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【虎ノ門】大倉集古館「企画展 寄贈品展」設立者・大倉喜八郎、喜七郎ゆかりの名品に出会う

  • 2024.10.5

大倉集古館に新たに加わった作品たちが一堂に

大倉集古館で開催中の「企画展 寄贈品展」[2024年9月14日(土)~10月20日(日)]は、近年寄贈された作品を中心にした企画展です。

寄贈品には、大倉集古館の設立者・大倉喜八郎(おおくらきはちろう)と、嗣子・喜七郎(きしちろう)ゆかりの作品が含まれています。

喜七郎が愛した近代日本絵画の寄贈品には、イタリア・ローマの日本美術展覧会出品作も含まれます。 また、正倉院御物整理掛として正倉院宝物の修理を手がけた木彫工芸家・木内半古の作品や、古備前再現を目指した陶芸家・森陶岳の作品など近現代の工芸品の名品にも出会えました。

※展示室内はすべて撮影禁止です。本記事に掲載の写真は、すべて主催館の許可を得て撮影したものです。

 

出典:リビング東京Web

右から、菊池契月筆 《菊》 昭和4年(1929) ローマ展出品 中央建物(株)寄贈、川合玉堂筆 《暮るる山家》 大正7年(1918) 第12回文展出品 中央建物(株)寄贈、松尾晃華筆 《月下鳴機》 大正15年(1926) 第13回再興院展出品 中央建物(株)寄贈 すべて大倉集古館蔵

喜七郎が愛した近代日本絵画、昭和5年(1930)「ローマ展」展示作品も

大倉喜八郎の嗣子・喜七郎は、父の思いを継いで大倉集古館の経営維持に援助を行いました。

喜七郎は、画家の横山大観、川合玉堂、書家の松本芳翠、漢詩人の仁賀保香城に大倉組嘱託の待遇を与えるなど、日本の書道界、絵画界への援助も惜しまなかったそうです。 今回寄贈を受けた作品のうち7点は、昭和5年(1930)、イタリア・ローマで開催された日本美術展覧会、「ローマ展」に展示された作品です。

喜七郎が全面的に支援したローマ展には、横山大観(よこやまたいかん)を団長に、院展系と官展系画家総勢80名、約170点の作品が展示され、イタリアやヨーロッパの人々に日本美術が紹介されました。

イタリア・ローマの日本美術展覧会出品《木瓜(ぼけ)》《梅雨あけ》

ローマ展出品作品、山口蓬春(やまぐちほうしゅん)《木瓜(ぼけ)》(左)。 春の霞に日の光が散乱しているような空間に、ふっくらとした白い花弁を付けた木瓜が咲いています。

「琳派の作品をほうふつとさせる装飾的で背景のない美しい色彩の「新古典主義」」の作品だそうです。

同じくローマ展出品作品の大智勝観(だいちしょうかん)《梅雨あけ》。 500坪の自宅の庭を描いた作品だそうです。

作者の大智勝観は、「日本美術院の再興に参加。小林古径(こばやしこけい)らとともに同人に推挙されのちに美術院の経営」に加わったそうです。

大観の画風を慕っていたそうで「その画風をより装飾的にした作風」と言われています。

 

出典:リビング東京Web

正面左から、酒井三良筆 《豊穣》 昭和4年(1929) ローマ展・第16回再興院展出品 中央建物(株)寄贈、佐々木尚文筆 《放生司》 ローマ展・第10回帝展出品 中央建物(株)寄贈 すべて大倉集古館蔵

森陶岳「柔和さに包まれた剛毅な造形」

森陶岳の作品の魅力は「柔和さに包まれた剛毅な造形」と表現されるそうです。 2階展示室では、森陶岳が復活させた伝統的な備前(びぜん)様式のやきものと、作家独自の作風を見せる創作陶芸の2つの手法による作品を見ることが出来ました。

白壁に映える緋襷(ひだすき)の赤《備前大蕪花入》古備前の復活

陶芸家・森陶岳は、備前焼(びぜんやき)の古くからの窯元(備前六姓)のひとつである森家の出身です。 室町末から桃山時代の大窯を再現し、一度途絶えた古備前(こびぜん)の焼成法を模索し続け、桃山時代(16世紀)の伝統的な古備前を復活させました。

2階展示室の白壁に古備前の緋襷がよく映えて、存在感がある作品が並びます。

 

出典:リビング東京Web

森陶岳 左から《備前三角花入》、《備前大蕪花入》 昭和61年(1986)、《備前面取鶴首瓶》 昭和62年(1987)他、展示風景 伊東和子氏寄贈 すべて大倉集古館蔵

森陶岳の創作陶芸

古備前の魅力を追求し続けた森陶岳ですが、古備前を超えた独自の創作陶芸も制作しています。

 

出典:リビング東京Web

企画展 寄贈品展 森陶岳 創作陶芸作品 展示風景 伊東和子氏寄贈 すべて大倉集古館蔵

大倉喜八郎、喜七郎ゆかりの寄贈品

会場では、近代日本絵画、木彫工芸品、陶器の他、保坂なみによる明治の刺繍や王一亭(中華民国)の書なども見ることが出来ました。

ひとつひとつの作品に、大倉集古館に収蔵されるまで大切にされて来た物語がありそうで、親しみと温かみを感じました。

大倉集古館、企画展 寄贈品展は10月20日(日)まで。 是非お出かけください。

ミュージアムショップ

ミュージアムグッズは、《紅白段業平菱菊模様唐織》クリアファイル(600円)、亥之吉くつした べにつばき こげちゃ杢(1,320円)を購入。 ピンクのべにつばきがカワイイ温かそうな靴下です。

 

出典:リビング東京Web

ミュージアムショップ 大倉集古館

〇大倉集古館
URL:https://www.shukokan.org/
〒105-0001東京都港区虎ノ門2-10-3(オークラ東京前)
TEL:03-5575-5711

交通:東京メトロ南北線 六本木一丁目駅 中央改札(泉ガーデン方面)より5分
東京メトロ日比谷線 神谷町駅 4b出口より7分
東京メトロ日比谷線 虎ノ門ヒルズ駅 A2a出口より8分
東京メトロ銀座線・南北線 溜池山王駅 13番出口より10分
東京メトロ銀座線 虎ノ門駅 3番出口より10分
※駐車場はございません。

〇企画展 寄贈品展
会 期:2024年9月14日(土)~10月20日(日)
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)金曜日は19:00まで(入館は18:30まで)
休 館 日:毎週月曜日(休日の場合は翌火曜日)
入 館 料:一般 1,000 円、大学生・高校生 800 円、中学生以下無料
※同会期中のリピーターは 500 円引き
※20 名様以上の団体は 500 円引き
※障がい者手帳、被爆者手帳をご提示の方とその同伴者 1 名は無料
※お着物(和装)でご来館の方は 300 円引き(割引併用不可)
※ミュージアムパスポート 5,500 円
※オークラ東京とのセット鑑賞券(ランチセット 6,000 円、茶菓セット 3,100 円)割引併用不可
※ミュージアムショップ:大倉集古館の営業時間に準ずる

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