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ドラフト間近!アメリカメジャーリーグサッカーの歴代ドラ1はすごい選手が多いのか?検証してみた

  • 2024.10.4
ドラフト間近!アメリカメジャーリーグサッカーの歴代ドラ1はすごい選手が多いのか?検証してみた
ドラフト間近!アメリカメジャーリーグサッカーの歴代ドラ1はすごい選手が多いのか?検証してみた

Text by 高橋アオ

プロ野球はセ・リーグ、パ・リーグの覇者が決まり、残す大きなイベントはポストシーズンとドラフト会議(今月24日)となった。

このドラフト制度とは、プロスポーツリーグにおいて選手との交渉契約権を各チームに振り分けるために行う制度であり、戦力均衡を目的に考案された。野球以外にも、アメリカのプロバスケットボールリーグのNBAなどでも取り入れられている。

サッカーではアメリカのプロサッカーリーグのメジャーリーグサッカー(MLS)が実施しており、アメリカ以外ではインドや韓国で実施されていた。

ドラフトで注目される選手といえば、通称ドラ1といわれるドラフト1位選手だ。

アメリカのプロスポーツで全体1位選手で名選手といえば、野球ならハロルド・ベインズ、ケン・グリフィー・ジュニア、ジョー・マウアー、ゲリット・コール、ブライス・ハーパーら名選手が挙げられ、バスケットボールではカリーム・アブドゥル=ジャバー、シャキール・オニール、アレン・アイバーソン、ティム・ダンカン、レブロン・ジェームズら超有名選手が並ぶ。

そこでMLSの歴代全体1位は歴史に名を残すような選手がいるのか検証してみた。

恐らくどこの媒体もやったことがないだろう当企画の結果は…。

(文・構成 高橋アオ)

MLSのドラフト制度とは

MLSのドラフトは大卒新人選手を対象としたカレッジドラフト(1996~1999年まで開催)とスーパードラフト(2000年~)。

スーパードラフトで指名されなかった選手から各クラブが4巡まで指名できる追加ドラフト。

MLSに新規参入するチームがあった場合に、そのチームに選手を分配する目的で開催される拡張ドラフト。

どのチームとも契約していない選手、または現在のチームによって契約延長しないことが発表された選手が対象となる再エントリードラフト。

ドラフト間近!アメリカメジャーリーグサッカーの歴代ドラ1はすごい選手が多いのか?検証してみた
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これら複数のドラフトを通じて新戦力を獲得できる。また指名する順序はチームのプレーオフとレギュラーシーズンにおける順位によって決まり、順位の低いチームから順に指名権を獲得する。

今回はカレッジドラフト、スーパードラフトの全体1位をピックアップしていく。

1996~2010年の歴代1位は

カレッジドラフトと2000~2010年までのスーパードラフト全体1位は以下の通りになる。

カレッジドラフト (指名チーム、ドラフト指名時在籍校)

1996 MFマット・マッキーオン(カンザスシティ・ウィズ、セントルイス大)
1997 DFターイ・ジャキンス(コロラド・ラピッズ、カリフォルニア大ロサンゼルス校)
1998 DFレオ・カレン(マイアミ・フュージョン、メリーランド大カレッジパーク校)
1999 MFジェイソン・ムーア(DCユナイテッド、バージニア大)

スーパードラフト(指名チーム、ドラフト指名時在籍校)

2000 MFスティーブ・シャック(メトロスターズ、カリフォルニア大ロサンゼルス校)
2001 MFクリス・カリエリ(サンノゼ・アースクエイクス、ノースカロライナ大チャペルヒル校)
2002 DFクリス・グバンディ(ダラス・バーン、コネチカット大)
2003 FWアレコ・エスカンダリアン(DCユナイテッド、バージニア大)
2004 FWフレディー・アドゥー(DCユナイテッド、プロジェクトー40)
2005 MFニコラス・ベサグノ(レアル・ソルトレイク、ジェネレーション・アディダス)
2006 DFマーベル・ウイン(メトロスターズ、カリフォルニア大ロサンゼルス校)
2007 MFモーリス・エドゥ(トロントFC、メリーランド大カレッジパーク校)
2008 DFチャンス・マイヤーズ(カンザスシティ・ウィザーズ、カリフォルニア大ロサンゼルス校)
2009 FWスティーブ・ザクアニ(シアトル・サウンダーズ、アクロン大)
2010 FWダニー・ムワンガ(フィラデルフィア・ユニオン、オレゴン州立大)

