1. トップ
  2. おでかけ
  3. 旅行は老化を遅らせる?「非日常」の刺激が効果をもたらす可能性

旅行は老化を遅らせる?「非日常」の刺激が効果をもたらす可能性

  • 2024.10.3

新たな体験が盛りだくさんの旅には、脳の健康維持に重要な要素がそろっているという。

Hinterhaus Productions

明らかになったことは?

新たにジャーナル・オブ・トラベル・リサーチに発表された論文は、「宇宙は死と無秩序の方向に進むものだ」とする「エントロピーの理論」を適用して、旅行について考察したものだという。

研究チームは、日常のルーティンと、新しいものを見ることをどちらも経験することで、ストレスレベルを低下させ、代謝を上昇させることが可能になる(免疫力を高める)との見方を示している。

そして同時に、それらの経験が「組織の修復と再生を促すホルモンの働きをサポートし、最終的には老化の兆候が表れるのを遅らせることになる」と考えている。

FreshSplash

実際に老化を遅らせる?

この研究では、旅行をしている人たちと、しない人たちにみられる老化の兆候を比較したわけではない。つまり、現時点ではこの論文の結論は、老化に関する「ひとつの説」。旅が実際に老化を遅らせるのかどうか、確信が持てる答えを導き出すのは難しい。

ただ、それでもカリフォルニア州サンタモニカにあるパシフィック神経科学研究所の老年心理学・神経心理学博士研究員、シャネル・カシス・エルハロー氏は、この説には「説得力がある」と述べている。

その理由は、この説を支えるものとして挙げられているのが、脳の健康のための「柱」とされている睡眠と栄養、ストレスの管理、運動、人との交流、認知機能への刺激、などであること。旅にはもともと、認知機能の健康やメンタルヘルスの維持、そして幸福感や目的意識を持ち続けるために欠かすことができないこれらの要素の多くが含まれているという。

フー氏もまた、体を動かし、人との交流も増える旅行は、健康的なライフスタイルの促進につながるほか、新鮮な食材で作られた地元の料理を楽しむことで、健康的な食事をとることができると述べている。

Kathrin Ziegler

長寿に役立つ「正しい」旅の方法は?

前述のとおり、「旅が老化の予防になる」というのは、“新しい”考え方。そのため、明確にそうだと言い切るのは困難。ただ、旅行は大半の人にとって楽しい体験であることから、そう考えても「問題はない」と言えるだろう。

また、「理想的な旅は、その人の置かれた状況や必要とするものによって異なります」と語るフー氏によると、旅の仕方に「正しい方法」はないとのこと。

「毎年1度の休暇を取ることには、メリットがあるでしょう。ですが、もっと頻繁にどこかへ行ったり、定期的に短期の旅行をしたりするほうが、より大きな効果を感じられるという人もいるでしょう」

また、外国にまで行かなくても、近場への旅でも、週末のちょっとした外出でも、旅行の効果は得られるはずだという。

早速、どこかに出かける計画を立ててみよう。若さを保てる可能性が高まるかもしれない――たとえそうではないとしても、楽しい時間を持つことはできるはず!

元記事で読む
の記事をもっとみる