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簡単で本格的なタルタルで味わう、カリッと「秋鮭南蛮」

  • 2024.9.30

まだまだ暑さが続きますが、今回は食べこたえもあって、秋を感じる一品をご紹介します。この季節に手に入りやすい秋鮭を揚げて、タルタルソースをかけた南蛮です。手順が面倒と思われがちですが、油少なめでソースも簡単。お酒を愛する料理研究家の大原千鶴さんに、つくり方とそのコツを教えていただきました。

簡単で本格的なタルタルで味わう、カリッと「秋鮭南蛮」

■衣にかかる甘酢が「シードル」と好相性

秋と言えば秋鮭ですね。鮭はいろいろな種類がありますが、秋鮭は日本で最も流通している天然の鮭のことで、お腹に卵を抱えて川に戻ってくるので、栄養が卵に取られ、そのぶん身があっさりしています。

皮に臭みがあるので取り除き、切り身にしたものを炭酸水を使った衣でカリッと揚げます。薄衣にするとベタッとならず、油も少量。衣は、薄力粉だとサクッと揚がり、米粉を混ぜるとさらにカリカリな衣になります。

つくるのが面倒、と思われがちなタルタルソースは、ゆで卵を目玉焼きにして克服します。時短で手間いらずで、私はもっぱらこの方法です。具材はピクルスが定番ですが、意外とあっさりとして美味しいのがしば漬け。こちらもお薦めです。

甘酢をかけても、ふんわりサクサクの衣。温かいうちにどうぞ召し上がってください。
そして、お酒はこの甘酢にぴったり合う「シードル」にしました。爽やかな甘味が、甘酸っぱい衣とマッチします。

□秋鮭南蛮のつくり方


◇材料 (2人分)

鮭:2切れ(180g)(切り身)
塩:小さじ1/4
万願寺唐辛子:1本(30g)
米油:大さじ2~3
★ 衣:
・ 炭酸水:大さじ2
・ 小麦粉:大さじ2
★ タルタルソース:
・ 卵:1個
・ 玉ねぎ:15g(みじん切り)
・ ピクルス:15g(みじん切り)
・ マヨネーズ:50g
A :(合わせておく)
・ 米酢:小さじ1
・ 砂糖:小さじ1/2


(1)鮭の下準備
鮭の全体に塩をふって冷蔵庫で10分間ほど置き、出てきた水気を拭く。小骨を抜いて皮を外し、一口大に切る。揚げ焼きにする直前に、さっくりと溶いた衣にくぐらせる。

(2)万願寺唐辛子の準備
万願寺唐辛子は縦半分に切って種とヘタを外し、大きめの乱切りにする。

(3)タルタルソースをつくる
フッ素樹脂加工のフライパンに卵を割り入れ、水50mlを加えて蓋をし、弱火で黄身がしっかり固まるまで約3分間焼いたら、キッチンペーパーの上に取り出して水気を軽くきる。まな板に移し、包丁で粗く刻み、卵以外の材料とともにボウルに入れてよく混ぜる。

タルタルソースをつくる
タルタルソースをつくる

(4)揚げ焼きにする
③のフライパンをさっと拭いてきれいにし、米油を入れて中火にかけ、①の鮭を並べ入れる。表面が固まってきたら箸で上下を返し、②の万願寺唐辛子も空いているところに入れる。カリッと揚げ焼きにして鮭に火が通ったら、油をきる。

(5)仕上げる
器に盛り、鮭にAを回しかけ、③のタルタルソースをたっぷり添える。

完成
完成

――教える人

「大原千鶴 料理研究家」

京都・花脊の料理旅館「美山荘」が生家。小さな頃から自然に親しみ、料理の心得を学ぶ。現在は家族五人で京都の市中に暮らし、料理研究家としてテレビや雑誌、講習、講演など多方面で活躍。シンプルなレシピに定評があり、美しい盛りつけにもファンが多い。着物姿のはんなりとした京女の印象とは対照的に、お酒をこよなく愛す行動派。レシピはお酒を呑んでいる時に思いつくのが一番多い。近著「大原千鶴のいつくしみ料理帖」(世界文化社)がある。2023年4月より、オンライン料理レッスンもスタート。


文:西村晶子 撮影:福森クニヒロ

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