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ヴィーガン大国ドイツは日本の10年早い食文化が定着?! 現地で活動する日本人にきいてみました!

  • 2024.10.4

ドイツ・デュッセルドルフ在住でフリーアナウンサーの小山瑶さんが、現地で暮らすからこそ得られるディープで旬な情報を教えてくれる連載。アナウンサーそしてジャーナリストとしての視点を交え、ドイツの情報をいろんな角度からお届け。今回は、ヴィーガン大国であるドイツのヴィーガン×日本食のメニューを日々開発されているデュッセルドルフ在住の料理研究家でもありフォロワー5万人のインフルエンサーミラさんに取材しました。日本でも10月にイベントを開催予定ですので、告知も含めて最後まで読んでいただけたら嬉しいです。

フリーアナウンサー 小山瑶の海外生活 in Germany

Epi.36「ヴィーガン大国ドイツで活動する日本人ミラさんの試行錯誤を続ける姿に勇気づけられました!」

近年、健康志向や環境問題への関心の高まりから菜食主義、いわゆるヴィーガンやベジタリアンが世界的に増加しています。ドイツは中でも最もヴィーガンフレンドリーな国としてエントリーされていて、特にベルリンは世界でロンドンに次ぐヴィーガンシティーとも言われているんです。
 

そもそもヴィーガンとは?

そもそもヴィーガンと聞いて、野菜が好きな人や、野菜だけを食べる人、またはお肉が食べられない人……なんていろいろと想像してしまうと思うのですが、ヴィーガンというのは、大きくベジタリアン(菜食主義の人)のなかの一つ。卵、乳製品を食べるかどうかによって「ヴィーガン」「ラクトベジタリアン」「オボベジタリアン」と呼び方が変わります。なかでも、肉や魚のほか卵・乳製品・はちみつなどの動物性食品をすべて摂取しない人をヴィーガンといいます。

ドイツではヴィーガンの人口が10年前より2倍に

ドイツは2023年度時点でヴィーガンの人口が152万人にのぼり10年前の2倍になりました。世界で3番目にヴィーガンが多いそう。ヴィーガン料理はダイエット効果も抜群で免疫力が上がったり、体臭が落ち着いたりといったメリットもあるとされています。研究ではがんや心臓病のリスクも低くなると発表されています。
 
昨今では「プラントベース」という言葉も耳にする機会が増えましたね。プラントベースはというと、食肉を一切制限するわけではなくヴィーガンよりもフレキシブルに食材をチョイスでき、積極的に植物由来のものを摂取しようという考え方です。

ドイツの食材に書かれているヴィーガンのマーク。
 

日本食×ヴィーガンの発起人「理系脳から生まれる食の新世界」

ミラさん(本名:古江美紀さん)

そんな世界的に注目のヴィーガン料理をクリエイティブにアレンジし、SNSで話題を呼んでいるミラさんにお話を伺いました。そしてミラさんは私の住む街、デュッセルドルフで暮らしながら活動しています。

ミラさんの経歴をご紹介!

ミラさんは、早稲田大学先進理工学部卒業後、大手商社の食品部門で勤務。中国での語学トレーニーを通して輝かしいキャリアを築き上げてきました。商社勤務時代も食への興味関心は人並み以上! 仕事柄、機会の多かった会食では、自分の行ってみたい店をチョイスして舌を鍛えたそう。そのころからあった食への興味関心が一層花開いたのは、今から4年前のこと。ミラさんは商社を辞め、一年間のバックパッカーを経験し、ドイツへワーホリビザで入国。
 
「築き上げてきたキャリアを失うことに公開はなかったか?」という質問に「 理由はわからないけど、私が求めていることはこの生活じゃないと強く感じてしまうようになった。昔から憧れていた海外での生活をするなら今だと決心しました」と笑顔で話してくれました。ミラさんはドイツ生活を送るなかで、お肉を食べない人が周りにたくさんいることに気づきます。 食への好奇心と探究心から、まずは1日ヴィーガンの食事を試し、食べすぎたはずなのにからだがとても楽だ、ということを体感。特に朝の爽快感は格別で、これはやめられないと心から思ったそう。 この瞬間がきっかけとなり、ミラさんの美味しいものをヴィーガンで作る探究がスタートします。

ドイツでの初めてのイベントの様子。ヴィーガンではない人もたくさん参加し、見た目も鮮やかで美味しい食の新たな世界に引き込まれたそう。
 

「研究し続けることが最高に幸せな時間」とミラさん

ミラさんの作る料理は,「映えKAWAII×日本食FUSION×ヴィーガンVEGAN」が徹底されています。それに加えて、「これが野菜からできているの?」とびっくりする食べ応えも楽しめます。自分が納得するまで試行錯誤をおこたらないミラさんは、本物に近づけるために研究し続けることが自分にとって最高に幸せな時間と話してくれました。好きなことを仕事にできている人は少ないと思います。そんななかで、ミラさんは好きなことをドイツで見つけ仕事を自ら生み出し続けていて、多くの人に勇気や希望を与える存在の一人です。

