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平成女児ブームの火付け役『オシャレ魔女 ラブ and ベリー』、開発担当者が語る20周年の思い「懐かしむだけのコンテンツにしたくない」

  • 2024.10.5
「オシャレ魔女 ラブ and ベリー」の開発担当者にインタビューを実施した ※ザテレビジョン撮影
「オシャレ魔女 ラブ and ベリー」の開発担当者にインタビューを実施した ※ザテレビジョン撮影

【写真】世界中にたった一つ…SEGA社内にある「ラブベリー」筐体

2004年に登場し、“ラブベリ”の愛称で人気を博した株式会社セガのキッズカードゲーム『オシャレ魔女 ラブ and ベリー』が今年20周年を迎える。現在、東京・渋谷を始め、大阪・心斎橋、愛知・名古屋で開催中の「オシャレ魔女 ラブ and ベリー 20th Anniversary Cafe」にザテレビジョンが突撃。当時、開発担当をしていた、近野俊昭氏にインタビューを実施した。

2004年頃は「女の子がゲームセンターに来ることが珍しかった」

――「オシャレ魔女 ラブ and ベリー」の開発に至った経緯を教えて下さい。

当時SEGAでは「ムシキング」という男の子向けのゲームを作っていて、次は女の子向けのゲームを作ろうと企画が立てられたのが始まりです。実際に企画がスタートして、どういったゲームにしようか試行錯誤していく中で、“ファミリー”をテーマにして遊べる物を作ろうと考えていました。

―― 制作にあたり、社内での反応はいかがでしたか?

女の子がゲームセンターに遊びに来るっていう文化が当時は無かったので、最初は説得することがすごく大変でしたね。「女の子が本当にゲームセンターに来るの?」という疑問は常にありました。その上で「テストをやらせてください」と頼んだところ、すごくたくさんの方に集まってもらえたんです。その状況を目にした会社も納得して「続けてください」と、認めてもらえた時はうれしかったです。

――女の子がゲームセンターに行く文化がなかったというのは驚きました

それこそUFOキャッチャーやプリクラなど、そういったところで遊んでくれてはいたと思うのですが、実際アーケードゲームっていうジャンルになると、当時は珍しかったんですよ。今では考えられないと思いますが…(笑)。

「懐かしい」という感覚を味わってほしい

――20周年に盛大なお祝いをしようと決めたきっかけはありますか?

最初は10周年の時に話が上がりました。しかし10周年となると、当時遊んで下さっていたファンの皆さんは、まだ10代前半~後半で、学生だと子どもに近しいですよね。なので、20周年に時期を延ばすことで、「懐かしい」という感覚を味わってほしい狙いがありました。もう一つは、令和になったことで、平成の「カワイイ」をもう一度発信したら、喜んでいただけるんじゃないかなと思ったんです。

――20周年の企画はいつ頃から動き出していたのでしょうか?

3年前ぐらいですね。20周年に向けて色々考えていく中で、まず2023年にコラボカフェの企画をプレイベントみたいな感じでやらせていただいたのですが、我々が思っていた以上に反響をいただきました。それがきっかけとなり、じゃあ20周年はもっと大きな展開にさせていこうという動きになりました。

――昨年のコラボカフェの席は、抽選申し込みが殺到し、ネットでも席が取れないと悲しみの声が広がっていました。元々第2弾をやることは決まっていたのでしょうか?

決まっていませんでした。20周年に向けて色々な企画がある中でも、昨年やったコラボカフェがすごく盛況だったので、来れなかったファンの方々に向けてもう一度やろうとPARCOさんと相談し、第2弾が実現しました。カフェ以外にも、今年は展覧会もやらせていただいて…もっとファンの皆さんに「ラブ and ベリー」の歴史を見せていける場を作っていきたいと思っています。

「オシャレ魔女 ラブ and ベリー 20th Anniversary Cafe」 ※ザテレビジョン撮影
「オシャレ魔女 ラブ and ベリー 20th Anniversary Cafe」 ※ザテレビジョン撮影

グッズは2024年のテイストをミックス

「オシャレ魔女 ラブ and ベリー 20th Anniversary Cafe」 ※ザテレビジョン撮影
「オシャレ魔女 ラブ and ベリー 20th Anniversary Cafe」 ※ザテレビジョン撮影

――20周年企画を運営するにあたり、大変だったことや、苦労したことはありますか?

