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個性って何?に向き合う。今の時代にあったメイクの自己表現とは【美と心の星サプリ 第2回・後編】

  • 2024.10.2

デジタル時代にメイクが“自分軸”に変わる理由

yuji(以下y) SNSの普及やデジタルの進化で、昔とメイクのメソッドや考え方が変化していたりすることはありますか?

MICHIRU(以下M) 動画やSNSなど、デジタルデバイスを通じたメイクは、 リアルで見るときよりもより生っぽさが出るんです。例えばベースメイクの場合、さらにしっかりとカバーすることが求められます。肉眼で見ると、ちょっと厚塗りに見えるくらいのパーフェクトスキンのほうが動画映えするんですよね。モニターを通すと、クマなどのネガティブな要素が出てきてしまうので、フルカバレッジで作り込むことが多いです。

y スマートフォンのアプリで顔写真を加工することももはや普通になり、“加工前提”のメイクという考え方もありそう。パンデミックの際にオンラインを通じたコミュニケーションが増えて、画面で自分の顔を見るようになり、もしかすると人類史上で“自分の顔を見る”時間が最も長いのが今なのかも。自分の顔と向き合う時間が増えたことで、メイクや顔の捉え方にも変化はあるものでしょうか。

M 多面的な自分を意識するようになり、より自己表現の振り幅が広がったような感覚がありますね。自分に向き合う時間が増えると「自分の個性ってなに?」と考えることが増える傾向に。自分と向き合うことでメイクがレスになっていく人もいれば、もう少し遊びたいと思えば逆にアイラインを強調するなど挑戦するメイクをするようになる人もいたり。

y おそらく、今までは主に社会軸で自分のことを捉えていたのが、より自分軸になってきたのかもしれませんね。自分軸というアンダーラインが引かれることで、自分がどうしたいのか、どうなりたいのか、ということがよりはっきりしてきたように感じます。

リアルとデジタルを行き来。別ペルソナで「自我は変容する」

y 最近は、もはやバーチャルな個性をよしとするムードも。星の配置からも、「別ペルソナを作っていく」流れはあります。僕の例で言うなら、毎日SNSやWEBで発信をしているのですが、それを生成AIで読み込ませて「bot」を作ってしまえば、フィジカルの僕がいなくなったとしても、永遠に発信し続ける……と言うようなことすら起きてしまう。普段の仕事とは別に、SNSで別のペルソナがあって、まったく違う活動をするという人もいると思います。バーチャルな感覚が強い人の場合、デジタルのほうが自己に侵食をしてきて、エゴを超えた状態というか、“もともとの自分”がわからなくなってくるような状態もあり得ますね。良し悪しというよりは、そういう人が増えることで、世の中が今後どのように変わっていくのか興味があります。メイクも、ずっとやり続けていたら、それが「自分」になっていく。つまり、「自我は変容する」のではないかと。

M そう思います。実際、メイクや装いでマインドはかなり変わりますよね。ちょっと今日はアグレッシブな自分になろうと思ったら、キリッとしたメイクにしたり、ブラックを着てみたり。逆にちょっと可愛くなりたいな、と思ったら彩度の高いカラーを手に取ってみたり。ただ、毎日違う自分を演じていると、本当の自分とは?と考えるシーンもあるかもしれません。そもそも人の個性って一体どこにあると思いますか?

我々の個性は「性質×環境×星」で決まる

y 星読みとしては、“星が個性です”と言いたいところではありますが、僕が思うに、まずは生育環境や、今いる環境が形作るものだと思っています。生まれたときの性質があって、そこに環境や星が影響することでケミストリーが生まれるというイメージですね。だから、例えば乱れた部屋を目にしたとき、水星が乙女座にある人は「キレイに整えたい!」と思うだろうし、魚座の人は「このカオスな空間から何かが生まれるかも?」と思ったり。僕の経験上、その人が持つ星の性質から大きく外れると是正されるんです。戻される、というか。自分では、“なんでも自分で決めている”と思っていたとしても、実際は星の影響下にあって、その人の適正領域に必ず召喚されると考えています。

M 確かに、物事がスムーズにいくときは流れに乗っているな、と思うんです。でも何かしら障害があるときは、なんだか違うな、と。あとでyujiさんの言葉を聞いて、いつも「答え合わせ」みたいな感じがありますね。

「宇宙の采配」にあわせるとより生きやすくなる

y 星の持つ領域から逃れてもいいけれど、僕としては、「とてもハードだけど本当にやりたい?」と聞きたくなります。自身に適した領域に乗ってしまったほうが楽だし、結果も出るし、周りの人も喜ぶので、そういう意味では星を知ると“生きやすさ”という観点ではメリットがあるんですよね。自分がやりたいからといって、無理してやると血圧が上がって、交感神経が優位になって、血管にもダメージが出て……とネガティブな影響が出てしまいますし。「宇宙の采配」ではないですが、自然に流れていくほうがいいですよ。人は誰しもひとりでは生きていけなくて、たとえ山奥で孤独な仙人生活を送っていたとしても、結局は山から流れてきた水を飲んでいたりして、何かしら周りからの影響や恩恵を受けているものなので。「個」ではなく「集」を意識するほうがスムーズに物事が進むんです。

M 私自身も、「土の時代」のときは、100%以上頑張りすぎていた気がしていて。今は「風の時代」になってマインドが変わり、エゴを外していって、調和に意識を向けるようになりました。力が抜けて、本当に快適です。

個性を表現して“みんなで上手くいく”時代へ

y この3年くらいで土の時代の“負債”が来ているので、2023年から2025年にかけては浄化のフェーズ。“ひとりで頑張る“から、より視座を高め、上からの視点で見たときの調和を大切にしていくようなマインドへシフトチェンジするのがいいんです。たとえば色鉛筆がたくさん入ったパレットって、ひとつの色が際立って目立つというよりは、さまざまな色が入っていて、全体的な美しさがありますよね。個々がそれぞれの“自分の色”を出していくことが、結果的に全体がスムーズにいく秘訣に。トレンドやファッションの力を借りて自己表現し、周りとスムーズにやっていくほうがよりよい結果が得られると思います。

M メイクもその一助になりますね。私自身も日々メンテナンスやリトリートなどを行っているのですが、改めて、これまでの“負債”をクリアにすることが大切なんだとyujiさんと話していて感じました。

Profile

yuji

星読み係、ヒーラー。 香川県高松市生まれ。18歳でイタリアに渡り、現地大学院卒業。ミラノにてプロダクトデザイン事務所に勤務するも、ヒーラーとしての宿命に抗えず拠点を東京に移し、ヒーラーとして活動する決心。現在は書籍執筆、連載、講演などで活躍する一方、毎日星読みを行い、星々からのメッセージをSNSにて発信している。https://youtube.com/@yuji-universe

MICHIRU

メイクアップ・アーティスト、ビューティーディレクター。仏、米を拠点に活動ののち帰国。雑誌や広告、セレブリティのメイクアップに加え、コスメブランドのディレクターやアドバイザーとしても活動。ホリスティックビューティーへの造詣が深く、その人自身の魅力を引き出すメイクの技術で多くの支持を集める。最近ではインド占星術を勉強中。

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