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初心者向け「ランニングの始め方」を一流のランニングコーチが伝授!

  • 2024.10.6

私の中で、ランニングほどメンタル面に効く運動は他にない。落ち込んでいるときやストレスを感じているとき、悲しいときに走ると最高に気分が晴れるし、もともと気分がいいときに走るとエンドルフィンが分泌されて、ますます幸せな気分になれる。

ルルレモンのスタジオトレーナーを務めるRRCA(Road Runners Club of America)認定ランニングコーチのホリス・タトル氏によると、ランニングはもっともシンプルな運動の1つ。「それゆえにランニングは、年齢、ジェンダー、社会経済的な障壁を越え、みんなを1つにしてくれるアクティビティです」。ランニングは、外に出て見知らぬ土地を探検する機会もくれる。

これまでの研究により、ランニングは心血管疾患や神経疾患(アルツハイマー病やパーキンソン病など)のリスクを減らし、睡眠の質や集中力を高めることも分かっている。

それでも外に出て走る気になれない日はあるし、プロでも最初は分からないことだらけ。

そこで今回は、ランニングに必要なステップとアドバイスが全部詰まった初心者向けのガイドを作成してみた。この包括的なガイドでは、正しいフォームやモチベーションの維持方法から、トレーニングプランとランニングギアの選び方まで、初心者に必要なすべてが学べる。

 

ランニングの正しいフォーム

手足は動かしているけれど、正しいフォームで走れているかどうかは分からない? ランニングを始めるときは、自分に合ったフォームを考えてみることが大切。なぜ? 「ランニングのスタイルは1人ひとり違っても、フォームを改善すれば、ケガを防いで効率よく走れるようになるものです」と説明するタトル氏いわく、以下の点を抑えると正しいランニングフォームが身に付きやすい。

腕の振り方

肩の力を抜いて、腕を体から少し離し、ヒジを約90度に曲げる。手をリラックスさせると、上半身が緊張しにくい。腕は腰の高さで前後に振るのが理想的。

着地

衝撃を最小限に抑えるためには、かかととミッドフットの間で軽く着地してから、つま先を起点に前へ。また、舗装されたコースでも、されていないコースでも、トラックでも、ランニングマシンでも、接地時間はできるだけ短くすること。

姿勢

効率よく走るためには正しい姿勢を維持することが絶対不可欠。走行中はアゴを上げ、前を見ることに集中しよう。耳が肩の上にあり、肩が腰の上にある状態をキープすることも大切。

ランニングマシンで鏡の中の自分を見ながら走っている場合を除き、自分のフォームを微調整するのは意外と大変。RRCA認定ランニングコーチでオリンピック選考会に何度も出場しているゴードン・バクーリス氏によると、そんなときはスマホを立てかけるか友達に頼むかして、自分の走りを1分ほど録画してみるといい。プロランナーのレースの動画を参考に走り方を変えてみたり、ランニングコーチからマンツーマンの指導を受けたりするのも◎。

モチベーションの維持方法

ランニングを心から楽しんでいる人にも、走る気になれない日はやってくる。タトル氏いわく、ベテランのランナーにとっても「モチベーションはコロコロ移り変わるもの」。以下の点を心に留めて、ランニングを続けるために必要なモチベーションを維持しよう。

前もって計画しておく

1週間~1ヶ月分のランニングの予定を立てて、オンラインのカレンダーに追加するか、紙のプランナーに書き留めるかしておこう。特定のトレーニングプランに従っている場合は特に、走りたい時間や場所に合わせてスケジュールを組むことが重要になる。

ランニング仲間を見つける

ランニングは、あなたと一緒に走ることで、あなたに責任感を持たせてくれるパートナーを見つけると続けやすい。ジムや公園で会う約束した相手がいれば、外に出るのも楽になる。

