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朝ドラおむすび、史上最速・ヒロインの水落ちとメタ台詞のワケ

  • 2024.10.1

9月30日から、連続テレビ小説第111作『おむすび』(NHK総合ほか)が放送スタートした。本作は「どんな困難も明るくたくましく乗り越える」をモットーとする主人公・米田結がギャル文化と出会い、やがて人々の健康を支える栄養士となって、目には見えない大切な「縁・人・時代」をむすんでいく「平成青春グラフィティ」だ。

『おむすび』第1回より、自転車で通学するヒロイン・米田結(橋本環奈)(C)NHK

本日放送された第1回で、朝ドラヒロインのお約束となっている「水落ち」と「タイトルコール」が早くも登場した。おそらくこれは「朝ドラ史上最速」ではないだろうか。「タイトルコール」については、結が学校に出かけていく際、ダイニングテーブルの上の塩むすびを見つけ、「あ、おむすび!」という台詞を発して、O P前、開始3分という記録を達成した。この理由について、制作統括の宇佐川隆史さんに訊いた。

■ 史上最速、開始3分のタイトルコールは朝ドラへの「ラブレター」

宇佐川さんは、「(水落ちとタイトルコールを第1回に)『入れたくて入れただろう』と言われれば、その通りなんです。そのあたりも、ツッコミを入れていただきつつ楽しんでいただければと。私と脚本家の根本ノンジさんは朝ドラが大好きなんです。その朝ドラへのラブレターみたいなもの、と言いましょうか。私たちが朝ドラを作るならば、当然お約束は入れるでしょうと。『そうなるんだったらもう、いちばん最初に見てもらおうじゃないか』という思いが裏側にはありました」と語る。

『おむすび』第1回より、米田家の朝食風景。写真奥左から、父・聖人(北村有起哉)、祖父・永 吉(松平健)、結(橋本環奈)(C)NHK

■「結がなぜ、つい人を助けてしまうのか」はドラマのテーマとリンク

また第1回では、小さな男の子が大事な帽子を海に落としてしまい、それを見た結がとっさに海に飛び込んで拾い、「うちは朝ドラのヒロインか?!」というメタなツッコミモノローグも登場した。

この展開について宇佐川さんは、「あまりに唐突に来るので笑ってしまうかもしれませんが、結がなぜ、つい人を助けてしまうのか、というところは、これからの物語に深く関わってきますし、このドラマのテーマともリンクしています。これから結が重ねていくさまざまな経験が、栄養士を目指すことに結びついていきます」とコメント。

続けて、「今回『オリジナルで現代もの』、そして震災を描くということで、覚悟を持って作っています。まだ手触りの残る平成という時代を描くことで、ハレーションが起こるかもしれませんが、『朝ドラって、いろんな物語が見られるんだ』という可能性を広げていくことができればと思っています。出演者、スタッフ一同、全力で頑張ります」と本作への思いを語った。

これから結がどんな人生を歩んでいくのか、見守りたい。

取材・文/佐野華英

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