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「お金が貯まらない家」のキッチンには大抵これがある…片付ければ食費が月3万円浮く無駄アイテム

  • 2024.9.30

片付けのプロが見ると「お金が貯まらない家」はすぐに分かるという。お片づけ習慣化コンサルタントの西崎彩智さんは「パントリーがモノで溢れている家は、大抵、家中のそこかしこに無駄なものが溢れている。ふだんからパントリーを整理するだけで、無駄を省いて、お金が貯まる循環が生まれていく。実際、パントリーを片づけて、食費が月2~3万円減ったと語る受講生もいた」という――。

食料品でいっぱいのキッチンキャビネット
※写真はイメージです
パントリーがパンパン…は赤信号

お金の貯まらない家は、大抵パントリー(常温保存OKな食品や調味料をストックしているボックスや棚)がパンパンです。また大抵の場合、パントリーが1カ所に定められているわけではなく、家中のそこかしこのボックスなどに食品や調味料が詰められて置かれ、その存在を忘れ去られています。

パントリー棚の食品
※写真はイメージです

見てみると、賞味期限切れのものや同じものが何個も出てくることがほとんど。よく出くわす「賞味期限切れのストック食品」は、たとえば以下のようなものです。

パントリーに放置されがちな「7つのもの」

(1) 乾物
かつおぶしや切り干し大根、あおさやわかめなど海藻類など。

(2) 乾麺
パスタやうどん、そば、そうめんなど。

(3) 調味料
顆粒の中華だしや固形のコンソメなど。

(4) 粉類
小麦粉や米粉、天ぷら粉、片栗粉、重曹など。

(5) 缶詰
魚や果物など。ツナ缶が何個も出てきた家も。

(6) 紙パックのジュース
冷蔵庫に入れずに保管できるタイプ。サブスクで届くことも多い。

(7) お菓子
大袋のストックやお土産でもらったものなど。

賞味期限が長い乾物や乾麺、調味料ですが、年単位で賞味期限が切れているのにもかかわらず、気づかず放置している家が少なくありません。

・缶詰は「いつか使うだろう」と、現在ストックしている分を消費する前にセールのときに多めに購入。
・サブスクのジュースを毎日決まった量を飲む習慣がつくれず、飲めずにいる間に、次の便が届いてしまう。
・お菓子は、ダイエット中で家では食べないのに「お土産でもらったから捨てるのは悪い……」と罪悪感で置いているうちに、賞味期限が過ぎてしまった。

などが放置されていく背景です。

なぜパントリーがパンパンだと、お金が貯まらないのか

パントリーが溢れている家は、大抵、家中のそこかしこに無駄なものが溢れています。無駄なものを買う習慣があると、いくら年収が高くてもお金がなくなっていき、貯めることは難しくなります。高収入なのに「お金が貯まらない」と言う人の多くが、片付けが苦手。家も散らかっています。

一念発起し「家中を片づけよう」「すべての無駄を省こう」とするとハードルが高く、途中で挫折しがちなので、まずは狭い範囲の片付けから始めるのが、無駄を省く(お金を貯めていく)コツ。最初に片づけるのにおすすめの箇所のひとつがパントリーです。パントリーを整理できていない家が、より広範囲のスぺースをきれいに保つというのは、かなりハードルが高いこと。では、パントリーを片づけることで、実際の生活がどう変わるのでしょうか。

パントリーを片づけると、パントリーから「食べなきゃいけない(食べたくない)もの」がなくなり、「食べたいもの」だけが残るので、料理が楽しくなります。そうすると、自然と、外食やテイクアウトの回数が減っていく人が多いです。

キッチンにいる女性
※写真はイメージです

また、ふだんからパントリーを整理し在庫管理することで、惰性で続けていたサブスクをやめられたり、どうせ捨てることになるものを何度も買うクセがなくなったり、無駄を省いて、お金が貯まる循環が生まれていきます。実際、パントリーを片づけて、食費が月2~3万円減ったと語る受講生もいました。

そう。パントリーを片づければ、そもそもの無駄買いが減って、自炊が増えて、お金の節約になるので、貯まらない循環から貯まる循環へと移行することができます(食べたいものだけ食べられる毎日に変わることで、本人がぐんと元気になるといううれしいおまけ付きで!)。

当たり前のことを言っていると感じるかもしれませんが、その当たり前のことを体現できるようになることで、毎日の小さな習慣を改めることで、生活が大きく変わっていくことをきっと実感できるはずです。

実際に過去の受講者さんが、みんなそうでした。片づけとお金は密接な関係にあります。だまされたと思って、ぜひ片付けをスタートさせてみてください。

ストックを整理する!「3つのステップ」

では「お金が貯まる家になりたい! パントリーを整理しよう」と一念発起した場合、どのように始めればよいのでしょうか。手順は次の通りです。

ステップ1:賞味期限をチェック ステップ2:「何」が無駄になりがち? 自分の癖を知る ステップ3:賞味期限切れのものを捨てる

計8袋の砂糖が出てきた家も…
ステップ1:賞味期限をチェック

パントリーをはじめとした、家中のストック食品すべての賞味期限をチェックしましょう。そして、賞味期限内と賞味期限切れのものに二分します。

食料品を持つパントリーの女性
※写真はイメージです
ステップ2:「何」が無駄になりがち? 自分の癖を知る

次に、賞味期限切れのもの(捨てるしかない食品)の内容をチェックします。醤油なのか、はちみつなのか、練乳なのか……自分が「どんなものを溜め込み」「使わずに放置する」癖があるかを、無駄にしたものを直視することで把握しましょう。

