1. トップ
  2. おでかけ
  3. 人生のターニングポイントの旅。忘れられない景色を今も求めて

人生のターニングポイントの旅。忘れられない景色を今も求めて

  • 2024.10.2

海外への憧れが強く、旅に出るために親を説得する材料を探していた19歳の夏。

1人で海外旅に行くことを、心配性な母は許してくれないとわかっていたので、NPO法人のボランティア活動や海外ツアーなど、いろいろなサイトを見比べて睨めっこしていました。

「ボランティアやツアーもいいけれど、自分が行きたい旅のカタチとはなにかが違う」

そんなときに見つけたサイトが、1人旅育成企画「タビイク」でした。

『1週間の旅の練習から、バックパッカーを目指しませんか?』

その言葉に惹かれ、後悔したくない思いから参加を決意しました。帰国直後からコロナが蔓延し始めたので、あのとき参加を決めて本当によかったと心から思っています。

タビイクとは

2日目にカオサン通りを歩いている様子

現地の空港で「はじめまして」の出会いからスタートし、1週間後には解散して各々1人旅へ旅立つ現地集合・現地解散の超実践型。

1人でも海外を自由に旅できる、バックパッカーになることを目的に開催されています。

解散までは引率の人のサポートがつき、旅仲間が複数人いるので安心して旅を楽しむことができます。

私は、タイとカンボジア2カ国訪れる年越しプランを選びました。

不安とワクワクが入り混じった準備期間

1年ぶりに使うパスポートにドキドキ

「航空券はどこで取ったらいいの?」「バックパックはどの容量のものを買ったらいいんだろう?」

初めての経験の連続に対するワクワクと、失敗に対する不安と緊張が入り混じった気持ちで出発までの期間を過ごしました。

そして迎えた当日、乗るはずだった電車の出発時刻に起床し、大慌てでタクシーを呼んで空港を走り回る波瀾万丈な旅の幕開けです。

旅中に得たもの

人生で初めて年越しを海外で過ごしましたが、日本の落ち着いた雰囲気とは違うにぎやかな空間にワクワクが止まりませんでした。そして1週間過ごしてみて、参加して得たものが大きく3つあります。

海外を1人旅できるという自信

カンボジアでずっとお世話になった友だちに連れ回してもらう成長っぷり

国内線の飛行機のチケットも取ったことがなかった私が、この旅で初めて1人で海外のチケットを取りました。

行きは台湾でのトランジット便だったため、空港に降り立ちますが、どこに行けばいいのかわからず、危うく入国しそうになったり。

初日は深夜に集合したため、そのまま空港泊して窃盗に怯えながら眠りについたり。

初めての経験が起こるたび、そのできごとを乗り越えるたびに経験値がついて、「自分って意外とできるんだ」と自信へとつながっていきました。

自信がついたおかげで1週間後の現地解散の後は、現地人の友だちに連れ回してもらう行く前では考えられない成長をとげました。

ありのままの自分でいられた旅仲間

カンボジアのトンレサップ湖にて船の上でくつろぐ様子

日本全国から、旅好きの仲間が集まることがこの企画の醍醐味です。

場所も年齢も生き方も違う、はじめましての出会い。旅する中で、深夜に集まってひまわりの種をつまみに、将来を語り合う友だちができるなんて思ってもみませんでした。

そんな仲間との出会いは、"一生の宝物"です。

旅で出会う人とは不思議なもので、普段関わる友だちには見せないような、ありのままの自分をさらけ出せる瞬間があります。その瞬間が最高に心地いい。

旅が終わったあとも、一緒に旅に出たり飲みに行ったりと交流が続いています。

異なる文化や価値観との出会い

湖上の船で生活する人もいる日本との文化の違いを知る

新しい文化や価値観との出会いにより、生き方の選択肢が広がります。

生きる国が違うと、働き方も生き方も十人十色。改めて、自分自身を見つめ直すきっかけになりました。

私は今でも、タイでよくしてくれたタクシー運転手のおじさんの言葉が忘れられません。

「私たちはお金がないから気軽に旅行に行くことができない。家族を養うのに精一杯だ。私はあなたたちが羨ましい。」

その言葉を聞いたとき、いま自分が生きている日本という国がどれだけ恵まれているのか。日本の素晴らしさと海外とのギャップを痛感したできごとでした。

帰国後、自分になにかできることはないか考え、海外で日本語を教えることができる日本語教師になりたいとその道に進みはじめました。

成長と、忘れられない景色の記憶

晴れてバックパッカーの仲間入り。海外で1人でも過ごすことができた事実と新しい生き方の選択肢を得ることができた、非常に濃い旅の期間を過ごすことができました。

旅にハマった、まさに人生のターニングポイントです。

バンコクのザ・ワン・ラチャダー(旧ラチャダー鉄道市場)

色とりどりのテントが美しいこの景色ですが、コロナ禍の影響で今では真っ白なテントに規模も縮小されてしまっています。

「いつか見にいこう」「また行けたらいいな」

そんないつかの願いは、叶わなくなってしまうような時代になってしまいました。

人間いつ死ぬかわからない、いつ同じ景色が見られなくなるかわからないからこそ。

いつかじゃない、いま行かなきゃ。

もう一度見たい景色を見に旅へ出かけませんか。

この記事を読んで、皆さんが再訪の旅に足を運んでくれると嬉しく思います。

All photos by Haruka Nakamura

元記事で読む
の記事をもっとみる