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【移住にチャレンジ】東京から山口へ「50歳で、移住しました」vol.1アパレルから夢の飲食業へ「ごはん屋さん」はじめます!

  • 2024.10.1

「50歳で地方移住して、子どもの頃から夢だったごはん屋さんをやりたいなぁ」
伊藤啓子さん、50歳。大学卒業後、就職とともに地元・山口県から東京へ。おひとりさま生活を満喫しながら、アパレル業界で27年間、東京で働いてきた。現在は、アパレルの仕事を続けながら、自分の夢であるお店のオープンのため山口と東京の2拠点生活に。伊藤さんが移住を決意し、実現するまでの思いとプロセスを語っていきます。

第1回は移住先を決めるまでの紆余曲折のお話。
移住を考えている人はもちろん、何かを始めたいと思っている人――チャレンジは何歳からでも遅くない。
そんな元気をくれるストーリーです!

移住を決意した42歳

「50歳で地方移住して、飲食店をやりたい」
40歳をすぎたあたりから、ぼんやりと10年後の未来を考えるようになりました。
とはいえ、仕事は好きで、東京の生活は刺激的で、そもそも移住する勇気がなく、具体的に動くことはありませんでした。

しかし42歳のとき、仕事のストレスもあり絶不調に。貧血と生理痛に悩まされたある日、大きめかつ複数の子宮筋腫が発覚、人生初の手術を決断。手術は母を頼りに実家の山口県で受けました。
開腹手術だったため、術後はベッドから動けず一週間の入院生活。じっと天井を眺めながら、これからの人生について考えました。

仕事も東京の生活も嫌ではないが、今の仕事を60歳以降も続けるのは、ちょっとつらいし、会社は60歳で定年。 子どもの頃からの夢、ごはん屋さんは、いつかやりたいな。
でも経験のない飲食業を、60歳から移住して始めるのは少し遅い。
50歳くらいで移住して、おばあちゃんになっても続けられる自分の基地みたいなお店ができたら。
両親のことを考えると(介護もあるかも)、地元に近い場所のほうがいいな。
「よし! 50歳までには地方移住しよう‼」
42歳、入院生活で私が手に入れたのは、健康になった体と、移住への決意でした。

↓退院の帰り道、虹がかかっていた。「私の決意を応援してくれている気がして」と、今でもお守りにしているお気に入りの写真。

移住先は「旅」をしながら ~一目ぼれの尾道~

当時、伊藤さんはパートナーと都内のマンションでふたり暮らし。お互い旅好きで一緒に出掛けることも。

移住先を探す過程も楽しもうと、旅行をしながら、移住先を決めることに。
実家のある山口県に近づきたいから、西日本中心に旅が始まりました。
最初に訪れたのは、ずっと行きたかった尾道。
「今すぐ住みたい! イメージしていた移住先、そのままだぁ~」
住むイメージを持ちたくて、レンタル自転車で町中を探索。
一番惹かれたのは、穏やかな海。
「尾道いいね!こんな場所なら、俺も移住したいよ‼」と一緒に来ていた同い年のパートナー。
実は彼には「50歳で移住」の話は一度もしていませんでしたし、結婚も考えてはいなかったから、「ひとりで移住する」つもりでした。でも、ふたりにとって未来の仕事や生活がイメージできる場所を探す必要があるのでは? 「ふたりで移住」の選択肢が増えた尾道の旅となりました。

「ふるさと回帰支援センター」で移住情報をリサーチ

その後も、岡山、広島、愛媛、福岡、長崎、鹿児島、沖縄と移住先探しの旅が続いたという伊藤さん。
しかし尾道ほどビビッとくる場所はなく、「単なる旅行になっている」と移住へのモチベーションも下がってきた頃、「ちょっと待って。生まれ故郷山口県を忘れている!」。急に地元熱が上がってきた伊藤さん、移住情報をと、ネットで調べたのが「ふるさと回帰支援センター」(東京・有楽町)。早速、有楽町駅から徒歩1分、東京交通会館の中の「ふるさと回帰支援センター」へ、パートナーと訪れました。

中はデパートの全国物産展かと思うくらい、都道府県のブースがあり、熱心に呼び込みをされていました。
私たちは、山口県担当のHさん(日本で一番魅力的に山口県をPRできる人!)のすすめで、その日のうちに山口県移住体験ツアーに申し込みました。

なお、ふるさと回帰支援センターhttps://www.furusatokaiki.net/は、地方移住に必要な土地の情報から、利用できる制度、実際に移住された方からの情報(成功談から、あるあるの失敗話まで)など、移住に関する全国の地方の情報が集結。移住を考えている人は、ぜひぜひチェックしてほしいと思います。

