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"魚のアラ"をロサない!旨味たっぷり"アラ・パッツァ"

  • 2024.10.6

料理家・フードコーディネーターの尾身奈美枝さんが毎回、余った食材をおいしく食べきるレシピを提案します。今回のお題は“魚のアラ”。骨から出る旨味がたっぷり、使いこなさなきゃもったいない!

"魚のアラ"をロサない!旨味たっぷり"アラ・パッツァ"

■“アラ”の価値は“骨”にあり!

今回お届けするのは、魚を一尾まるごと食べきって“フードロサない”ための知恵!食いしん坊ならばその価値を知っている“魚のアラ”のおいしい食べ方だ。すぐに思い浮かぶ料理といえば、“アラ煮”や“アラ汁”くらい。それだって間違いなくおいしいけれど、ほかにもアラを使ってサッと気の利いた一皿をつくれたら、料理の腕前がグッと上がって見えそうなのだが……。

そんな淡い期待を抱きながら、尾身さんのもとへ。アラを使ったおいしいレシピ、教えてください!

「アラ、いいお題(笑)。なんたって私も“魚のアラ”が大好き。なにがいいかって、“骨”がついていること!魚屋さんでおろした魚を買うときも、わざわざ骨がついてるものを選ぶほど。アラは骨の周りについてる身もおいしいし、煮ても骨から出る旨味がすごいんですよ」

そんな話をしながら、尾身さんが冷蔵庫から取り出したのは、ピッカピカの金目鯛のアラ。

「アラっていつも売り場にあるとは限らないでしょ?だから私は、よさそうなのを見つけたら買っておいて、そのまま冷凍しちゃうんです。安いから気軽に買っておけるし」

そんな手があったか!と思いながら、ストックしておこうと考えるのは、つくる料理のイメージがあってこそ。というわけで、今回はこのアラを使って、イタリア料理の大定番を教わることに……!?

尾身さん
尾身さん

■“アラ”は丁寧な下ごしらえでおいしく!

さっそく尾身さんがつくってくれたのは、金目鯛のアラを使った“アクア・パッツァ”。ご存じのように、イタリア南部に起源をもつといわれる、魚介類やトマトなどを海水で煮る豪快な漁師料理だ。

「“アラ・パッツァ”と呼んだほうがいいかも(笑)。脂がのった金目鯛は、アラも旨味たっぷり。おいしくつくるコツは、下ごしらえを丁寧にすること!」

そう言いながら、尾身さんはアラにお湯をまわしかけて霜降りに。そのあとは、頭に残りがちなウロコを除き、血のかたまりなどもきれいに流したら準備完了。さらにこれを、オリーブオイルで焼きつけてから煮る。こうすることでこうばしさがつき、くさみのない、とびきりのアクア・パッツァが完成するのだ。

「アラの旨味が溶け出した、濃厚なソースが最高!バゲットを添えて、余すことなく吸わせて味わうのがおすすめ。ショートパスタを加えて和えてもおいしいですよ!」

□“金目鯛のアラ・パッツァ”のつくり方

完成
完成

◇材料 (2人分)

金目鯛のアラ:400g(タイなど白身系のアラでもよい)
アサリ:1パック(130g)(砂抜き済み)
にんにく:大1個(つぶす)
玉ねぎ:100g(薄切り)
ミニトマト:6~8個
ケッパー:大さじ1と1/2(粗く刻む)
ローズマリー:2枝
白ワイン:70ml
オリーブオイル:大さじ1と1/2
塩:小さじ1/4(アサリ、ケッパーの塩味によって加減する)
黒胡椒:少々


(1)アラを霜降りにする
金目鯛のアラをザルにのせ、熱湯をかけて霜降りにする。すぐにたっぷりの水に取って冷やしながら軽く洗い、表面にウロコが残っていれば取り除く。キッチンペーパーで水気を拭き取る。

アラを霜降りにする
アラを霜降りにする
アラを霜降りにする
アラを霜降りにする

(2)アラを焼きつける
フライパンにオリーブオイルをひいてにんにくを入れ、中火にかける。香りが出たら、アラを並べて、両面を焼き付ける。

アラを焼きつける
アラを焼きつける

(3)玉ねぎを加える
アラを寄せて玉ねぎを端に入れて軽く炒める。油がまわったらアラと合わせてまんべんなく散らし、白ワインを加えてアルコール分をとばす。

玉ねぎを加える
玉ねぎを加える
玉ねぎを加える
玉ねぎを加える

(4)具材を入れて煮る
水500ml(分量外)を加えて煮立ったら、アサリ、ケッパー、ローズマリー、ミニトマト、塩、黒胡椒を加える。7~8分煮たら火を止め、仕上げにEXバージンオリーブオイル適量(分量外)をまわしかけて出来上がり。

具材を入れて煮る
具材を入れて煮る

――教える人

「尾身奈美枝 料理家・フードコーディネーター」

料理家・フードコーディネーターとして、テレビ番組を中心に、新聞・雑誌など様々なメディアに出演。料理番組の金字塔『料理の鉄人』の裏方を務め、「フードコーディネーター」 という職種を世に広め、定着させた先駆け的存在でもある。
「きょうの料理」 (NHK)「あさイチ」(NHK) などの番組に多数出演。“エコ”をテーマとした新しいレシピ提案を発信し続けている。


文:大沼聡子 撮影:海老原俊之

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