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【俳優・塩野瑛久さんインタビュー】誰かの心を動かす方法を探して【後編】

  • 2024.10.3

現在放送中の大河ドラマ『光る君へ』の〝一条天皇〟役で、知名度&好感度ともに急上昇中の塩野瑛久さん。

優美なロイヤルスマイルに多くのレディたちが心を掻き乱されているけれど、その表情、その佇まいは努力と研鑽の賜物。デビューして12年、多彩な役を突き詰め、積み重ねてきた塩野さんの俳優人生に迫ります。

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一緒にいたいのは陽キャで〝ちょける〟人

ーー17歳で俳優になってから12年。癖の強いキャラから帝まで、どんな役も〝ハマり役〟にしてしまう役者力は、作品ごとに1つ1つ積み上げてきたもの。でも一方で、あるジレンマも抱えている。

「これは僕だけじゃないのかもしれないけど、〝やりたかったのにやれなかった役〟というのは常にあります。例えば僕は普通の高校生を演じたことがほぼなくて、制服もほとんど着てこなかったから、 学園ドラマを観るたび、いいなって思ってしまうんです。でもどんどん年を重ね、過去には戻れない。年を重ねることで役の幅が広がることもあるけど、その年齢じゃないとできない役もあるから、努力だけではどうしようもできない俳優の年齢感といいますか。時間の流れと自分がやりたい役とのギャップ、それに対する焦りはずっと感じています」

ーー話を聞いていると、ふと「役者馬鹿」という言葉が浮かんだ。本人も自分の性格を「真面目で堅物」と言っているが、塩野さんの中心軸は常に〝俳優・塩野瑛久〟。そのせいかプライベートは、それこそ抜け感だらけというか、かなり脱力モードだそう(笑)。

「脱力というか、嫌になるくらい地味です(笑)。休みがあっても予定を立てないし、出不精なので近所のスーパーと家を往復するだけ。あと最近は歯医者に行くぐらいです。特にひとりが好きってわけではないし、誘われれば行くんですけど、犬がいるのも大きくて。休みの日ぐらい一緒にいてあげようって思うと、結局、出かけなくていいやってなっちゃう。多分、陰キャなんでしょうね(笑)。だから、一緒に過ごすとしたら〝ちょける〟人がいいんですよ。ふざけたり、笑わせてくれたり、自分とは真逆の陽キャの人だと助かる。いじってくるのも全然OKです」

出典: 美人百花.com

ロマンを実現させたいから、リアルを追求している

ーーでは塩野さんが思う「美人」とは?

「泥にまみれている人じゃないですか。現状に満足せず、困難なときも目の輝きを失くさず、何かを変えようと抗い、努力している。そんな泥くさい人は女性でも男性でも美人だし、実際に行動を起こして掴み取ったときの輝きは、何にも代え難い美しさがありますよね。僕自身そう在りたいと思っているので、今の満足と不満足の割合をパーセンテージで言ったらフィフティー・フィフティー。生活自体はもっと贅沢したいとか、いい暮らしをしたいとかは別にないですけど、やりがいだったり達成感だったり、精神的な欲求や飢餓感は失くしたくないと思っています」

ーー塩野さんは大河ドラマでの反響を「母体(ドラマ)が大きいから」とクールに受け止めるリアリスト。でも、役者としての理想(ロマン)を追い求める超ロマンチストでもある。

「ロマンを実現させたいから、リアルを追求しているんでしょうね。なぜかというと、ロマンだけで突き進むと反発を受けてしまうから。それを理解してもらうために伝え方を学んだり、人の心を動かす方法を模索し続けている。その中で葛藤もありますが、自分の中の大切なものを守るためなら、なんでもする。その覚悟でやっています」

Profile

塩野瑛久(しおのあきひさ)

1995年1月3日生まれ。劇団EXILEのメンバー。2012年俳優デビュー。ドラマ『来世ではちゃんとします』シリーズや『ぼくの人格シェアハウス』など数々の話題作に出演。秋には『ゴールデンカムイ-北海道刺青囚人争奪編-』(WOWOW)、映画『チャチャ』『八犬伝』の公開を控えている。

Information

大河ドラマ『光る君へ』

舞台は平安中期、『源氏物語』を書いた紫式部の生涯を描いた大河ドラマ第63作。塩野さんは7歳で即位し、32歳で崩御した66代天皇・一条天皇役を演じている。

出演:吉高由里子、柄本佑、黒木華、町田啓太、秋山竜次、塩野瑛久、ユースケ・サンタマリア、岸谷五朗 ほか

NHK総合にて毎週日曜午後8時ほか放送中

掲載:美人百花2024年9月号「#いま彼を知りたい」

撮影/堺優史(MOUSTACHE) スタイリング/ホカリキュウ ヘアメイク/下川真矢 取材・文/若松正子 再構成/美人百花.com編集部

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