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「もう仕事モードじゃなくていいよ」言い聞かせても休まらない体。睡眠の質が教えてくれた日常のストレス

  • 2024.10.4

朝9時。寝起きにこの時刻を見て嬉しくなった。「やっとこんなに熟睡できた」

仕事はテレワークで比較的自由が利く。でも、完璧主義の私は常に気を張ってパソコンに向かっていた。誤字脱字はないか、見逃しているタスクはないか、上司の機嫌を損ねていないか。そんな緊張感を持って8時間勤務をしていた。

◎ ◎

ある時から寝起きの気だるさが気になった。なんだか肩もガチガチ。パソコンばかり見ているから肩こりがすごいのかな?と思っていたけど、ヨガをしても、マッサージに行っても一向に改善はしなかった。

またある時から睡眠中に歯軋りをしていることに気がついた。なんとなく口が疲れて目が覚めることはあった。それほど気にならなかったが、歯医者さんに行った時「歯がすり減ってますね」と言われて怖くなった。別の日、小顔矯正に行った。サロンのお姉さんに「食いしばりの癖がありますね」と指摘された。口周りの筋肉が固まっているそうだ。

そんな現象に薄々気づきながらも忙しい毎日を過ごしていた。が、とうとう、夜中に起きることが増えた。時計をみると夜中の2時だったり3時だったり。入眠時刻はたしか、22時とか23時。明らかに眠りが浅い証拠だった。

◎ ◎

そんな生活を続けているとメンタルが安定しなくなり、ついにはメンタルクリニックに通うようになった。眠りやすくなる薬や、気持ちを落ち着かせる薬を処方してもらった。どうやら自律神経というものが自立できなくなっているらしい。興奮状態とリラックス状態のバランスが自分で取れなくなっていった。

普通、お風呂に入ったりベットに入ったりすると気持ちが落ち着いて、自然と瞼が重くなる時間がやってくる。私はいつの間にかこの感覚がわからなくなっていた。「もう仕事モードじゃなくていいよ」そう言い聞かせても、体はなかなか納得してくれなかった。常に肩に力が入って、睡眠中も歯を食いしばる時期が続いた。いわゆる睡眠障害だった。

睡眠障害を直すのはとても難しい。病院に行っても対症療法的にお薬をいただけるだけ。根本的な改善は自分でするしかなかった。でも、寝るなんて人間の本能でやっているから、いざコントロールしようと思ってもとても難しい。入浴剤を変えたり、お香を焚いたり、照明を調整したり。試行錯誤する期間が1年ほど続いた。

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学校での居眠りとか電車での爆睡とか。すごく当たり前だった。暇さえあれば寝たい。その感覚はいつの間にか薄れて、二度寝の至福感もすっかり忘れてしまった。

私は仕事や日常のストレスが原因で不眠になった。悲しい現実が襲ってきたが、この機会に自分の体にしっかり向き合ってみようと決心した。こんなに睡眠についてしっかり観察したのは人生で初めてだった。

何時に眠たくなるのか、運動はどれくらいが良いのか、お昼寝はした方が良いのか、室温は低めが良いのか、敷布団はタオル生地の方が良いのか。

まだ最適解は見つかっていないが「あー、寝たなあ」と思う日が増えた。きっかけは枕を無くしたことだった。私の睡眠には枕は必要ないらしい。今のところ。

◎ ◎

失って初めてその大切さに気がつく。とはよくいうけど、私は睡眠でそのことを強く考えさせられた。仕事量を職場に調整してもらって、自分でも無理なタスクは「無理!」と伝えるようにした。私生活でもズボラを目指してみた。

体が寝ることを拒否し始めてストレス状態を意識するようになった。睡眠は健康に大きく影響を及ぼす。その逆もあって、日常の生活が「きついよ」となったら睡眠の質が教えてくれる。私はこれからも睡眠の質や時間にしっかり耳を傾けていきたい。

■みなちゃんのプロフィール
管理栄養士 │ 口から産まれた米屋のむすめ │ 食べ物が最後は胃に収まる世界を夢見る │ ラジオ「#聴くキッチン」放送中│ instagram:@mina_jp_37

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