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【藤ヶ谷太輔】『傲慢と善良』は読み終わった後に誰かに話したくなる

  • 2024.10.5

9月27日(金)より公開する映画『傲慢と善良』で奈緒さんと共にW主演を務める、藤ヶ谷太輔さん(Kis-My-Ft2)がsweet webに初登場。映画化が決まる前から「人生で1番好きな小説」に挙げており、作品の映画化をするなら自分が西澤架(にしざわかける)を演じたい!と熱望されていた藤ヶ谷さんの映画化が決まった率直なお気持ちや、現場での雰囲気をお伺いしました。

ー藤ヶ谷さんが演じる西澤架(にしざわかける)の心情を本当に理解されていて、架そのものなんじゃないかと思うくらい入り込まれているな、という印象を抱きました。元々作品自体がお好きということでしたが、どのあたりがお好きだったのですか?

それは誉め言葉ですか(笑)? 最初はミステリー要素から始まって、徐々に恋愛要素も追加されてくなかでだけどそれだけじゃない人間関係だったり、友人関係、家族のこと、マッチングアプリのこと。都会と地方の時間の流れ方の差であったりって様々な要素が入っているけど、全然ごちゃごちゃせずに面白いものを見れたなって初めて読んだ時に感じたんです。

ー今回作品の中で“70点”という数字がキーワードにもなってきますが、そちらに関して藤ヶ谷さんはどう感じられましたか?

今回作品をやるにあたってもその辺りはかなり打ち合わせを行ったんです。70点という数字は男性からするとかなり高いんですよ。だけどその時女性スタッフさん達が言っていたのは、70点をつけられるくらいなら0点の方がいいわって(笑)。もし架と(奈緒演じる)真実の立場で真実が架のことを70点と言ったら、多分男性の大半は結構高い点数だなって思うんですよ。それって男女によってとらえ方が違ってめちゃくちゃ面白いなって。この1つのストーリーでいろんな議論ができるのは単純に面白いなと思いました。かなりパワーがあって、読み終わった後必ず誰かに話をしたくなる1冊だったなと思います。


ー今回は藤ヶ谷さんご自身でアプローチして映画化になったとお伺いしました。実際はどんな風にアプローチされたのですか?

僕は「A-studio+」に出演させていただいているんですけど、色々取材を俳優さん達にさせていただく中でどうやら結構な数の方たちが自分達から動いているというのを知ったんです。実際に小説の『傲慢と善良』を読んだ時は俺が演じたい!というよりもすごい作品だった!という感覚だったんですけど、本屋さんに行く度に“実写化”という帯を他の小説で見かけることも多くてスピーディーだなとは思ってたんです。そこで『傲慢と善良』は誰も形にしていないなと気づいて、自分が演じることができなかったら一生後悔する作品なんだろうなって。演じたい作品なんだろうなって、チャンスはあるのかもしれないと思い版元を調べていただくというところからのスタートでした。でも誰に言えばいいかもわからないし、仕組みを調べてもらったら版権が必要だと知りどこの会社がそれを持っているのか、どうやって動くのかとか手探りで周りの方の協力もあってアプローチできて映画化に繋がりました。

ー小説を読まれたとき自分のために書かれたんじゃないか、と思うぐらい自分のモヤモヤを言語化されたと感じられたそうですが、どこの部分で1番そのように感じられましたか?

自分も振り返ると24歳でデビューして、全く知らない世界に飛び込んだ時にいろんな方に「こういうのが素敵です」「こういうのが絶対似合いますよ」とかを言われ続けていると、気づいたら俺ってそういう風であった方がいいんだろうなって架のその感覚って分かるような気がしてたんですよ。ただそれって苦しいだけじゃなくて、持ち上げていただいたことでできるようになったこともあるし、世間からついたイメージもある。それと同時に何か手放していたこともあるだろうなって思うんです。デビュー当時は自分で選択するということが出来なかったので、言われたことだけをやっていたんです。それはきっとデビューしたばかりの新人がいきなり「これやりたいです!」って言っても出来なかったと思うし、まずは藤ヶ谷太輔という人を知っていただいて、信頼の土台ができた上でこの人にやってもらおうかなってなるし、自分で選択できなかったということは今思うと大事だったんだなと思いますね。すごい苦しいとかもなかったし、でも自分が今どこの位置にいるのかもわからないしみたいに思っていたことを辻村さんが「値段」っていうのでめちゃめちゃ秀逸で面白いなって思いました。


ー撮影中の雰囲気はいかがでしたか?

雰囲気はすっごく良かったです。監督始め、奈緒ちゃんともクランクインする前から話し合いたいことがたくさんあったから、食事に行ったりしました。自然に恋愛観とか、結婚観を話したり監督の奥様との出会いとかも聞きましたね。お子さんが生まれることが発覚した時の気持ちだったり「教えてください」って言わなくてもこの作品をきっかけにみんなで話し合って、時にはちょっと揉めそうになるくらいのディスカッションもありました(笑)。聞く人によっては傲慢だなって思うけど、話す人は善良の気持ちで言ってたり、俺もそうだなって改めて思いました。

ー撮影中に印象に残っているエピソードはありますか?

実はラストシーンの演出は決まっていなかったんですよ。佐賀に向かいながら架と真実の2人の感じとどういう着地が良いのかというのをスタッフさんとバランスを考えながら話し合いをしてました。ラストシーンを撮る前々日にちょっと話しましょうってなって、田舎の駅前で白熱した話し合いが繰り広げられました。2時間くらい話して、やっぱりみんなで作っているんだなってすごく印象に残る瞬間でした。

朝のシーンを撮ったあと、実は夕日が沈むまでに時間が空いたので、3時間くらいみんなで歩いて道の駅に行ってお土産買ったり、ソフトクリーム食べたりもしたなぁ。その後夕日が沈む瞬間のもう今しかない!という瞬間で撮影したんですけど、結構プレッシャーがありました。これでNGとか出して撮影できなかったら道の駅行ってる場合じゃなかったって(笑)。


『傲慢と善良』

story:マッチングアプリで出会い婚約した直後、真実が突然失踪してしまう。彼女を探すうちに <知りたくなかった過去と嘘>が明らかになる。思わぬ場所で再会した2人が最後にたど り着く、”一生に一度の選択“を描く、感動の恋愛ミステリー。

原作:辻村深月『傲慢と善良』配給:アスミック・エース  ©2024 映画「傲慢と善良」製作委員会


edit & text : KAREN MIYAZAKI[sweet web]

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