レースに申し込む

レースという目標ができると一気にやる気が出るけれど、申し込むのは自分に合った距離を考えてから。長距離のレースはトレーニングに時間がかかる。レースの時期も考慮に入れて。走るなら寒いほうがいいと言う人もいれば、暑いほうがいいと言う人もいる。坂道のあるレースなら、近所にトレーニングするための坂道がなければならない。どれも、レースに申し込む前に考えるべき大事なポイント。

トレーニングプランの選び方

Women's Health

トレーニングプランを使うのは、あらゆるレベルのランナーにとって有益であり、ランニングを始めたばかりの人には特にオススメ。「トレーニングプランは成功の秘訣です」とタトル氏。「よく練られたトレーニングプランに従えば、ケガをしにくくなりますし、ベストな状態でスタートラインに立つことができます」。ただし、そのプランは、あなたが走りたいレースの距離や目標タイム、現在のランニング歴やフィットネスレベルに合っていないと意味がない。

よりダイナミックなトレーニングプランを選択することも可能。例として、NYRR (New York Road Runners)Coaching Labのようなアプリは、あなたが入力したランニングの記録に応じて随時プランを調節してくれる。また、ほとんどのプランには、スピード練習、軽いジョギング、長め(60分以上)のランニング、テンポ走などのエクササイズが含まれていると思っていい。

ランニングの多様性は進歩を促し、ケガの予防にも役立つ。バクーリス氏いわく、フィットネスを向上させるにあたってはクロストレーニングも大事な要素。クロストレーニングを始めると、さまざまな種類の動きが既存のルーティンに追加されるだけでなく、ランニングを含む衝撃の大きいトレーニングによる体の負担も最小限に抑えられる。

例えば、足やヒザを休めながら有酸素運動を増やしたい場合には、水泳やエリプティカル、サイクリングやローイングなどのクロストレーニングがオススメ。どれも、ランニングに必要な有酸素性運動能力の維持に役立つ。

バクーリス氏によると、クロストレーニングなら、ランニングでは鍛えられない体の部位(上半身など)も鍛えられる。有酸素運動ではないけれど、ウエイトリフティングもクロストレーニングの一種で、体力とスピードの向上に必要な筋肉の強化に役立つ。

初心者に必要なランニングギア

Women's Health

ランニングの利点は多くのギアを必要としないこと。でも、タトル氏いわく、快適かつ安全に走るためには不可欠なアイテムがいくつかあるそう。

シューズ

ランニングギアの中でもっとも重要なのはシューズ。地元のランニング専門店で、自分にピッタリの一足を見つけてほしい。それが難しい場合には、次の点に留意して購入を。まず、ホットスポット(走っているうちに赤くなって痛くなりそうなところ)が1つもないこと。水ぶくれができた状態、あるいは爪が傷ついたり欠けたりした状態でフィニッシュラインを切るのは絶対避けて。また、あなたのシューズは、あなたが行うランニングの種類(トレイル、ロード、トラック、長距離、レースなど)に合ったものでなければならない。

靴下

意外にも、靴下はランニング中の快適さに大きな違いをもたらすアイテム。フィット感が高く、最初から最後までズレてこないのはもちろんのこと、汗をかいても足をクール&ドライな状態に保ち、水ぶくれを防いでくれる一足を選んでほしい。

ボトムス

ショートパンツにするにせよ、レギンスにするにせよ、ボトムスは天候に適していて履き心地のいいものを選んで。屋外を走る際のボトムスには、鍵や携帯電話、リップクリームやスナックなどを入れるポケットがあると便利。

トップス

軽量でサポート力と吸汗速乾性の高いスポーツブラの上になにを着るかは、その日の天候、走る距離、ハイドレーションベストやバックパックの着用有無といった要素で変わる。肌の炎症や体のほてりを防ぐためにも、肌に直接あたるものは縫い目が滑らかで、吸汗速乾性に優れていることが重要。

