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絶景と美食体験。レストラン列車【丹後くろまつ号】で満喫する “海の京都”

  • 2024.10.5

京丹後の美食を楽しみながら、日本海のビューポイントを巡るレストラン列車【丹後くろまつ号】。2024年10月4日(金)から2025年3月30日(日)までは、秋・冬のメニューを用意します。運行するのは毎週金・土・日・祝日で、「モーニングコース」「ランチコース」「地肴コース」の1日3便。今回は本格的なフレンチを楽しめる「ランチコース」を紹介します。

レストラン列車「丹後くろまつ号」

丹後くろまつ号のランチコースは、13時5分に天橋立駅を出発して、海沿いの絶景ポイントを巡る宮舞線を走り西舞鶴駅に到着する約1時間45分の旅です。風光明媚な奈具海岸や水の上を走るような由良川橋梁などの絶景ポイントを巡ります。

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▲「ランチコース」が出発する天橋立駅

レストラン列車の専用車両は、1989年から1990年に製造されたKTR700形。2014年に行われたレストラン列車へのリニューアルでは、数々の鉄道車両や新幹線、豪華寝台列車「ななつ星 in 九州」や観光列車「或る列車」を手がけた工業デザイナー水戸岡鋭治氏がデザインしました。

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▲上質感たっぷりの「丹後くろまつ号」

ボディーカラーは鉄道車両としては珍しい漆黒。そこにゴールドのラインやロゴなどがあしらわれ、上質でただならぬ雰囲気を醸しています。「くろまつ」の名前は、白砂青松(はくしゃせいしょう)と称される天橋立の白い砂浜と美しい松のイメージです。

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▲丹後くろまつ号の出発時は駅の職員がお見送り

絶景と共に楽しむ本格フレンチ

ランチコースは、天橋立で人気のレストラン「アンソンベニール」がプロディース。“海の京都を走る” をコンセプトに、宮津産の新鮮な魚や野菜など旬の地元食材を使い、和と洋を組み合わせたコース料理が運ばれます。

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▲地元の木材をメインに使った、上質でおちついた雰囲気の車内 <画像提供:WILLER TRAINS(京都丹後鉄道)>

内装は地元で取れたナラなどの天然木を使用。窓枠や床材、頭上の棚のほか、テーブルや椅子に木材が使われ、窓に架かるセンタークロスの幕やアンティークデザインのテーブルスタンドなど、和の要素も採り入れた上質でノスタルジックな雰囲気です。

前菜は、左上から時計回りに「スモークサーモンのパテ」、京丹後産のセイコ蟹を部位ごとに層にして蒸し上げた「セイコ蟹のテリーヌ」、ほうれん草を使った「フローレンス風キッシュ」、低温調理で仕上げた「鴨のロースト(胡椒風味)」です。特にセイコ蟹のテリーヌには、丹後半島でとれる “琴引の塩” だけを使い、蟹の旨味が口にふくらむ一品でした。

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▲京丹後の多彩な味が楽しめる「前菜 – アンティパスト – 」

天橋立駅を出発すると、アテンダントが料理によくあう地酒や地ビール、ワインやジュースなどを乗せたワゴンを押して各テーブルをまわります。支払いは現金やクレジットカード、電子マネーなどに対応。

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▲ドリンクの車内販売

与謝野町にあるリフレかやの里が、地元のフルーツで作る「みかんのじゅーす」を購入。濃厚な甘味やほのかな酸味など、みかんの味が口いっぱいに広がりました。

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▲季節のジュースをチョイス

宮津駅を過ぎて少し走ると、天橋立の白い砂浜と松並木が横一文字に見えてきます。車窓から天橋立が見えるのはここだけです。

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▲車窓から天橋立が見えました

お饅頭は丹後半島にある久美浜砂丘で育ったさつまいも「紅はるか」が使われ、中に海老などを忍ばせています。キャビアの乗ったさつまいもは驚くほど甘く、出汁の効いた餡にひたる和の味わいです。

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▲「丹後の砂丘で育ったさつまいも饅頭」

魚料理は白身魚や海老を使ったムースにパン粉をまとわせて焼き、海老の殻を炒めた濃厚でコクのあるアメリケーヌソースでいただきます。バターの芳醇な香りと奥行きのあるアメリケーヌソースが絶妙で、あまったソースはパンですくって、余すことなくいただきました。

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▲「海の幸ムースのアメリケーヌソースがけ」

メインディッシュ前のアクセントは、日本ならではの茶碗蒸しを洋風にアレンジした「海鮮豆乳蒸し」。雲丹やイクラなどの海鮮を使った冷製の蒸し物で、白い部分は豆乳をムース状にした優しい味わい。透明な餡がかかり、宝石のようなオクラやトマトが飾られます。

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▲涼やかに仕上げた「海鮮豆乳蒸し」

ローストポークには、フレンチではなじみ深いキノコを使ったクリームソースに、かって日本三大ネギのひとつと言われた兵庫県中部のブランド “岩津ネギ” をくわえ、味の深さを感じるメインディッシュに仕上げています。

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▲肉料理は「ローストポーク(岩津ネギときのこのクリームソース)」

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▲京都丹後鉄道屈指のビューポイントと言われる奈具海岸で約15分停車

奈具海岸は、白い岩肌と松の木などの緑、そして青い海のコントラストが鮮やか。右手には30キロほど沖合に浮かぶ冠島と沓島(くつじま)も見えました。ここで最後のデザート「ドゥーブルフロマージュ」とオリジナルブレンド「丹鉄珈琲」が運ばれます。

旅のクライマックス、由良川橋梁

今回の列車旅で、最も知られているのが由良川橋梁です。由良川の河口に架かる長さ約552mの鉄橋は、ちょうど100年となる大正13年(1924年)に完成。水面から約3m、線路も6mほどの高さがあって、一直線に伸びる美しい鉄道橋です。

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▲青い川と空、赤褐色の橋梁とが美しいコントラストを織りなします <画像提供:WILLER TRAINS(京都丹後鉄道)>

「丹後くろまつ号」は橋の手前から徐行運転をするので、絶好のフォトタイム。水の上を走っているような気持ちになる特別感。非日常の景色をゆっくりと楽しめるほか、車両の前後から川を渡る線路の様子を見られます。

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▲由良川橋梁を渡る丹後くろまつ号

人気の撮影ポイントが運転席横の窓。他のお客さんもいらっしゃるので、譲り合って撮影してください。右手のフロントウインドウからもいい絵が撮れます。

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▲限定グッズの車内販売も行われます

旅も終わりに近づくとオリジナルグッズの販売も行われます。乗車記念やお土産におすすめです。

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▲レストラン「アンソンベニール」オリジナルの焼き菓子

お土産に丹後くろまつ号をイメージした真っ黒なスノーボールクッキーをいただきました。

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▲14時50分、終点の西舞鶴に到着

本格的なコース料理を楽しめる満足感いっぱいの列車旅になりました。

美しい海岸線や印象に強く残る由良川橋梁はもちろん、地元の素材を活かした美味しいランチのフルコース。続いて天橋立駅を16時5分に出発する「地肴コース」も紹介します。絶景と料理を楽しむ思い出深い旅のひと時を、ぜひ味わってみてくださいね。<text&photo:みなみじゅん 予約・問:京都丹後鉄道 https://travel.willer.co.jp/train/tantetsu/>

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