まず一つ目が、20年前の「ラブ and ベリー」というものを、今このまま出しても大丈夫なのか? 皆がついてきてくれるのか? など、温度感が未知数だったので、不安が大きかったことです。もう一つは、ただ昔を懐かしむだけのコンテンツにしたくなかったので、2024年のテイストをミックスしながら「ラブ and ベリー」を表現するため、コンセプトやグッズなど、細部までこだわったことですね。

――ステージや衣装に合わせたメニュー、さらにグッズ制作で特にこだわった点があれば教えてください

「ラブ and ベリー」は“キラキラ”っていうワードをすごく大事にして作っていたので、メニューに関しても、ぱっと見た時に目からキラキラが伝わって、美味しそう! という感想だけではなく、楽しそう! と感じて欲しかった思いがあります。グッズに関しては、持ち運んで楽しんでいただくことを意識しました。当時、ラブとベリーは画面の中でしか登場できなかったキャラクターでしたが、2024年はファンの皆さんと常に持って歩いて、一緒に旅をして欲しいですし、ファンの皆さんの間で持ち寄って、懐かしんでいただけたらうれしいなと思います。

――推し活ブームを意識したところもあるんでしょうか?

あります。ぬいぐるみやアクリルスタンドを制作したのは、世界中色々なところに連れて行って、写真を撮っていただいて、たくさんSNSにアップしてもらうことを目的としています。

ファンの発信は「励みになる」

――たくさんのファンがカフェをはじめ、POPUPや展覧会に足を運んでいます。SNSでの反応など、社員の皆様はどう受け止めていらっしゃいますか?

皆さんが楽しかった、うれしかった、懐かしかったと、すごく好意的に発信をしてくださっていて、当時のことを考えると、こんなに愛されるゲーム・キャラクターになったことに感動しています。ファンの方の思いが私たち社員のパワーになって、じゃあ次も頑張ろうと励みになっています。ありがとうございます。

「オシャレ魔女 ラブ and ベリー 20th Anniversary Cafe」 ※ザテレビジョン撮影
「オシャレ魔女 ラブ and ベリー 20th Anniversary Cafe」 ※ザテレビジョン撮影

さまざまな企業とコラボレーション

「オシャレ魔女 ラブ and ベリー 20th Anniversary Cafe」 ※ザテレビジョン撮影
「オシャレ魔女 ラブ and ベリー 20th Anniversary Cafe」 ※ザテレビジョン撮影

――さまざまな企業やインフルエンサーとコラボしていますが、印象的だったのはコラボ先とのオシャレまほう風のアイテム。ファンからしてもうれしいことかと思いますが、そういったデザインを作るのは大変なのでしょうか?

新しいデザインの制作はやはり難しい部分があります。でも、我々だけで考えるのは大変な部分も、企業さんが「こんなデザインを作りたいです」と提案して下さり、実現したんですよね。実際ありがたいことにそういったデザインのアイテムは人気が高く、売り切れるのも早いので、販売している様子は私も見ていないんですよ。

――今後も新しいカードの誕生予定や、令和に筐体が復活する可能性はありますか?

なかなか言えないこともあるのですが…(笑)。復活できたらいいなと思いながら、20周年のイベントをやっております。皆さんの声が、もしかしたら会社に届いて動くことがあるかもしれないです。

「ラブ and ベリー」を愛してほしい

――最後に、ファンの皆様へ一言いただきたいです。

皆さんの温かい気持ちや、熱い思いが、我々20周年チーム全員の元に届いております。本当にありがたいです。これからも「ラブ and ベリー」を愛していただけるとうれしいです。

「オシャレ魔女 ラブ and ベリー 20th Anniversary Cafe」 ※ザテレビジョン撮影
「オシャレ魔女 ラブ and ベリー 20th Anniversary Cafe」 ※ザテレビジョン撮影
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