ミラさんの使う食材が棚にびっしり。レンズ豆やひよこ豆など、タンパク質が豊富な豆類をよく使用しているんだとか。

50人以上のケータリングの準備を行ったときは4日前から大忙し。当日は朝4時からフル稼働だったことも。
 

日本の10年先行くドイツのヴィーガンについて

ミラさんはドイツのヴィーガンは日本の10年先だと教えてくれました。話題沸騰中のドイツのヴィーガンスタートアップ企業に、ユニリーバやダノンなどの大企業が出資を始めた報道。ヴィーガンの取り組みへの注目度はさらに増しています。また環境問題を引き起こさず生産されるサステナブルフードの使用も増えているそうで、さらなるヴィーガン旋風が巻き起こっています。そのなかで日本の食材である豆腐やおからが大人気。日本人以上に豆腐の可能性を模索し続けているかもしれませんね。

ミラさんのバイブル。料理本が宝物で本を見ながら日々試行錯誤を続けているそう。特に一番大好きな本は『The SCEIENCE of COOKING』
 

ちなみにミラさんはピアス集めが好きなんだとか。ファッションは可愛くて明るめで派手なデザインばかり買ってしまうそうです。
 

自宅で簡単に作ることができるミラ流ヴィーガンメニュー3選

テンペレタスラップ

(材料)
玉ねぎ……1/2個
赤ピーマン……1/2個
インゲン豆……1つかみ
テンペ……150g
醤油 大さじ……1.5
生姜……1cm(すりおろし)
ニンニク……2かけ(すりおろし)
 
A
酢……大さじ1
豆板醤……大さじ1
砂糖……大さじ1
チリ(七味でも)……ひとつまみ
 
(作り方)
❶テンペをそぼろ状に指でちぎり、ごま油を引いたフライパンでキツネ色になるまで炒める。
❷すべてみじん切りにした野菜と、ニンニク、生姜を合わせて炒める。
❸テンペとAを混ぜたタレを加えて、5分炒めたら完成。

いちごアイス

(材料)
ココナッツミルク……400g
メープルシロップ……大さじ3
いちご……適量
 
(作り方)
❶いちご、ココナッツミルク、メープルシロップをジューサーに入れてかくはんする(いちごは数粒残しておく)
❷❶をボウルに入れてホイッパーで5分混ぜる。
❸残しておいたいちごを角切りにし、❷に加えて一晩寝かせれば完成。

ミラのズボラ麺

(材料)
麺……一人分
シソ……お好み
ネギ……お好み
 
A
醤油……小さじ4
酢……小さじ2
砂糖……小さじ1/2
ねりごま(ピーナッツバター)…… 小さじ2
ごま油……小さじ1
生姜……1/3かけ(すりおろし)
ニンニク……少し(すりおろし)
 
(作り方)
❶麺を茹でる
❷Aを混ぜたタレを和えたら完成。お好みで薬味やピーナッツを添えるとなおおいしい。

〜お知らせ〜

ミラさんが主催のイベントの紹介!

東京・銀座を舞台に視覚と味覚を楽しむフードライブパフォーマンスイベント「美食画布」が10月5日に開催されます。こちらは事前チケット制です。見た目も味も美味しいフードが、キャンバスに見立てた7mのテーブルに並んでいく様子を見ていただけます。今回は、テーブル全体がキャンバスに! 想像をはるかに超える新しいフードの世界、ぜひご参加ください。
 
開催日時:10月5日(土)16:00開場、16:30開始
会場:ハイアット セントリック 銀座
住所:〒104-0061 東京都中央区銀座6-6-7
チケット:¥9,900(限定100名)

今回も読んでくださりありがとうございました。同じ日本人として世界を舞台に活躍されているミラさんの話を聞くことができて、私自身も勇気をもらいました。ミラさんとお話をして、常に探究心を持って、この味はどう創り出せるのか?と食べながら考えることを心から楽しんでいるのが印象的でした。理系というのもあるのか、実験を繰り返しているようにも見て取れて、とてもワクワクしました。ミラさんの作るフードは奥深い。ぜひ多くの人に彼女の存在を知ってもらいたいと思いました。ミラさん、ありがとうございました!

ミラさんに実際に作っていただいた「クリームチーズ風豆腐のカナッペ」をいただいたのですが、クリームチーズの酸味をドイツのザワークラウトを使って生み出していて、この発想には驚くばかり。新感覚でとても美味しかったです!
Bis Dann!

text : HARUKA KOYAMA

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