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「モテるには外見がすべて」は正しくない? 漫画『あくまでクジャクの話です。』で生物学のモテ知識を学びたい

  • 2024.10.3

こんにちは、Togetterオリジナル編集部のToge松です。ときどき漫画の紹介記事を書いてます。

今回紹介する漫画は『あくまでクジャクの話です。』という作品だ。小出もと貴さん(@koidemotoki)がコミックDAYS(講談社)で隔週連載中で、現在2巻まで発売している。

本作は「男らしさがない」ことを気にしている高校教師・久慈弥九朗(くじ・やくろう)と、生物学部の部長を務める女子生徒・阿加埜(あかの)による恋愛コメディ。

その大きな魅力は「生物学」をテーマにしている点だ。漫画では毎回こうした生物学的なトリビアを恋愛と絡めて展開している。

クジャクの尾羽が派手なのはモテるため?

たとえば第1話は、「クジャクの性淘汰」に関する生物学トリビアが出てくる。

クジャクのオスが長くて派手な尾羽を持っているのは、「メスに繁殖でアピールするため」と言われている。

これは進化論で有名なチャールズ・ダーウィンが提唱した「性淘汰」という概念に基づくもの。尾羽の長いオスの方がメスに好まれ、同じ遺伝子を持つ子孫を多く残したことから、オスの尾羽はどんどん長くなった…という仮説を立てたのだ。

第1話では、この「性淘汰」の仮説を人間に当てはめて描かれている。

物語は主人公・久慈が彼女の浮気現場を目撃したシーンから始まる 出典:Togetterオリジナル

男らしさと無縁であることがコンプレックスだった久慈は、彼女から「色白で清潔感もあるが、男として見れない」とフラレてしまう。

そんな久慈に、同じような理由で悩む男子生徒たちから「『恋愛弱者男子を救う会』の顧問になってほしい」と相談される。生徒たちは「メディアがゆがんだ価値観をばらまくせいで、世の女子が洗脳されて『いい男とはこういう男なんだ』と刷り込まれてしまっている」と主張しているのだ。

ところがそこへ、話を聞いていた生物学部の部長である阿加埜が「見た目は大事だぞ」と乱入し、男性陣に「なぜ男らしくない男が女からモテないのか」を生物学的な視点から解説し始める。

そこで用いられるのが、先程挙げた「性淘汰」の話だ。

雲行きが怪しくなってきた 出典:Togetterオリジナル
※ここから先、第1話に関するネタバレを含みますので、漫画を未読の方はご注意ください。
出典:Togetterオリジナル

モテる要素は外見だけじゃない?

阿加埜は「クジャクの性淘汰」を例に「男らしくない男がモテない理由はメディアのせいではなく、生物学で説明がつく」と説明するが、男子生徒たちは猛反発。

「生まれつき外見が悪いだけで(略)彼女が作れない人生確定なんですか?」と迫るが、阿加埜は「(生物学的には)そうだ」とにべもない。

あ、あくまでクジャクの話ですよね…? 出典:Togetterオリジナル

あまりの無慈悲ぶりに男性陣は絶句するが、阿加埜が伝えたかったことは「モテるには外見がすべて」ではなかった。「生物学さえ学べばモテ方がわかる!」と強調しつつ、「どんな生物でも『ここ』というポイントがある。人間も例外ではない」だから「見た目だけ整えても仕方がないという考えは捨てることだ」というものだった。

本作では2話目以降も、ファーストペンギン(ペンギンの集団の中で魚を求めて海に最初に飛び込む個体のこと)を例に「恋愛は利己的になれ」と説いたり、男遊びの盛んな女子高生に対して「結婚ゲームの最適解」を教えたりと、いろいろなシーンで生物学的なトリビアが披露される。

ちなみに作者の小出さんはXで「学術的な話は大幅に脚色してます」と伝えており、漫画の注釈でも「作品に登場する生物学用語は実在しますが、その解釈はあくまで作品独自のものです」と書いているが、こうしたトリビアに不思議と説得力を感じてしまうのだから面白い。

現実での恋愛で、こうした生物学の知識が本当に活かされるかどうかはわからないが、気になる人は読んでみてはいかがだろうか。

より) 出典:Togetterオリジナル

文:Toge松 編集:Togetterオリジナル編集部

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