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石破政権誕生 そして解散・総選挙へ 早くも波乱含み

  • 2024.10.3

ニッポン放送報道部畑中デスクのニュースコラム「報道部畑中デスクの独り言」(第387回)

石破総裁と新たな自民党四役
石破総裁と新たな自民党四役

先週の自民党総裁選挙から今週は党役員人事、石破内閣誕生と、政界は慌ただしい日々が続いています。まずは自民党役員人事、9月30日午後3時から開かれた新役員の記者会見では冒頭、石破茂総裁が出席し、10月27日に総選挙を実施する方針が示されました。役員会見の総裁出席、そして首相就任前に総選挙の日程を表明するのは異例のことです。「(総理に)指名されればということで、不適切なこととは考えていない」と、石破総裁は主張しました。

党の新役員は菅義偉副総裁、小泉進次郎選挙対策委員長、小野寺五典政調会長といった、決選投票で石破氏を支持した人への「論功行賞」が果たされたほか、最高顧問に麻生太郎元首相、総務会長に鈴木俊一財務相(当時)を起用するなど「麻生派」にも一定の配慮がされた「バランス人事」となりました。

自民党臨時総務会で石破氏と麻生氏
自民党臨時総務会で石破氏と麻生氏

とは言え、麻生最高顧問は総務会のあいさつで、「一度廃止された最高顧問の復活」と皮肉をこめました。石破総裁とは目を合わさず、役員の写真撮影にも参加せず、そそくさと会場を後にしていました。森山裕幹事長は記者会見で「党内の融和に十分配慮」と述べましたが、石破氏と麻生氏のしこりは簡単には消えそうにありません。

写真撮影に参加せず、足早に麻生氏は会場を後にした
写真撮影に参加せず、足早に麻生氏は会場を後にした

翌日10月1日には石破内閣が誕生。派閥はほぼ解消された中での組閣となりましたが、そのキーワードは「論功行賞」「麻生派への配慮」「旧安倍派完全排除」となるでしょうか。

平将明デジタル相と赤澤亮正経済財政担当相は石破首相の側近。岩屋毅外相は総裁選で石破陣営の選対本部長を務めました。そのほか、菅グループからは牧原英樹法相、坂井学国家公安委員長、三原じゅん子こども政策担当相を起用。決選投票で石破さんに投票したことによる「論功行賞」といえます。また、麻生派からは武藤容治経済産業相、浅尾慶一郎環境相と、組閣でも麻生派に一定の配慮という形となりました。

一方、旧安倍派の入閣はゼロ、このあたりは「政治とカネ」の問題に対する石破首相の一つの主張とも取れますが、胸中はいかばかりか。また、かつて安倍晋三元首相について「国賊」と発言した村上誠一郎氏が総務相に起用されました。村上氏はかつての発言に関し、就任記者会見で「遺族に謝罪し、もう終わったこと」と述べ、党内融和を図る考えを強調しました。

そして、冒頭に記した石破総裁としての総選挙日程の表明、これには野党側は猛反発しています。与野党協議で与党側は4日の開会式と首相所信表明演説、代表質問を7日衆議院、8日参議院で実施し、9日に党首討論を提案しました。4日と7日の日程については固まったものの、その後はまだ正式合意に達していません(10月3日17時現在)。野党側は能登半島地震や水害への補正予算編成のための予算委員会を開くべきとして拒否することで一致。さらに、総理就任前に総選挙の時期に言及したことは「断じて許さない」としています。10月1日、首班指名の衆議院本会議が予定より25分遅れ、国会の会期を決める際に反対討論が設けられるという異例の事態となりました。野党のトップも批判を強めます。

立憲民主党・野田代表
立憲民主党・野田代表

「ルールを守る自民党と言って、自分がやってきたことを守らない。もっと堂々と議論に向き合うタイプの政治家だと思っていたが、とっとと逃げてしまうことに深い失望を覚えている」(立憲民主党・野田代表)

「やるって自分が言っていた。こんな小さな約束を守れない人が大きな約束を守れるわけがない。天ぷらが乗っていない天丼と一緒だ」(国民民主党・玉木代表)

ただ、野党の今後の戦略としては「次の一手…何かありますかね」(国民・玉木代表)とぼやきます。会期日程も短い中、野党としては予算委員会の必要性を訴え続けるしかないようです。

石破氏は10月1日夜、首相就任の記者会見で、改めて10月9日解散、15日公示、27日投開票という総選挙の日程を明らかにしました。

「制約の中においてどれだけ誠心誠意説明をするか、投票日までに検討していく材料を提供するか、全身全霊で努めていく」

立憲民主党代表選から自民党総裁選、公明党大会、石破内閣誕生……政界は目まぐるしく動いてきました。いずれにしても、総選挙はまもなく行われます。いよいよ有権者=国民の出番、これまでの動きをじっくり見定め、審判を下すことになります。今後、刻々と変わる動きも、国民の貴重な判断材料となるでしょう。

(了)

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