※太字は代表選手

名選手が多くいるのだろうなと調べてみたらあまり耳にしたことがない名前がズラリと並んだ…。

ドラフト間近!アメリカメジャーリーグサッカーの歴代ドラ1はすごい選手が多いのか?検証してみた
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アメリカのプロスポーツ史上最年少でプロになったフレディー・アドゥーや元アメリカ代表でスコットランド1部で活躍したレンジャーズでプレーしたモーリス・エドゥはそこそこ有名だが、これぞ!といった名選手はいなかった。

ちなみにアメリカ代表で57得点を挙げて最多得点記録を誇るFWランドン・ドノヴァンはドイツ1部バイエル・レバークーゼンのセカンドチームでキャリアを始めたため、ドラフトを経由しないでプロになった。

ドノヴァンと同じく同代表最多得点記録を持つFWクリント・デンプシーは2004年のスーパードラフトで1巡目全体8位、ドイツ1部ボルシアMGやイタリア1部ローマで活躍したMFマイケル・ブラッドリーは2004年のスーパードラフトで4巡目全体36位だった。

名選手が意外と低順位であることに驚いたが、歴代1位の知名度のなさに少し拍子抜けしてしまった。続いて10年から今年のドラ1を調べてみた。

2011~24年の歴代1位は

2011~2024年までのスーパードラフト全体1位は以下の通りになる。

スーパードラフト(指名チーム、ドラフト指名時在籍校)

2011 FWオマー・サルガド(バンクーバー・ホワイトキャップス、U-20アメリカ代表)
2012 FWアンドリュー・ウェンガー(モントリオール・インパクト、デューク大)
2013 DFアンドリュー・ファレル(ニューイングランド・レボリューション、ルイビル大)
2014 GKアンドレ・ブレイク(フィラデルフィア・ユニオン、コネチカット大)
2015 FWサイル・ラリン(オーランド・シティ、コネカット大)
2016 MFジャック・ハリソン(シカゴ・ファイアー、ウェイクフォレスト大)
2017 FWアブ・ダンラディ(ミネソタ・ユナイテッド、カリフォルニア大ロサンゼルス校)
2018 DFジョアン・モウティーニョ(ロサンゼルスFC、アクロン大)
2019 MFフランキー・アマヤ(FCシンシナティ、カリフォルニア大ロサンゼルス校)
2020 FWロビー・ロビンソン(インテル・マイアミ、クレムソン大)
2021 MFダニエル・ペレイラ(オースティンFC、バージニア工科大)
2022 MFベン・ベンダー(シャーロットFC、メリーランド大カレッジパーク校)
2023 DFハマディ・ディオプ(シャーロットFC、クレムソン大)
2024 FWタイリース・スパイサー(トロントFC、リプスコム大)

2011年からの全体1位はわずか3選手だけ代表選手になっており、アメリカ代表選手はゼロ人とさみしいものになった。

この中で最も有名な選手はサイル・ラリンだろう。現在スペイン1部マジョルカでプレーするカナダ代表ストライカーは、同代表75試合29得点とチームの攻撃をけん引する選手として活躍している。

ドラフト間近!アメリカメジャーリーグサッカーの歴代ドラ1はすごい選手が多いのか?検証してみた
ドラフト間近!アメリカメジャーリーグサッカーの歴代ドラ1はすごい選手が多いのか?検証してみた

ただラリン以外は欧州で活躍する選手がいない。

理由としてはドラフト制度がアメリカでしか行われていない制度のため、優秀な若手がカレッジスポーツを経験する前に欧州へ直接移籍するケースが多い。

例えばアメリカ代表の天才アタッカーFWクリスチャン・プルシックは10代でドルトムントのアカデミーへ入団し、同代表MFウェストン・マッケニーはシャルケのアカデミー、「リベリアの怪物」ジョージ・ウェア(元リベリア大統領)の息子FWティモシー・ウェアはPSGアカデミーでプレーしていた。

そのため他競技のドラフト全体1位と比較すると寂しい結果になってしまうというわけだ。


ただアメリカのサッカー人気も年々高まってきているため、カレッジスポーツの競技レベルが高くなっていると在米プロ関係者が話している。今後バスケットボールや野球のように全体1位から歴史に名を残す選手が出てくるかもしれない。今後もMLSスーパードラフトを見守っていきたい。

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