歌手でタレントの「ミキティ」こと藤本美貴さん。2009年に結婚し、現在は3児のママ。自身のYouTubeチャンネル「ハロー!ミキティ」の人生相談では的確かつ愛のある回答が人気を集めています。YouTubeで藤本さんが話してきたことをまとめた書籍「ミキティ語録」が発売。「鋼のメンタル」とも称される藤本さんに、メンタルの強さと前向きになれるヒントを聞きました。
――「前向きだな」と自覚したのは?
元々「私、鋼かも…」と思っていましたが、はっきり自覚したのはYouTubeを始めてからです。YouTubeの人生相談にはいろいろな相談が届きます。みんないろいろなことで悩んでいるんだなと。私はネガティブなことを言われても、「そういう意見もあるんだ」となんとも思いません。
あと、自分が前向きか、自己肯定感が高いか低いかなんて考えたことがないです。私はただ、普通に生きてきただけなんです。
――悩むことはないのですか?
自分のことではまず悩みません。なぜなら、自分が行動すればいい話だからです。問題が起こったなら、じゃあどうすればこの問題に対応できるのか、答えを選択していくだけです。
私が悩むのは子どものことですね。私としては「こうすればいいのに」と思うけど、判断するのは子ども自身なので。子どものことで悩んだときの解決策としては、庄司(庄司智春)さんに相談します。「こんなこと言ってたんだけど、どう思う?」って。
――藤本さんも共働きですが、家事や育児の分担は?
私たちは少し特殊な仕事なので、一般的ではないかもしれませんが…やるしかないというのがベースです。私たちの仕事には代わりがいないので、「この日は仕事だからお願いね」と。それは夫婦で同じ認識です。
そもそもですが、家事・育児に平等なんてない!と思っています。なぜなら、仕事の状況、体調がそのときそのときで違うからです。「私ばっかり」とか「平等じゃない」とか思っていないで、「私はこうしたい」と話し合ってみるのがいいんじゃないかと思います。話さないと伝わりません。
――働きながら子育てをすることに風あたりが強いと感じたときは?
「あきらめる」じゃないでしょうか。会社とは(時短勤務など)そういう契約だし、時間内に仕事を終わらせて定時に帰るだけなのに、「子持ち様」なんて言われたら嫌な気持ちになるのも分かります。でも、そう思っても仕方ないですよね。そう言われたところで、子持ちであることは変わらないし、変えられない。気にすることなんてないと思います。
ただ、子どもの急病などで仕事をフォローしてもらったら「ありがとうございました」「昨日はすみませんでした」と言う。急に休むこともあるから、日ごろからやれることはやっておく。これでいいと思います。きちんと仕事をしていれば文句を言われる筋合いはないです。まして、人の言葉に悩んだり、落ち込んだりする必要ないです。
――書籍「ミキティ語録」はどんな人向けですか?
くよくよ悩んでしまう人、前に進みたいけれど一歩が出ない人に読んでもらいたいです。現実をどう進んでいくか、変わらない現実にどう向き合うか、周りとどう調整するか、自分にはなにができるのか。「子持ち様」問題にしても、自分で変えられないことに悩んでいるより、前に進むための一歩を探した方が解決が早いです。
私の言葉が、その一歩を見つけるヒントになってくれればうれしいです。
■人生を楽しむ105の言葉「ミキティ語録」
「ミキティ語録」 著:藤本美貴/CCCメディアハウス
「毎回、すっきりした気持ちになる!」
「ミキティの考え方が好き」
「私も心に『小さいミキティ』を飼います!」
いまや「鋼のメンタル」と称されるミキティの、リアルな言葉たち。
「私は前しか見てないです。でも、『後ろ向きはダメだ』とは全然思わない。とにかく一生懸命生きる。前だって後ろだって、どっちだっていいんじゃないかな。
とにかく生きる。今日を無事に終わらせる。目をつぶったら、明日が来るんです。すぐ、来るから。」──本文より
恋愛、仕事、夫婦、子育て、人間関係……経験に基づいたミキティの言葉は、しっかり背中を押してくれます。
元気なときはもちろん、悩んでいるとき、疲れたとき、落ち込んだときこそ手に取りたくなる1冊です。
PROFILE
藤本美貴さん 1985年、北海道生まれ。歌手、タレント。2003年3月ソロデビュー後、「モーニング娘。」6期メンバーとして在籍。2009年に庄司智春さんと結婚。YouTube「ハロー!ミキティ」はチャンネル登録者数86万人を超えている。
取材・文/シティリビング編集部 写真提供/ジャストプロ