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デートに映画や食事は不要と言い切るアラサー女子が「ラブホだけでいい」と彼に提案したところ

  • 2024.10.6
丁寧に練り込まれたデートプランに喜ぶ女性ばかりではない。デートするなら「ラブホだけでいい」と言い切る33歳女性が、“ごく普通のデート”をしたがる彼に本音をぶつけてみたところ……。
丁寧に練り込まれたデートプランに喜ぶ女性ばかりではない。デートするなら「ラブホだけでいい」と言い切る33歳女性が、“ごく普通のデート”をしたがる彼に本音をぶつけてみたところ……。

ラブホテルに連れて行かれると「私は大事にされてない女なの」と悩む女性もいる中、「おしゃれなレストランで食事とか一緒に映画に行くとか、そういうデートは面倒。ラブホデートだけでいい」と言う女性もいる。

恋人として大好きだけど

「付き合って2年になる彼がいます。話も合うし楽しいんだけど、毎回、デートに時間をかけるんですよね。休日だと映画に行って、街をぶらぶらして食事してホテルへ行って。彼の家が遠いから、彼は私の部屋に来たがるんですが、来ると泊まりたがるから困る」

チカさん(33歳)はそう言う。2歳年上の彼は、「ごく普通のデート」がしたいと言う。だが彼女は、デートに時間をとられるのがあまり好きではないらしい。

「彼のことは大好きなんですよ。だけどいつも一緒にいたいわけじゃない。私は自由に仕事がしたいから、平日にデートのセッティングをされるのは嫌なんですよ。仕事が終わって、ふっと会いたくなったら会えばいいと思う。ただ、彼は彼で最初からきちんと約束しておいた方が計画的に生活ができるって」

平日デートの「妥協案」

付き合い始めたばかりのころは、そういうことでよくケンカをした。今では、お互い分かっているから言い争いはなくなったが、くすぶるものはあるようだ。

「付き合って1年くらいたってから、ようやく妥協案みたいなのが暗黙のうちに浮かび上がってきました。平日はよほどのことがない限り、ゆっくりデートはしない。

例えば私が残業が終わって、ふと会いたくなって彼に電話したとき、彼もちょうど空いているなら『サクッとごはんを食べる』程度のデートはあり。ゆっくりするのは2人の休日が合ったときだけです」

チカさんは土日も仕事になることがあるので、そういうときは前もって言っておく。彼は週末が休みだから、本当は毎週、ゆっくりデートがしたいらしい。

「週末はジムに行きたいし、部屋も片づけたい。食材の買い物もしておきたいし、仕事で必要な下調べもしたい。けっこう忙しいんですよ。実家で親に身の回りのことをやってもらっている彼とは違う。そういうことを言うとまたケンカになりますけどね」

週末を1泊2日で一緒に過ごしたがる彼を、自分がどれだけ忙しいか説明してようやく納得してもらった。

セフレというわけではない

「ただ、彼とセックスするときはゆっくり時間をとりたいと思うんです。慌ててするのは嫌。だから食事とか映画とかはなしにして、週末の1日は朝からラブホにこもって、夕方解散して買い物して帰るのが理想的なんですけどね……」

彼になんとなくほのめかしてみたら、「オレはセフレなのか」といじけてしまったそうだ。だが、どうしても観たいわけでもない映画に時間をとられ、どうしても食べたいわけでもないレストランに行くのは時間もお金も無駄だとチカさんは言う。

非常に現実的で、ロマンティシズムのかけらもないのが、「それが私なんですよ。彼はわかってくれないの」とチカさんはむしろうれしそうに言った。

「結婚するのか同居するのか、今のところは決めてないけど、互いにパートナーだと思っているんですよ。だからずっと一緒にいなくてもいい、映画なんてそれぞれに観て感想を言い合うだけでいいじゃないですか。私は彼のことが嫌なのではなく、デートに自分の時間をとられたくないだけ。

恋愛とデートすることは別

特に子どもがほしいわけでもないから、焦って結婚する必要もないし、とにかく今は自由に思い切り仕事がしたい。でも彼とのセックスと、そのあとのおしゃべりも大事。だから週1くらいでホテルで会うのが一番いいような気がするんだけど、彼は自分が大事にされていないと思うみたいですね」

かつて、男たちがそんなセリフを言っていたような気がする。彼女に求めるものがセックスだけというわけじゃないが、せっかくの休日をデートだけに使いたくない、と。

今は昔よりはるかに世知辛い世の中。スキルアップを常に心がけないと、社内でも置いていかれてしまいがちだとチカさんは言う。彼女の「無駄のない時間の使い方」は、そういう社会を反映しているのかもしれない。

「オレといるときくらいのんびりしてよと彼は言うけど、なかなかそうもいかない。せわしなく生きることが当たり前になっているんでしょうね。それは自分でも分かっているんです。ただ、今しかできないことってあるでしょう。それを精いっぱいやりたいだけなんです」

ラブホだけのデート、彼が納得してくれる日は来るのだろうか。それならいっそ結婚してしまおうというかもしれない。

「結婚は……今しかできないことじゃないと思うんですよね。そもそもしなくていいものかもしれないし」

チカさんはそう言って、困惑したように笑った。

亀山 早苗プロフィール

明治大学文学部卒業。男女の人間模様を中心に20年以上にわたって取材を重ね、女性の生き方についての問題提起を続けている。恋愛や結婚・離婚、性の問題、貧困、ひきこもりなど幅広く執筆。趣味はくまモンの追っかけ、落語、歌舞伎など古典芸能鑑賞。

文:亀山 早苗(フリーライター)

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