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所ジョージ、35周年を迎える『所さんの目がテン!』への思いを語る「自分が笑えているうちは続けたいと思うし、やりますよ」

  • 2024.10.2
「所さんの目がテン!」35周年を迎える所ジョージ (C)日テレ
「所さんの目がテン!」35周年を迎える所ジョージ (C)日テレ

【写真】所ジョージ、番組が愛される理由を考える「気負って見なくていい」

1989年の放送開始から、今年で35周年を迎える「所さんの目がテン!」(日本テレビ系)。身近なテーマを科学の視点からアプローチする教育番組で、2015年から始まった「かがくの里」(科学者の専門的知見と地域住民の協力で里山を再生させる長期実験企画)では、環境省が主催する「グッドライフアワード」で実行委員会特別賞を3度受賞するなど高い評価を得ている。今回、MCを務める所ジョージが35年に及ぶ番組への思いを語ってくれた。

「面白いことがあるんじゃないか」と思って、日々生きている

――35周年ということで、今のお気持ちを教えてください。

長い間、日テレで仕事をしているなと思いますよ。「目がテン!」もそうだけど、「1億人の大質問!?笑ってコラえて!」や、「世界まる見え!テレビ特捜部」もね。だから、一時期は「俺って、日テレ!」って言っているときがありました(笑)。

――35年はあっという間でしたか?

自分のことは振り返らないんでね。今回のように何かきっかけがあれば振り返るけど、私は「今日は何か面白いことがあるんじゃないか」と思って日々を生きているので、基本的に振り返ることはしないですね。

おいしいものを食べられたらな」くらいの感覚で始まった企画

――10年の歴史がある「かがくの里」など、番組内で印象に残っている企画はありますか?

「かがくの里」で、オシドリの卵をヘビ(アオダイショウ)が食べちゃったことがあったよね?(2021年9月5日放送・1590回)でも、そういうのも自然なことで、ヘビにも暮らしがあるからね。

私としては秋に収穫祭をして「おいしいものを食べられたらな」というくらいの感覚で始まった企画だったけど、だんだんあそこ(茨城県の荒れ地となっていた土地)が循環してよくなっていって。最初から計画を立ててやっていたわけではないので、それはよかったなと思います。

あと、(絶滅危惧種とされる)ニホンウナギのメスが生まれたときは、もっとニュースになってもよかったんじゃないかな(編集部注:一般的な養殖場ではウナギの99%がオスなってしまうが、「かがくの里」で行った「ウナギの粗放養殖」では6匹のサンプル中5匹がメスであることが判明した)。あれも自然に近い状態でやったからこそ、出た結果だよね。

愛されてきた理由は「気負って見なくていい」

――35年前に「目がテン!」の企画を聞いたときに思ったことを教えてください。

35年前かぁ。この番組以前に同じ日テレで「おはよう!サタデーOMOTAME情報局」という番組(1980~1981年)をやっていたことはあるんですけど、当時は深夜枠やゴールデン帯の番組が多かったので、朝の時間帯の番組をやることに興味がありました。

あと、科学をテーマにした番組なので、自分としても勉強になるのでね。ただ、35年も続くと、スタッフも慣れたもので、私が何を言っても聞き流してる(笑)。

――この番組が35年も愛されてきた理由はどこにあると思いますか?

やっぱり、朝7時放送という時間帯もあるんじゃないかな。皆さんがまだ朝起きて目がボーッとしている時間だし、朝ごはんを作る水道の音にテレビの音声がかき消されているというか。それぐらいの時間での放送がちょうどよかったんだと思います。

でも、放送している内容は、毎回、間違いなくいい情報で。そんなに気負って見なくてもいいし、ちょっと耳に入ってきた情報が皆さんの中に残る。それが35年も続いた理由なのかなと思うし、皆さんにとっても日曜朝のレギュラー的な感じになっているのかなとも思います。

決められたものを話すだけだと、つまらない

――所さんの冠番組はいずれも長寿番組になっています。以前、何かのインタビューで、その秘訣について「話題になることはしないし、突飛なことも扱わない」と話されていました。

スタンダードなね。そのときのニュース性のあるものにしがみついてしまうと、そのニュースと一緒に終わっていくみたいな。だから、スタンダードな疑問みたいなものが続くといいなと思っていて、それは今も変わってないですね。

――今日の番組収録を拝見していると、所さんはほとんどカンペをご覧になられていない感じがしました。そこにも理由が?