移住体験ツアーに参加 ~おいでませ、山口~

2018年夏に山口市が実施している移住体験ツアーに参加しました。
訪れたのは、山口県阿東町。新幹線で新山口駅へ向かい、現地では市役所の方の案内でツアーが開始。バスでゆられること1時間半。山の中を走っていたと思ったら、急に目の前が一面の田んぼに、ザ・田舎の原風景が広がっている。
「山の緑が深くて、空が青くて、田んぼの色もそれぞれ違う。人工物は3日で飽きるけど、自然は飽きないってこういうことだね!」と一緒に参加した彼のほうが、移住への思いが熱くなってしまったようでした。バスを降りてからは、町のみなさんのおもてなしツアー。移住経験者の方の話をお伺いしたり、おばあちゃんと一緒に野菜の漬物をつくったり、竹でできたバンブー自転車で探索したり、おいしい湧水を飲ませてもらったり、町の人たちとBBQ&そうめん流しをしたり。
宿泊は地元の生活をよりリアルに知ってもらうということで、ホームステイ方式で地元の方のお宅へ。私たちが宿泊させてもらったのは、山口出身だけどずっと関東にいて、最近Uターンしたという同世代の女性。お酒を飲みながら、移住話で盛り上がりました。彼女も「東京だと感じられない、自然の色やにおいを感じたくて移住した。東京と比べると何にもないように思うけど、必要なものや豊かなものは何でもあるよ」。
移住者の方のリアルな話をたくさん伺えたことで、貴重な体験ツアーとなりました。

彼も山口を気に入ってくれた様子。ただ自分の地元なので「一緒に地元に帰ろう」的なプレッシャーを与えたくなく、ずっと言えませんでした。自然な感じで彼に山口の良さを感じてもらえたのも、今回の旅の収穫でした。

ターゲットは山口に ~移住先をもっと知ろう~

漠然とした「移住」から「山口に」と候補地が定まった伊藤さん。では山口のどちらに?
再び、「ふるさと回帰支援センター」を訪れて、山口県担当のHさんにアドバイスを仰ぎます。

2019年夏、まずはおすすめの瀬戸内海の小さな島、周防大島へ。最近、移住者が増えているとのこと。この旅では、山口県が実施している移住活動費の補助金を使うことにしました(移住を希望している方の移住活動費として、県や市から交通費の補助が受けられる制度です)。
私たちの旅スタイルは、基本はレンタル自転車。ですが移動距離が長いのでレンタル原付でまわりました。

周防大島は1周100キロ。単なる旅で終わらせないため、原付に乗って、島中の移住者の方にヒアリング。ジャム屋さん、はちみつ屋さんを立ち上げた方、農家がやりたくてみかんをつくられている方、WEBデザインの仕事をリモートでされている方(今では地方でリモートスタイルは珍しくありませんが)。
移住については、体験者に話を聞くのが、一番参考になります。

2020年のコロナ後、実家に宣言

移住先として山口県に決定したのが、2019年末、伊藤さん45歳でした。

50歳まではあと5年、移住に向けた情報収集や事前計画を考えていこうと思っていた矢先。2020年、コロナが始まりました。移住どころか、先が見えない状態。東京での暮らしや、仕事もどうなるかわからない。もちろん、山口を訪れることもできない期間が続きました。
少しずつ落ち着いてきた2021年の年末。両親に会うため、2年ぶりに山口県に帰省しました。
久しぶりに見た田舎の風景と、おいしい野菜や魚。再び移住への想いがあふれて、「実は山口にUターンしようと思っている!」と実家で宣言! おまけに、このとき彼も一緒。両親は、47 歳にして初めて実家に彼氏を連れてきた自由気ままな娘が、山口へUターン、しかも彼も一緒ということで、大喜びでした。

(上画像)実家から見た夕日。山に落ちていく夕日はとてもきれい。

お金を貯めよう! 毎月の洋服代と食費を見直し

周りの人たちに宣言をしたことで、あとは進むだけの状態となりました。
50歳、2024年に向けてやるべき準備を考え始める。大きくは2つ。
①山口で始めるごはん屋さんのイメージを固める。どこに、どんなお店を出すか?
②お金を貯める。ごはん屋さん=起業、移住にお金は必要。

最初に始めたのは②お金を貯めること。アパレル業界で仕事をしていた私は、お給料はいただいた分だけ使う主義、貯金をしていませんでした。
まずは現状を把握しようと、今まで通りお金を使い、履歴を携帯アプリに登録。すると毎月のお給料より使う額が多く、不足分をボーナスで補填していることに愕然。そしてちょこちょこ出費が多いこと、特に外食と洋服。まずは、ここから改善すべく、毎月の洋服と食費の予算を決めて、その中で運用することに。外食費は自炊を増やして一気に改善。しかし問題は洋服代、おしゃれはしたいけど、節約も……。

その解決策は、「私のスタイルをつくる」ということ。自分のスタイルがあれば、無駄な買い物はしなくてすむ、大好きな本『フランス人は10着しか服を持たない』を実践です! そこで自分のスタイルを「おしゃれな大人ブラックスタイル」と決めて、スタメンは10着。例えば秋なら、パンツ3本、ニット2枚、シャツ1枚、カットソー2枚、ワンピース1枚、アウター1枚、すべてブラック(もちろんブラック以外の服も少しはありますが)。アンミカさんいわく、白は200種類、黒も200種類くらいあるそう。すべてが組み合わせできるし、ブラック×ブラックだから間違いなし。一番大事なのは、それぞれの素材感とボリューム感を吟味すること。ここさえ気をつけると、おしゃれ度が一気に上がります。
この対策を実行してから、毎月湯水のように使っていた洋服代が、買っても月1着程度の出費となり、着々と貯金を実践できるようになっていきました。

「50歳で移住」というゴールが明確になったことで、行動力も一気に加速しました。
次回はどんな準備をしていったかを具体的にお話ししたいと思います。

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この記事を書いた人

大人のおしゃれ手帖編集部

大人のおしゃれ手帖編集部

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