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庵野秀明が「宇宙戦艦ヤマト」新作企画進行中と発表!放送50周年記念上映会で「リメイクシリーズとは異なる航海を進む」と宣言

  • 2024.10.7

テレビ放送50周年を記念する特別企画が始動中の「宇宙戦艦ヤマト」。プロジェクト第1弾として10月6日に新宿ピカデリーにて一夜限りのスペシャルイベント、「宇宙戦艦ヤマト」放送50周年記念上映会が開催され、庵野秀明、出渕裕、氷川竜介が登壇し、「宇宙戦艦ヤマト」愛溢れるトークを展開した。

【写真を見る】「今日は時間を守らなきゃいけなくて…」とお知らせなどを読み上げる庵野

庵野秀明と「宇宙戦艦ヤマト2199」総監督の出渕裕は「宇宙戦艦ヤマト」がなかったら、人生が違っていたと語る場面も
庵野秀明と「宇宙戦艦ヤマト2199」総監督の出渕裕は「宇宙戦艦ヤマト」がなかったら、人生が違っていたと語る場面も

本イベントは「『宇宙戦艦ヤマト』との出会いがなければ、自分のいまの人生はなかったと思います」と語る庵野の企画、プロデュースによるもの。庵野が司会を務め、「宇宙戦艦ヤマト2199」の出渕総監督、アニメ・特撮研究家の氷川をゲストに迎えた。

上映会イベントでは1974年10月6日19時30分に放送がスタートした「宇宙戦艦ヤマト」TVシリーズ第1話「SOS地球!! 甦れ宇宙戦艦ヤマト」を、50年の時を経た2024年の同日同時刻に上映するという演出も。「どうしても同じ時間にやりたくて…」との庵野のコメントにトークイベント冒頭から大きな拍手と歓声が沸き起こり、会場は熱気に包まれた。

【写真を見る】「今日は時間を守らなきゃいけなくて…」とお知らせなどを読み上げる庵野
【写真を見る】「今日は時間を守らなきゃいけなくて…」とお知らせなどを読み上げる庵野

「宇宙戦艦ヤマト」がなければアニメを作る人生を歩んでいなかったとも語った庵野と出渕。「生き方が違っていたはず。このアニメがなかったら『ガンダム』もなかった」と「宇宙戦艦ヤマト」が日本アニメ史において最重要作であり、その功績は計り知れないものだと強調。氷川も「(頼まれなくても)なんかしなきゃ、後世に残していかなきゃいけないという気持ちにさせられる作品。(この3人は)行動の仕方が違うだけで(『宇宙戦艦ヤマト』を後世に残したいという)根っこは同じ」と指摘。

魅力を語り出したらキリがないとしながらも、自身が好きなシーンや、引き込まれたポイントを次々と語っていく3人。トーク中に「若い人に伝えたい、残したいと言っているけれど、ここに来ている人たちにそれを言う必要は…(笑)」と会場を見渡した庵野は、すでに「宇宙戦艦ヤマト」の魅力を知り尽くし、どんなにマニアックなことを話してもついてきてくれる安心感があるファンとしながらも、若いファンの姿を発見し「若い方もいる!やってよかった!」と安堵する場面もあった。

「宇宙戦艦ヤマト2199」総監督の出渕裕
「宇宙戦艦ヤマト2199」総監督の出渕裕

イベントでは新情報も解禁。庵野が代表取締役を務める株式会社カラーが「宇宙戦艦ヤマト」の原作、版権元のボイジャーホールディングス株式会社から「宇宙戦艦ヤマト」をベースとした新作アニメを製作する権利を付与され、株式会社東北新社からは著作権の利用の許諾を得たことを伝える文書を読み上げる。「平たく言うと、庵野が『宇宙戦艦ヤマト』の新作を作れるということです!」とニッコリの庵野。どうしてもこのイベントに来る人に最初に伝えたかったそうで「ニュースなどにも出さないようにお願いしていました」とも補足。続けて「出渕さんと老後の楽しみで『ヤマト』をやってみたいという話をしていました」と明かし、「内容にはまだ触れられない」としながらも、自身も参加した「宇宙戦艦ヤマト2199」などのリメイクシリーズとは異なる航路を進む予定だと語った。

アニメ・特撮研究家の氷川竜介
アニメ・特撮研究家の氷川竜介

庵野のコメントに「1本作るのに何年もかかるだろうから、それこそ老後の楽しみ!」とニヤリとした出渕。庵野は「港に着くまで沈まなければ…(笑)、残りの人生費やすことになると思います」と力を込める。「他にもやらなきゃいけない作品たくさんあるじゃない!」との出渕の声に庵野は「他にもある。でも、これはやらなきゃ!」と並々ならぬ思いがあると強調していた。

リメイクシリーズとは異なる航海に進むそう
リメイクシリーズとは異なる航海に進むそう

他にも「『宇宙戦艦ヤマト』放送50周年記念セレクション上映」と題したセレクション上映の開催や、画集やデザイン画集、全記録集などを含む出版企画が4つ進行中であること、2025年3月には「宇宙戦艦ヤマト展(仮)」が開催されることも発表された。セレクション上映に関しては「独断で選びました」とニコニコの庵野だったが、1プログラムにつき3話までとの決まりがあったため、「第10話とか13話も入れたかった…」とちょっぴり残念そうにポツリ。セレクション上映はトークイベント付きで開催予定とも話し、出渕と氷川には「暇だったら来て!」とリクエスト。「保険だな」とツッコミを入れる出渕に庵野は「他の人に断られたら…」と答え、笑いを誘っていた。

「宇宙戦艦ヤマト展(仮)」に関しては「やっとやれる目処が立ちました。ありったけのものを展示できれば!」と気合の入る庵野に、会場からは期待のこもった拍手が送られていた。イベント締めには第21話のオープニング(ノンテロップに歌詞追加バージョン)を上映し、三人と来場者で大合唱する時間も。会場は「宇宙戦艦ヤマト」ファンの力強い歌声と手拍子と愛と熱気に包まれながらエンディングを迎えた。

庵野秀明 コメント全文

【お知らせ】

このたび株式会社カラーは、ボイジャーホールディングス株式会社(代表取締役 西崎彰司)様より、『宇宙戦艦ヤマト』をベースとした新作アニメ映像を製作する権利を付与されるとともに、株式会社東北新社様からは著作権の利用につき許諾も得ました。

日本のアニメ作品として輝かしい歴史を持つ『宇宙戦艦ヤマト』シリーズのさらなる発展に寄与し、多くのファンに楽しんでいただける作品とすべく、2025年からのプロダクション開始を目標に新作劇場作品を現在鋭意企画進行中です。

なお、この新作アニメ映像は、2012年公開の『宇宙戦艦ヤマト2199』から始まり、2024年11月22日に第二章が劇場公開される『ヤマトよ永遠に REBEL3199』に連なるリメイクシリーズとは、異なる航路を進む作品です。

現在製作中のリメイクシリーズの航海の安全を陰ながらお祈りしております。

50年前、『宇宙戦艦ヤマト』に出会わなければ、今の自分は無かったと思います。

自分がその「ヤマト」に関わる以上、あらゆる「ヤマト」のスタッフ・キャストに感謝と敬意と恩返しを込めて、新旧織り交ぜた面白い作品群を残りの人生を費やして可能な限り作り、『宇宙戦艦ヤマト』を後世に遺していけたら、と思っています。

何卒、よろしくお願いいたします。

株式会社カラー代表取締役 庵野秀明

取材・文/タナカシノブ

※西崎彰司の崎は立つ崎が正式表記

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