燃料と水分の補給方法

ランニングには多くのエネルギーが必要なので、ランニング中および前後には適切な燃料補給が欠かせない。持久系アスリートを指導する公認管理栄養士のアレックス・ラーソン氏いわく、ランニングを始めたばかりのときは次のルールに従うといいのだそう。

ランニング前の燃料補給

糖質と炭水化物が豊富な朝食で1日を始めよう。スクランブルエッグとチーズのラップにフルーツを添えたり、オートミールにナッツバターを加えたり、スムージーにプロテインパウダーを混ぜたりしてみて。

ランニング中の燃料補給

75分未満のランニングなら、途中で燃料補給をする必要は恐らくない。それより長いランニングでは、元気に走り切るために何らかの糖質(バナナ、パウチに入ったアップルソース、エナジージェル、エナジーガム、スポーツドリンクなど)を摂取しよう。

ランニング後の燃料補給

ランニング後は、糖質と炭水化物の両方を含むスナックや食事(バナナxプロテインシェイクの組み合わせ、フルーツとグラノーラを加えたギリシャヨーグルトパフェなど)でリカバリーを促進することが大切。ランニングを終えてから1時間以内に摂取すると、疲れた筋肉の回復と再建が早くなる。

十分な水分補給

適切な水分補給は、総体的な健康とパフォーマンスの維持に不可欠。ランニング中および前後には、たっぷり水分を補給して。一般的には、自分の体重の半分に相当する量の水(単位はオンス)を毎日飲むといいとされている(体重が68kgの人であれば、1日75オンス=約2.2リットル)。汗と共に失われた電解質をスポーツドリンクで補給するのもいいアイディア。(水分補給状態は尿の色で確認を。望ましいのは淡い黄色)

ランニングによるケガを防ぐ方法

ランニングは衝撃の大きい運動。適切なケアを怠れば、体がボロボロになることも。タトル氏によると、ランニングで起こりがちなケガには、腱炎、シンスプリント、ハムストリングスの損傷、足底筋膜炎、ヒザのケガ、疲労骨折、足首の捻挫などがある。どれも通常は(走る距離が長すぎたり、スピードが速すぎたりすることによる)使いすぎが原因なので、無理のないトレーニングプランに従って、体の声に耳を傾け、必要と感じたらしっかり休むことが大切。

でも、ランニングに関連するケガのリスクは自分の力で下げられる。バクーリス氏とタトル氏いわく、次の4つは、元気に走り続けるためにプロたちが勧めていること。

ランニング前のウォームアップを欠かさない

このウォームアップにはダイナミックな動作やストレッチが含まれる。バットキック、ヒップサークル、ランジ、アームスイングなどの動きで、体をランニングに備えよう。

走る量を徐々に増やす

初心者は初心者向けのトレーニングプランに従って、長い距離を急に走ろうとしないこと。そのプランが身体的にきつすぎると思うなら、迷わず走る距離を減らそう。

クロストレーニングを続ける

ランニングを始めたからといって、他のワークアウトを全部やめることはない。クロストレーニングは足にかかる負担を減らし、健康で強い体を維持するうえで非常に重要。クロストレーニングに時間を割くことで、ゴールが近づくことはあっても遠ざかることはない。

ランニング後のクールダウンも欠かさない

ランニング後は、5~10分のゆっくりしたジョギングで体をクールダウンさせること。スタティックストレッチやフォームローラーで、ランニング後の筋肉痛、乳酸の蓄積、体の緊張を和らげるのも効果的。

プロのひとこと:なかなか治らないケガがあるときは病院へ。異常な不快感に耐えながら走っても、症状が悪化して、走れなくなる可能性が高くなるだけ。

ランニングを始めるために必要なことが分かったら、買ったばかりのシューズを履いて外に出よう。あなたなら大丈夫。さあ、位置について、よーいドン! ※この記事はアメリカ版ウィメンズへルスからの翻訳をもとに、日本版ウィメンズヘルスが編集して掲載しています。

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