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【西田尚美さんインタビュー】「考えているうちに時間はどんどん過ぎてしまうから。まずは行動を起こす」

  • 2024.10.7

どのアイテムも、さらりと自分のものにできる。 それは大人の特権かもしれません

大人世代のカジュアルの決め手は、「素材」と「小物」。
アクセサリーや靴、バッグといった小物に上質さを取り入れることで、大人になった今だからこそできる、カジュアルスタイルが完成します。
 
「高級なものを身につけるとき、上手に自分のものにできるのは、大人ならでは。反対に、ブランドものを一切持たないのも潔くてかっこいいし、若い人向けのブランドを持つのも素敵。いろんなものを取り込める寛容さというか、貫禄が身についたからかもしれないですね(笑)」
 
そのときどきでファッションにかけるエネルギーが変わったとしても、好きなものを身につけることで気分が上がったり、安心できたり……と、おしゃれがもたらす力は大きいもの。
 
「昔のように次々に新しいものを買ったり、あれこれ欲しくなったりはしないけど、大好きなアイテムを手に入れると心が満たされるし、やっぱりこれが好きだな、と自分のことを再認識できます」
 
ここぞというタイミングや節目で、自分のためのごほうびを買う。それは心を豊かにしてくれる、贅沢な楽しみです。
 
「50歳になったときに、カルティエのパンテールを買ったんです。若い頃からずっと欲しかったけど、〝大人のための時計〟だから、今の自分には似合わないだろうと思って手に取れなかったんですよね。でも50歳になったらすんなり買えて。構えずにさらっとつけられるようになって、大人になったんだな、と実感しました」

すべてを頑張ろうとせず、自分の体調に従って

日々のスキンケアやメイクも、そのときの自分に合わせてアップデートしてきたという西田さん。美容のためにサプリメントやシートマスク、発酵食品、美顔器といったアイテムも取り入れていますが、あくまでも「無理なく続けられるもの」だけを選んでいるそう。
 
「サプリメントにしても、飲みすぎると胃が疲れてしまうかなと思ったら、飲まない日をつくったり。すべてを頑張ろうとせず、自分の体調に従って、できるときにできることをやるのがいいと思うんです」
 
そうやって健やかな肌を保っているから、プライベートのメイクは、「ベースを整えてマスカラとリップグロスを塗るくらい」といたってシンプル。
 
「普段はアイシャドウやアイラインはほとんどしません。今は娘のほうがメイクは上手で、きれいにアイラインを入れたり、涙袋をつくったり……。今はこういうのが流行ってるんだな〜と横目で見つつ、私はとりあえずベースだけを肌に塗っています(笑)。
今のファンデーションはほんの少し塗るだけで肌が整うし、BBクリームだけで済ませることも。ツヤとハリのあるみずみずしい肌が理想ですが、やせすぎると肌の内側からしぼんでいく気がするので、食事制限はせず、しっかり食べるようにしています」

考えているうちに時間はどんどん過ぎてしまうから

この秋は、公開中の『傲慢と善良』のほか、『アイミタガイ』『ミライヘキミト。』『十一人の賊軍』『正体』と、映画の出演作が相次いで公開予定。
 
「『傲慢と善良』は唐津、『アイミタガイ』は三重、『ミライヘキミト。』は日立と、ロケが多くて楽しかったです。唐津ではレンタカーで『隆太窯』という唐津焼の窯まで足を運んで。作り手の方ともお話しできて、とても素敵な場所でした。合間のそうした時間も、ロケの楽しみですよね。自分で車を借りて出かけるなんて、大人になったなあ……と思います(笑)」
 
ウェブ上で鑑賞できる『ミライヘキミト。』は、進学や転職、結婚、セカンドキャリアなど、世代の異なるヒロインたちのターニングポイントを描いた物語。西田さんは、子育てから手が離れてきた専業主婦の羽菜を演じています。
 
「今まで家族のために生きてきたけれど、ようやく自分に目を向けられるようになって、やりたいことに再挑戦してみよう……という役。私自身もそういう年齢ですし、とても共感しながら演じました」
 
自分のための時間をどう使うかは、『大人のおしゃれ手帖』の読者世代にとっても身近なテーマ。学び直しや新たな趣味を始めようと考える人も多いはず。
 
「いつもの環境から離れて、新しいものに触れたり、新しい人と出会うだけでも気分が変わりますよね。私も韓国語と英語を習っていたけど、最近はお休みしていて。やっぱり撮影が控えていると、『セリフを覚えるほうが先でしょ?』ともうひとりの自分が言ってくるんです。
また着付けを習うのもいいし、体も動かしたいし、やりたいことはたくさんあるんですけどね。でも、考えているうちに時間はどんどん過ぎてしまうから。まずは行動を起こすことが、今の課題です」

NAOMI NISHIDA
1970年生まれ、広島県出身。モデルとして活躍後、1997年に映画初主演。近年の出演作にドラマ『くすぶり女とすん止め女』『ひだまりが聴こえる』『海のはじまり』、映画『ヴィレッジ』『言えない秘密』『傲慢と善良』など。WEB映画「ミライヘキミト。」が現在配信中。今後の公開待機作に映画『アイミタガイ』『十一人の賊軍』(ともに11月1日公開予定)、『正体』(11月29日公開予定)、配信ドラマ『HEART ATTACK(2024年秋以降配信予定)がある。

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撮影/天日恵美子 スタイリング/金子夏子 ヘアメイク/茅根裕己[Cirque] 文/工藤花衣
 
大人のおしゃれ手帖2024年11月号より抜粋
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この記事を書いた人

大人のおしゃれ手帖編集部

大人のおしゃれ手帖編集部

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