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J2いわきFCは悔しいスコアレスドロー…。得点王争いのいわきFW谷村海那は「いまのままじゃプレーオフは行けない」と仲間に奮起を求める

  • 2024.10.1
J2いわきFCは悔しいスコアレスドロー…。得点王争いのいわきFW谷村海那は「いまのままじゃプレーオフは行けない」と仲間に奮起を求める
J2いわきFCは悔しいスコアレスドロー…。得点王争いのいわきFW谷村海那は「いまのままじゃプレーオフは行けない」と仲間に奮起を求める

Text by 高橋アオ

[J2第33節いわきFC 0-0 栃木SC、9月29日福島・ハワイアンズスタジアムいわき]

チーム初のJ1昇格プレーオフ(PO)進出を目指すいわきにとって手痛いスコアレスドローとなった。ゲームは前半から栃木の素早いプレスからカウンターで押し込まれ、ロングスローやセットプレーから被シュート9本を受けた。後半はいわきが主導権を握るシーンもあったが、先制点は遠かった。

得点王争いの谷村に指揮官がかけた言葉とは

「自分が決めれば勝てたんじゃないですかね…」

今季リーグ戦17ゴールで得点ランキング2位のFW谷村海那は表情を曇らせていた。この日両チーム最多のシュート3本を打つなどチームの攻撃をけん引したが、相手の激しいマークや素早いリトリート(守る選手が守備位置に戻るプレー)でゴールを阻まれた。

栃木の小林伸二監督は谷村らいわきアタッカーの決定力を警戒しており、誰が守備時にチャレンジに行くのか明確にして守るトレーニングに励んで対策を取っていた。「(谷村は)能力が高くて相当点を取っていますけど、うまく防げたんじゃないか」といわきの攻撃陣を完封してみせた。

21ゴールで得点ランキングトップを走るジェフユナイテッド千葉FW小森飛絢(ひいろ)と得点王争いをしているが、谷村は3試合ゴールが遠ざかっている状況だ。いわきの田村雄三監督はチームトップスコアラーにある言葉をかけた。

「(前節)小森選手がハットトリックをして(得点ランキングの)順位が変わった瞬間に、彼に『焦る必要はないぞ。力を抜いてやったらいいよ』と連絡しました。PKを蹴る選手を私が指名しているので、『もしPKを蹴りたかったら俺に言ってこい』と言ったら、『PKは蹴らないです。そこはプライドが許さないです』と言ったので彼もそういう気でいます」とやり取りを明かした。

J2いわきFCは悔しいスコアレスドロー…。得点王争いのいわきFW谷村海那は「いまのままじゃプレーオフは行けない」と仲間に奮起を求める
J2いわきFCは悔しいスコアレスドロー…。得点王争いのいわきFW谷村海那は「いまのままじゃプレーオフは行けない」と仲間に奮起を求める

この日もいつも通り勇猛果敢にゴール前へと攻め込んだ谷村。時折泥臭く守備を献身的にこなしながら、チームが設定するタスクをサボらない。勝利にも、得点にもどん欲な背番号17の信頼は揺るぎないものだ。

「もしかしたらきょうも力んでいたかもしれないですけど、(得点王を)取れるかなと思っています。十分結果を残しているし、J2の中で名前も知れたし、みんなが注目する選手だと思う。それは事実だから、力を抜いてくれるようにと会話しました」とエースストライカーに信頼を寄せた。

いまのままじゃプレーオフは行けない…

ただいわきの点取り屋は自身のスコアより、チームの勝利を渇望している。ゲームキャプテンを任されている選手としての責任感は強い。

「フォワードが(ゴールを)決めなきゃ勝てないことは分かりますけど、俺は17点、有馬(幸太郎)は10点に近いです。チームが俺と有馬頼りでは勝てない。マークも付いてきますし、周りが点を取ってくれるチームにならないと勝てないのかなと思います」と仲間に奮起を促した。

J2いわきFCは悔しいスコアレスドロー…。得点王争いのいわきFW谷村海那は「いまのままじゃプレーオフは行けない」と仲間に奮起を求める
J2いわきFCは悔しいスコアレスドロー…。得点王争いのいわきFW谷村海那は「いまのままじゃプレーオフは行けない」と仲間に奮起を求める

今季リーグ戦8得点2アシストのFW有馬もこの日激しいマークに苦しんだ一人だ。2選手は果敢にゴールへ迫るも、栃木の堅守を最後まで破れなかった。得点力を有するアタッカーはいるが、後方の攻撃参加の少なさに点取り屋は嘆いた。

「結果を残していくチームは絶対的ストライカーがいると思うんですけど、その中でも他の選手が決めることが大事だと思っています。自分たちのマークが強くなってきたときに他の選手に(得点を)取ってもらいたいです。

クロスができないなら中に来る技術をつけてもらいたいです。根本的に一つ防がれたときにその後がない。クロスを防がれたら中に叩いて自分で得点を取れるくらいの迫力で中に入ってきてほしい。そういうところをつけてほしいです。

縦をふさがれたときに、もう何もできないでバックパスでは話になんないと思う。他の上位にいるチームはそれができるから勝っていると思うので、いまのままじゃプレーオフは行けないと思います」

昇格を目指す終盤は、チーム力が試される。総力戦になった際に谷村、有馬頼りのチームではどうしても勝ち切れない。だからこそ他のチームメイトたちに得点を奪ってほしいとエースストライカーは強く求めている。仲間たちの発奮が今後白星を重ねる上で必要不可欠だ。

J2いわきFCは悔しいスコアレスドロー…。得点王争いのいわきFW谷村海那は「いまのままじゃプレーオフは行けない」と仲間に奮起を求める
J2いわきFCは悔しいスコアレスドロー…。得点王争いのいわきFW谷村海那は「いまのままじゃプレーオフは行けない」と仲間に奮起を求める

次節は10月5日午後5時にアウェー・藤枝総合運動公園サッカー場(静岡)で藤枝MYFCと対戦する。相手はJ3時代からしのぎを削ってきたライバルだ。今季はホームで3-0と完勝しており、藤枝相手に初のシーズンダブルを達成してJ1昇格PO圏進出につなげたい。

「きょうの前半はここ最近だと内容として悪かったと思うので、それを無くして前半で(ゴールを)取り切れば勝てると思います。前半は全員が後ろ向きのプレーで相手陣に(ボールを)取られてスローインやコーナーキックが多かった。それをもっと減らして相手陣地でプレーすることができれば、自分たちのチャンスになるだろうと思います。藤枝戦は相手にやりたいことをやらせないように自分たちが相手の陣を牛耳られるようにやりたい」と白星を誓った。

チームの勝利を強く求めるエースストライカーの想いに、仲間たちは応えられるのか。J1初昇格に向けて負けも、引き分けも許されない“いわき”のチーム力がいま試されている。

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