余っているものを見ると、そもそも自分の基本的な行動パターンと合っていないものがあることに気づくはずです。

例えば、
・朝食はごはん派の人が、割引で安いからと食パンを購入。が、朝に食べたいのはごはんなので、いつまでも消費できない……。
・空腹時に新作パッケージに惹かれてお菓子を買ったものの、ダイエット中のため、お菓子を食べようとする機会がない。
など

「自分が無駄にしがちなもの」を把握できたら、それは買わない。それに加えて「今日買うと安いから」という理由での買い物もやめれば、ぐんと無駄買いが減ります。

過去に伺った家だと、家のあちこちから砂糖が計8袋も出てきた方がいました。砂糖は賞味期限がないので、セールの度につい買ってしまったのでしょう。

ステップ3:賞味期限切れのものを捨てる

自分の無駄買いの傾向を掴めたら、期限が切れているものは処分しましょう。賞味期限切れのものをすべて捨てて、必要なものを残すと、スペースに余白が生まれるため、それだけで心に余白が生まれ、片付けのモチベーションがアップしている自分に気が付くはずです。

ちなみに水は期限が切れていても、災害時にトイレ用の水として活用できるので、半年程度は保管しておいてもOKです。

お金の貯まるパントリーをつくる方法

必要なものだけ残せたら、あとはどう適材配置していくかです。ストック食品は、「日常のストック用」と「防災用」の2種類に分けて考えるのが基本です。

日常のストック用

「日常のストック用」を収納する場所は、キッチンの棚や配置したボックスなど、「ここ!」と1カ所に決めるのがおすすめ。あちこちにおくと、一度は片づけてもすぐに物が増えて散らかったり、存在を忘れて在庫管理が失敗したりしがちだからです。決めたスペースにおさまらない量は買わないとして、納スペースを増やす場合は、自分の管理能力と照らし合わせてから決めるようにしましょう。

防災用

家で待機となったときの「防災用」は、我が家の場合、2~3日分の食品をキッチンの引き出しにいれています。内容は、乾麺、かつおぶしやひじき、乾物、コーヒー豆にスープなど、水でもどして食べられるものをいれています。水のストックもそばに置いていて、ガスコンロとカセットボンベ2本はキッチンの引き出しにいれています。

(左)西崎さんの自宅の備蓄の一部。(右)ガスコンロとカセットボンベは定位置管理で、キッチンの引き出しに。
(左)西崎さんの自宅の備蓄の一部。(右)ガスコンロとカセットボンベは定位置管理で、キッチンの引き出しに。

持ち運ぶ「防災用」は、カップ麺やレトルト食品、缶詰、羊羹などの2~3日しのげる食料を、リュックやバッグにまとめて、玄関近くに置いています。すぐに持ち出せる場所に置きましょう。押し入れの奥にしまっては、必要なときにサッと持ち出せず、意味がありません。

収納するときの「3つのポイント」

どこに収納するかが決まったら、いざモノを収納していきます。ポイントは、次の3つです。

(1) 在庫が「見える化」されている (2) ストックが常に回っている (3) 定期的に見直されている

(1) 在庫が「見える化」されている

在庫が見えるように、隙間を空けて収納すれば、何がどれだけストックされているかが一目瞭然。むだなものを買うことがなくなります。

(2)ストックが常に回っている

ストックは、コンスタントに動かすのが基本です。冷蔵庫の中のもの同様に賞味期限が切れる前に食べきり、必要ならば、また買ってきましょう。

日常用の食品ストックは、「いつか使うかも」という“かもストック”をしがちですが、実は、かもストックの考えで購入したものは使う可能性が低いものばかり。あれば「必ず使い切れるもの」のみを、ストックするようにしましょう。

子供が小さいときは、大袋のお菓子やジュースをストックする家も多いでしょうが、子供は成長すると自分で食べたいお菓子を買って来て、家にあるストックは食べなくなります。気がつくと、もったいないからとお母さんだけが食べて、太ってしまったというのは私の実例です……。そのつど家族の状況に合わせて、ストックの内容も見直しましょう。

また、いただきもので食べ切れないものは、早いうちにどんどん周りの人にあげてしまいましょう。

(3)定期的に見直されている

肝心なのは、防災用も日常のストック用のどちらも、定期的に見直すこと。3カ月か半年に一度はチェックして、賞味期限が切れそうなものから、一週間かけて消費していきましょう。

●賞味期限が近いストックの上手な使い切り方法
切り干し大根や海藻類などの乾物は、味噌汁やスープに入れる。かつおぶしやいりこは佃煮にして、ごはんのおともに。粉類はお菓子づくりに活用できます。調味料は中身を見て、たとえば砂糖や醤油が入っているものなら、煮物に使えます。

なぜかわからないけれど、お金が貯まらない……と悩んでいる人はパントリー、さらに冷蔵庫、冷凍庫が賞味期限切れのものであふれていないか、まずはキッチンの在庫をチェックしてみてはいかがでしょうか。片付けや捨てることが苦手な人も、食品には賞味期限があるため、作業を進めやすいという利点があります。

台所の食器棚に缶を並べる女性
※写真はイメージです

まずは自宅のキッチンで「今まさに無駄になっているもの」を把握することが、お金の貯まる家へ近づく大きな一歩となるのです。

構成=池田純子

西崎 彩智(にしざき・さち)
お片づけ習慣化コンサルタント Homeport代表
1967年生まれ、岡山県出身。大学卒業後、住宅メーカーのインテリアコーディネータとして従事。結婚し、20年専業主婦を経験したが離婚。その後はヨガスタジオの店長としてスタジオに通う多くの女性のさまざまな相談に応じる。2015年、得意の片付けを生かして起業。お片づけ習慣化講座「家庭力アッププロジェクト」修了生は全国で2000名を上回る。

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