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『ジョーカー2』監督、賛否両論は想定内 「見た人の意見は極端に割れると思う」

  • 2024.10.6
映画『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』場面写真 (C)& TM DC(C)2024 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved. IMAX(R) is a registered trademark of IMAX Corporation. Dolby Cinema is a registered trademark of Dolby Laboratories width=
映画『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』場面写真 (C)& TM DC(C)2024 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved. IMAX(R) is a registered trademark of IMAX Corporation. Dolby Cinema is a registered trademark of Dolby Laboratories

いよいよ11日に公開される映画『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』通称『ジョーカー2』。『ジョーカー』シリーズ最新作にして完結編となる本作は、前作から2年後が舞台で、レディー・ガガ演じる謎の女性リーの登場に注目が集まる。今回は公開直前ということで、トッド・フィリップス監督とジョーカー役のホアキン・フェニックスのヴェネチア国際映画祭での記者会見の発言から、『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』のヒントをひも解いていく。

【写真】いよいよ完結! 『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』場面カット

■なぜレディー・ガガなのか

前作『ジョーカー』があれだけヒットし、さらにホアキン・フェニックスは第92回アカデミー賞で主演男優賞に輝いただけあり、アーサーの相手役を見つけるのは至難の業だっただろう。フィリップスによると、今回の起用で1番大切だったのは、「音楽を持ってこれること」だったそう。「ホアキンのような人と共演するのは、ガガにとって脅威だったと思いますが、二人を見た時に映画の中で歌っている姿が納得できたんです。僕が1番ガガに驚いたのは、リーのもろさを表現できる彼女の能力。それはこのキャラクターにとってとても重要なのですが、いとも簡単に実践してくださって驚きました」と話す。

ちなみに「ミュージカル映画ではない」と過去に明言していたフィリップス。その理由を聞くと、「ミュージカルだと呼ぶと映画を限定してしまうと思うんです」と語る。「本作をミュージカル映画と呼んでしまうと、1作目の『ジョーカー』がコミックブック映画になってしまいますが、描いているのはそれだけではありません。僕はミュージカルを見た時、ハッピーな気持ちで終わるけれど、この映画はそうじゃない気がします。ミュージカル映画と呼ぶことでミスリードしたくなかったんです」と明かしている。

■賛否両論は想定内

第81回ヴェネチア国際映画祭の目玉作品として公式初上映された『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』。約12分間に渡るスタンディングオベーションが贈られた一方で、レビューは賛否両論となっていた。しかしフィリップス監督は想定内だったよう。「この作品を見た人は、とても気に入ってくれるか、つまらないと感じると思います。でも僕は気持ちが分かります。映画はみんなが同じように思うものではないし、もしそうなったら良いものになりません」。

そもそも期待値が高い本作。フィリップス監督はどうやって続編へのプレッシャーをはねのけたのか。「楽じゃないことです。でもなんとか頑張らなければいけません。才能ある役者や、15年一緒にやってきたスタッフたちと仕事ができることに感謝の気持ちを持って挑みました。あとは限界を押し広げるようにチャレンジすることを自然とやってきました」と話す。

■「続編はやらない」から一転

第1作目『ジョーカー』公開時はフィリップスもホアキンも「続編の計画はない」と言っていた。それでもホアキンが出演を決めたのは、しっかりとした脚本を渡され、その内容がすごく良かったからだったそう。「第1作目を作っている時に、『まだ終わりじゃない。まだアーサーを通して伝えられることがある』と感じました。また、ジョークとして『ローズマリーの赤ちゃん』や『カッコーの巣の上で』『ゴッドファーザー』のポスターにジョーカーの顔を入れても成立するだろうとふざけて遊んだこともありました。フォトショップで作ったかなり出来の良いもので、リリースすべきか迷っているんですが(笑)、自分の中ではまだまだできるぞと思っていました」。

また第1作目で「アーサーは今後どうなるのか」ということもホアキンは考えたのだそう。「自分の目標を成し遂げた後、メイクを取り、『普通の人に戻りたい』と思ったら、彼はどうするのだろうと興味を持ったし、ロックスターが中年になってメイクを取ったときのようなユーモアもあると思ったんです。想像したら笑えました(笑)。それから簡素な言い方かもしれないけれど、第1作目のアーサーは救済としての愛を求めていました。人と人がつながりをもって愛を感じるのは人間として基本的なことですが、子供の頃に愛を経験しなかったアーサーは、コメディアンとして称賛されることを愛として置き換えてしまったんです。そんな彼が『ジョーカー2』では、初めて自分自身を見てくれるリーという存在に出会い、恋に落ちます。しかしそれは悲劇でもある。そんなアイデアを今回掘り下げてみました」と語った。

第1作目の時点では、ジョーカーを演じることが不安とも言っていたホアキン。前作では23kgの減量に挑んだと話していたが、本作でも準備期間の半分は減量に当てていたそうだ。「極端なダイエットをした人は皆さん同じことを言うと思いますが、感情の振れ幅が大きくなるんです。昼食や夕食を抜いてお腹が空いたら、感情に出てしまうじゃないですか。それが正直芝居の一部になったんじゃないかなと思います。ただ脚本やキャラクター、監督の指示、共演者も、自分のキャラクターの感情を導く光になってくれました」と周囲の支えの重要さも明かす。

いよいよ公開される『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』。孤独だが心優しい男が、歪んだ社会の狭間で“悪のカリスマ”へと変貌を遂げた後に待ち受けるものとは一体…? アーサーにとって救済であり、悲劇をもたらす存在でもあるリーが彼の未来をどう変えるのか。茨の道を選ぶホアキンと、それに対し大きなチャレンジを与えたというフィリップス。シリーズ最新作にして完結編となる本作の行方にますます期待がかかる。

映画『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』(通称『ジョーカー2』)は、10月11日より全国公開。

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