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心を整える、言葉のおまじない 私を救ってくれたあの言葉

  • 2024.10.4

50代ともなれば、悲喜交交(ひきこもごも)、心身ともに想定外のことが起こります。
体と心が揺れ動きやすい大人だからこそ胸に響き、心を整えてくれる言葉たちをお届けします。

自分にコントロールできないことは、いっさい考えない

モデル はなさん

雑誌、TV、エッセイなどで活躍。『はなと学ぶ パンダに会いに行くための中国語』(白水社)を出版。FMヨコハマ毎週金曜9時~『Lovely Day♡~hana金~』を担当。

くよくよしているのは時間の無駄と割りきります
―家族から聞いた松井秀喜さんの言葉―

くよくよしたときに、思い出します」と、はなさんが教えてくれたのは、家族から教えてもらった元プロ野球選手の松井秀喜さんの言葉。

「まずは『自分にコントロールできない』事象に気付くことが大事だなと。例えば、天気とか、仕事でも自分の力とは関係のないところで結果が出る場合とか。
それに気づくと、自分ではどうしようもないことに気をとらわれるよりも、自分がやるべきこと、できることに集中できるようになります。くよくよする時間がもったいないなって」

DJやエッセイの執筆など、はなさん自身も言葉を伝える仕事を長く続けていますが、自らの言葉を発するときに何か意識していることはあるのでしょうか。

「かっこいい言葉を並べることで、本心が隠れてしまうのが好きではなくて。なるべくシンプルな言葉で自分の気持ちを正直に表すことを大切にしているかもしれません。
あと、言葉は人を救うこともあるけれど、傷つけることもある。なので言葉の力を、人を傷つける方向で使わないように意識するようにしています」

夜明け前が一番暗い

モデル・絵本ソムリエ アンヌさん

14歳で渡仏、パリ第8大学映画科卒業。パリコレデビュー後、27歳で帰国。国内外でモデルとして活動する。エッセイやコラムの執筆でも活躍。最近は地域で絵本の読み聞かせや、選書アドバイスも。

30代の悩みも更年期もこの言葉と共に乗り越えました
―外国の友人からの言葉―

「30歳を過ぎてパートナーシップの壁にぶつかったときに、英語を母国語とする友人からもらった励ましの言葉です。
当時はそんなものかなぁと半信半疑でしたが、その直後、今の夫との 出会いがありました。彼と過ごす時間が、どの景色を見てもお花畑にしか見えないというくらい楽しくて、まさかこんな日が来るとはと。あの言葉は本当だったと、心に深く残っています」

更年期で心身が不調に陥っているときも、この言葉を支えに乗り越えてきたというアンヌさん。最近、パートナーと別居生活になった友人に、同じ言葉をプレゼントしたといいます。

「言葉は自分を励まし支えてくれるものであると同時に、自分をつくってくれる存在です。言霊といわれるように、発した言葉はその通りになる。それは奇跡が起こるという意味ではなくて、発した言葉は必ず自分に返ってくるということです。
意地悪な言葉を投げれば意地悪な自分に、優しい言葉を発していれば、優しい気持ちに。知的な言葉を使えば知的な考えに。面白いことに、見た目にも反映すると思っています」

誰でもできるわけじゃないんだから、やってみたら?

モデル 香菜子さん

モデル活動に加えスタイルブックやライフスタイル書籍など著書多数。「おぱんつ君」というキャラクターを考案し、絵本やぬいぐるみ、作品展示などの活動も。@kanako.lotaproduct

あのときの母の言葉が背中を押してくれたから今がある
―母からの言葉―

かつて上京してモデルとしてスカウトされたとき、自分に自信がなかった一方で、興味もあったという香菜子さん。その迷い、とまどう気持ちに勇気を与えてくれたのが、お母さまからの言葉だといいます。

「声をかけてくれるということは、何かしら素質がある、と見てもらえているということ。そこは認めてもらえているのだから、自分なんて、と卑下せずに、新しい扉を開くチャンスととらえられるようになりました。あのときの母の言葉を信じて一歩を ちょうどコロナ禍で、年齢的にも今後に自信が持てなくなっていたときに、この言葉に出合いました。60歳を迎えるにあたり、『そうだ! これから実をつけるんだ』と気持ちを切り替えることができた一言です」

まさに言葉は「おまじない」のようだという山本さん。

「健康、感性、見ために年齢を感じて落ち込んでしまうときには、その都度、この言葉を励みにして、自分を引き上げるようにしています。自分のなかの〝嫌〟を〝好き〟に変えてくれる、『おまじない』ですね」踏み出したから、今があります」

それ以来、ハードルが高いな、自分なんて、と思いそうになったときに、この言葉を思い出して、背中を押してもらっているといいます。

「言葉には命があると思っています。発した瞬間から、いい言葉はいい方に働き、ネガティブな言葉はそのように何かしらの影響を与えてしまう存在なのではないでしょうか」

お母さまの前向きな一言は香菜子さんにとって一生の宝物といえそうです。

“花の後は実をつける”

ヘアメイク 山本浩未さん

ヘアメイクアーティスト。 実践的で気持ちまで明るくなれるメイクテクニックを発信。インスタでの「毎日BEAUTY LIVE」が好評。新著に『60歳ひとりぐらし 毎日たのしい理由』(小学館)。

落ち込んだときにはこの言葉で気持ちを切り替えます
―川﨑 淳与(あつよ)さんの言葉―

山本さんが挙げてくれたのは、人生の大先輩である川﨑敦与さんの著書『80代の今が最高と言える』にかかれたこの考え方。

「子育てが終わった61歳で『ギャルリーワッツ』を開いた川﨑さん。ギャラリーで若手アーチストを発掘したり応援したり、自身もおしゃれを楽しみながら充実した日々を送っていたけれど、80歳になって花の時代は終わってしまった、と落ち込んでいたら、ご主人からかけられた『花の後は実をつけるんだよ』という言葉に新たな光を見出したのだそうです。

ちょうどコロナ禍で、年齢的にも今後に自信が持てなくなっていたときに、この言葉に出合いました。60歳を迎えるにあたり、『そうだ! これから実をつけるんだ』と気持ちを切り替えることができた一言です」

まさに言葉は「おまじない」のようだという山本さん。

「健康、感性、見ために年齢を感じて落ち込んでしまうときには、その都度、この言葉を励みにして、自分を引き上げるようにしています。自分のなかの〝嫌〟を〝好き〟に変えてくれる、『おまじない』ですね」

『80代の今が最高と言える』 川﨑淳与 (主婦の友社)

illustration: Yumi Kimura text: Keiko Nakayama
 
大人のおしゃれ手帖2024年9月号より抜粋
※画像・文章の無断転載はご遠慮ください

この記事を書いた人

大人のおしゃれ手帖編集部

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