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焼き菓子ラバー全員集合! フランス伝統菓子の新店が【京都】に誕生!

  • 2024.10.2

本日の一品 > Un Son Doux pâtisserie(アンソンドゥ パティスリー)の「ヴィジタンディーヌ」(京都・御所南)

フードエディター&ライターの船井香緒里さんが「おすすめをあげたらきりがありません!」と大絶賛するのが、今年の6月、京都に誕生したフランス地方菓子とビーン・トゥ・バーチョコレートの専門店。フランスの伝統菓子が好きなら、足しげく通いたくなること間違いなしの品揃えとクオリティです。

( Index )

  1. 「フランスの地方菓子好きにはたまらないラインナップです!」(船井香緒里さん)
  2. 編集部の「これも食べたい!」

【水曜15時のあまいもん】とは?
関西の食に精通するライター、エディター、フォトグラファーなど“取材のプロ”たちが、ほんとは教えたくない関西の「推しおやつ」を、和洋問わずレコメンド。確かな目利きで選んだあまいもんは、どれもわざわざ足を運んで大正解の、ハズレなしのおいしさです。

「フランスの地方菓子好きにはたまらないラインナップです!」(船井香緒里さん)

Un Son Doux pâtisserie(アンソンドゥ パティスリー)の「ヴィジタンディーヌ」

焦がしバターとアーモンド粉をふんだんに使うところは同じながら、卵白を泡立てずに混ぜ合わせるフィナンシェに対し、ヴィジタンディーヌは泡立てたものを一部、使います。そのため、少しふわっとした食感を感じるのが特徴。1個 360円

「ビスキュイ ド サヴォワ、ガレット ナンテ、ミルリトン……。カウンターにはフランスの地方菓子好きにたまらないラインナップが並びます。特に印象的だったのが、ヴィジタンディーヌ。ギリギリまで焼き込んだ深みのある色目とエッジの美しさ! かむほどに粗めに挽いたアーモンドの香ばしさと、焼き込んで生まれたバターの香ばしさが押し寄せてきます」(船井香緒里さん)

Un Son Doux pâtisserie(アンソンドゥ パティスリー)は、オープン3か月にして、早くも関西在住のフランス菓子好きをとりこにしているフランス地方菓子とビーン・トゥ・バーの専門店です。

店主は、フランス菓子界の重鎮・河田勝彦オーナーシェフの名店「オーボンヴュータン」で5年間、腕を磨いた清水孝志さん。その後、河田シェフのすすめで、伝統菓子が生まれた気候風土や文化的背景を体感すべく、フランス・サヴォワ地方のパティスリーで1年間修業。帰国後は、日本のビーン・トゥ・バーの草分け的存在「ミニマル」でチョコレート作りを学んだ後、同店を構えました。

深い焼き色の伝統菓子やクロワッサン、ショーソン オー ポムなどのヴィエノワズリー、そしてビーン・トゥ・バーチョコレートが並ぶカウンター。左手にはスタンディングのバーがあり、ショコラ ショーなどドリンクも楽しめます。

これまで学んできたフランスの伝統菓子を、日本で手に入る食材とその気候風土の中で、いかにおいしく作るかに心を砕いているという清水さん。フィナンシェの原型とされるロレーヌ地方の菓子ヴィジタンディーヌは、その特徴である卵白の泡立て方やアーモンド粉の挽き方を大切に、かみ締めるごとに味わいが深まる生地に仕立てています。

看板メニューのひとつ「ビスキュイ ド サヴォワ」は、ホールではなくカットサイズで1切れから購入できるのもうれしいところです。1カット310円。

編集部の「これも食べたい!」

ミルリトン

「ミルリトン」は、ミルリトン・ダミアンと呼ばれるピカルディー地方の街アミアンに伝わる伝統菓子。1個430円

そして、愛らしい見た目に心つかまれたのが、ミルリトン。ノルマンディー地方のものではなく、ピカルディー地方に伝わるミルリトン・ダミアンで、ヴィジタンディーヌと並ぶ船井さんのおすすめ。「あえて低めの温度で焼き上げて生まれた、アーモンドクリームのしっとりとした舌触りと、際立つコクが印象に残ります」。

ヴィジタンディーヌ同様、市販のアーモンドパウダーは使わず、香りのいいスペイン産のマルコナ種アーモンドをホールのまま仕入れて、粗めに挽くところから手がけており、そこに杏のコンポートで甘酸っぱさをプラスしています。

2種のビーン・トゥ・バーチョコレートが食べ比べできるひと口サイズの「タブレットショコラプチ」各950円。写真奥がガーナ産、手前がペルー産のカカオ豆を使用。

また、カカオ豆から作るところにひかれ、東京・富ヶ谷の「ミニマル」でビーン・トゥ・バーチョコレートの製法を学んだという清水さん。大がかりな機械は導入せず、オーブンでカカオ豆を焙煎するなど工夫を凝らして、自家製のチョコレートを製造。焼き菓子に使うものもすべて自家製を使っています。

タブレットは、ガーナ産はギリギリまで焙煎して香ばしさを、ペルー産は浅めの焙煎で酸味をと、豆の個性を最大限に引き出していて食べ比べると味の違いが歴然! カウンターでは、自家製チョコレートを使ったドリンクを楽しむこともできます。

教えてくれた人 船井香緒里/Kaori Funai

大阪在住のフードエディター。『あまから手帖』『dancyu』『BRUTUS』などの雑誌で食企画の編集やライティングを行うほか、Webコンテンツの編集も。スイーツとお酒、おいしいものをこよなく愛し、週末のジョギングとロードバイクで健康維持。

DATA

Un Son Doux pâtisserie(アンソンドゥ パティスリー)
京都府京都市中京区麸屋町通二条上る布袋屋町495-1
営業時間 8:00~18:00
定休日 日、月(その他不定休あり)
https://www.instagram.com/unsondoux_patisserie

\from Editor/
いわゆるパティスリーらしい店構えを想像していると、通り過ぎてしまうかもしれません。店内もしかり。色とりどりのプティガトーが並ぶ冷蔵ケースはないけれど、ほかではあまり見かけない深い焼き色の地方菓子にギュッと心をつかまれ、気づくと、あれもこれもと買ってしまう。そんな魅力のあるパティスリーでした。
※最新の情報は各店舗・施設にお問い合わせください。

写真/吉村規子 文/齋藤優子 企画・編集/吉村セイラ

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