放送作家が書いたものに従いたくないだけなんだと思うけど(笑)。どうしても言わないといけないことがあるときには助かるけど、私は1時間でも2時間でも世間話ができますから。だから、決められたものを話すだけだと、自分自身がつまらなく感じちゃうんですよね。

「所さんの世田谷ベース」(BSフジ)の撮影のときなんて、事前の打合せなんて一切ないから、カメラマンが「今日は何をやるんですか?」と聞いてくるぐらいで。なので、テーマだけいただけたら、いくらでもしゃべりますよ(笑)。

かがくの里は「“ワクワク”が増している」

――「目がテン!」は教養番組ということで、小中学生が現場で実験を行うこともありますが、印象に残っていることはありますか?

普段は大人たちだけで収録しているけど、実際に子どもたちがスタジオに来て実験をやっていると、子どもたちの表情や反応を間近で見られるので、たまにはいいなと。これが毎週になると、彼らも慣れてくると思うので、「うるさい」と思うでしょうね(笑)。

でも、小中学生がやった実験に驚かされることもあって。だから「(実験結果に)そうなるんだ!」と思って、いつもワクワクさせてもらっています。

――所さんにとって、やはり“ワクワク感”が一番大事?

それは「かがくの里」も同じですね。最初はあそこまで行くのは「面倒くさい」と思っていたから(笑)。でも、今は「行きたい」と思うようになっていて、自分の中の“ワクワク”が増しているんでしょうね。

でも、それは自分が「頑張ってやってきた」というのとは違って、「かがくの里」を支えてくださった地域の皆さんの協力があってこそ、ですから。

――刺激を受けたところもありましたか?

もちろん。それはこの番組だけでなく、(放送局に関係なく)全ての番組で刺激を受けているし、楽しいですね。そもそも僕はテレビ局に来るのが好きで楽しいんですよ。なので、自分が緊張するのは自分の家に帰るとき。娘の目線とか、親としての立場となったときに、一番緊張します(笑)。

スタッフの執念がいつも「スゴイ」

――逆に、「目がテン!」内で「これは?」と思った企画はありますか?

毎回、最後にスタッフが考えたみたいな料理を出してくるんですよ。これが本当に毎回、 絶望的においしくないし、マズイ! 調理過程を見ているから、「余計なことはするなよな」と思うんだけど、いつも余計なことをするんですよね(笑)。

だから、「納豆」の回(2007年1月28日放送・第867回)があったと思うけど、あれぐらいシンプルでいいんですよ。でも、それでも懲りずにチャレンジしてくるから、スタッフの執念がいつも「スゴイなぁ」と思っています(笑)。

――「所さんの目がテン!」は今年で35周年。所さんの中で、この番組はどういう存在になっていますか?

収録スタジオに行く曜日や時間が同じなら、そこから帰る時間もほぼ同じで。ほかの番組もそうなんですけど、このスタジオに通うのは、生活みたいになっています。

そのうえで、私は自分で車を運転してくるので、ここの駐車場のガードマンさんとも仲良くなって。季節のものをいただいたりするので、こちらも何かお返しをしたりとか。番組以外でも仲良くさせていただいています(笑)。

――「目がテン!」の今後については?

それこそ、こういう機会があるから35周年について振り返るけど、さすがに自分の調子が悪くなったら辞めますよ。息も絶え絶えでやりたくないないですからね。でも、自分が笑えているうちは続けたいと思うし、やりますよ。

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