やらなきゃいけないけど、めんどくさいあれこれ。「やっとこっかなリスト」で未来への備えを先のばしにしない！

ステイホームの日々に取り揃えた防災グッズも、そろそろ見直すべき？ 将来に必要なお金が心配だけど、よく分からない。「やっとこうかな」と思いつつ、めんどくさいから後回しにしていることが実はたくさんある！

『やっとこっかな 近い未来のためにちょっぴり備える』（わたなべぽん/幻冬舎）は、人生の後半を楽しく生きるための準備について考えさせてくれる一冊だ。

本作では、防災、お金、健康、住まいなど、近い未来に向けた人生の備えについて、今日から実践したくなるあれこれを紹介する。

「人生の備え」と聞くと複雑そうなテーマだが、著者・わたなべぽんさんがユーモアたっぷりの語り口で軽やかに伝えてくれるから分かりやすい。テンションが上がる貯蓄法や、ついモノを買ってしまう人におすすめの方法など、著者自身が実践してみたことが等身大で描かれているため、自分に置き換えて読み進めることができるだろう。

なかでも注目したいのは「やっとこっかなリスト」だ。これは、不安や心配事が多いのにめんどくさい気持ちに負けて行動できない人にとくにおすすめ。心のどこかで気になっていたことや、やりたかったことをリスト化していくので、自分自身を見つめ直すよいきっかけになる。

老後のことを考えると、心配や不安ばかりが先立ってしまいがち。しかしそんな時こそ、損得や常識的な正解ではなく、自分にとって「楽しい」と感じる方を選ぶことが大切だ、と本作は語りかける。将来への漠然とした不安を抱えがちな読者の背中を優しく押してくれるのだ。

近い未来への不安を和らげつつ、人生の後半をより豊かに過ごすためのヒントが詰まった本作。読了後には、自分なりの「やっとこっかな」リストを作り、小さな一歩を踏み出したくなるはず。人生100年時代を前に、漠然とした不安を抱えている人にとって心強い味方になるだろう。

文＝ネゴト / Ato Hiromi