメッシュのアッパーが優れた通気性をつくり、快適さを保つ。練習からレース本番まで足元をしっかりサポートする。

②アシックス「GEL-KAYANO 31」

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優れた快適性と安定性を両立させるように設計された「GEL-KAYANO 31」。かかと部に内蔵されている 「PureGELテクノロジー」が着地したときにクッション性を発揮。また長時間走った時の姿勢の変化に着目し、変化に適応して安定性を発揮することでしっかりとランナーをサポートする。

③ブルックス「Ghost16」

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最新ミッドソール素材「DNALOFT v3」の採用により、軽量化しながらも向上したクッション性をキープ。生地にはフィット感の高い「エンジニア―ドダブルジャガードメッシュ」を採用し柔らかく足を包み込む。アウトソールにはリサイクルシリカを配合し、着地から蹴りだしまでをスムーズに導き、より耐久性と弾力性に優れたシューズに進化している。

④ニューバランス「FuelCell Propel v5」

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夏らしいカラフルな見た目が魅力の「FuelCell Propel v5」は、安定性と反発性を兼ね備えたプレート入りシューズの入門モデル。カーボンプレートよりしなやかな反発が得られる「TPUプレート」と通気性を考慮した新しいアッパーが、更なる弾む感覚を醸成させ、軽量化も実現している。

➄アディダス「SUPERNOVA PRIMA」

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滑らかな重心移動を促すサポートロッドシステムと地面をしっかりグリップして軽快な足取りを保つ「Lighttraxion」アウトソールの組み合わせがランナーをサポート。通気性のあるメッシュアッパーで足が蒸れずに快適に過ごせるのも嬉しい。

⑥ホカ「CLIFTON 9」

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ブランドのアイコン的存在である「CLIFTON」シリーズの最新モデル。ソールの高さが3ミリ高くなりながらも、今までのクリフトンを越える軽さとクッション性が魅力。さらに素材が重なる部分と圧着パーツを削減したスリムなアッパーなど、足あたりの良い設計になっている。

⑦プーマ「Velocity NITRO 3 Fire Glow WOMENS」

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ミッドソール上段に推進力を提供する「NITRO FOAM」、下段に着地時の足のブレを軽減し安定性を提供する「PROFOAM LITE」を入れることで、着地時の足がブレずに前に進むような感覚が得られるのが魅力。普段のランニングからフルマラソンまで幅広いシーンで活躍する。

⑧ミズノ「MIZUNO NEO VISTA」

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新開発のミッドソール「MIZUNO ENERZY NXT」によって効率的で足に負担の少ないランニングをサポート。ブーティのような構造によって、足首までランナーの足を優しく包み込んでフィットする。特許取得のスムーズスピードアシストによって、ふくらはぎ周辺の筋肉にかかる負担を軽減することでラクに走れる。ジョグから初心者のレースまで活躍する一足。

⑨ヴェジャ「Condor3」

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世界的なスポーツの展示会「ISPO」において2023年アウトドア・スポーツ部門で受賞した、機能性と環境への配慮を兼ね備えたシューズ。「L-FOAM」クッションが、着地時の衝撃を吸収して長距離のランでも足を快適に保つ。軽量なシューレースと薄いシュータンにより、摩擦も抑えてくれる。287gと非常に軽量。

⑩オン「Cloudsurfer Next」

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OnのCloudsurfer Nextは、CloudTec Phase®のフカフカなクッショニングと新しいロッカー形状で、自然と足が前に出る設計になっている。これにより、リラックスしてスイスイ走ることが可能。快適な履き心地と優れた衝撃吸収力で、初心者から上級者まで幅広いランナーにおすすめ。

衛守 篤(えもり・あつし)さん

シューズフィッティングアドバイザー大阪でのシューズ販売を約4年経験後、現在は東京・千葉を拠点に移し活動中。ランナーをメインに故障予防や体の機能化を踏まえたシューズの選び方・履きこなし方をレクチャー。最近ではシューズの提案に加えて、体のコンディションニングから多くのランナーをトータルサポートしている。

@emori_running_shoes

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