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大人が意外と間違える数学「−10×(−10)×(−10)」→正しく計算できる?

  • 2024.10.30
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あまり使う機会のない種類の計算は、その方法を忘れやすいものです。負の数の掛け算もその一つではないでしょうか。

計算の機会が多い買い物でも、負の数の掛け算をするシチュエーションはなかなか思いつきませんよね。

今回の問題で、負の数の計算を忘れていないかチェックしてみましょう。

問題

次の計算をしてください。
−10×(−10)×(−10)

解答

正解は、「−1000」です。

答えにマイナスの符号を付けるべきかどうか迷った人は、次の「ポイント」を確認してください。

負の数の掛け算のルールについて、解説していますよ。

ポイント

今回の問題のポイントは、「掛け算内の負の数が三個であること」です。

掛け算内の負の数が三個と分かった時点で、この問題の答えは負の数になると判断できます。

では、どうしてそう判断できるのでしょうか。

まず、負の数の掛け算の基本ルールを振り返ってみましょう。

<負の数の掛け算のルール>
・同符号どうしの掛け算→答えは正の数
・異符号どうしの掛け算→答えは負の数

例えば、−1×(−1)は「負の数×負の数」なので、同符号どうしの掛け算です。

よって、答えは正の数の「+1」になります。

一方、−1×1は「負の数×正の数」なので、異符号どうしの掛け算です。

よって、答えは負の数「−1」になります。

さて、この考え方を拡張すると、次の計算ルールが出来上がります。

・掛け算内の負の数が偶数個→答えは正の数
・掛け算内の負の数が奇数個→答えは負の数

先に紹介した基本ルールに従うと、「負の数×負の数」の形になれば、その答えは正の数になります。

これは、掛け算の中で負の数のペアができれば、全体の答えも正の数になるということです。

掛け算の負の数が偶数個あれば、すべての負の数がペアになれますよね。

一方で掛け算内の負の数が奇数個ならば、負の数どうしのペアからあぶれてしまう負の数が必ず一個存在します。

すると、計算のどこかで「正の数×負の数」の異符号どうしの掛け算が発生するため、答えは負の数になるというわけです。

今回の問題では、掛け算内の負の数は三個、つまり奇数なので答えは負の数になると分かるのです。

では、実際に計算してみましょう。

 −10×(−10)×(−10)
=−(10×10×10)←答えが負の数だと分かっているので最初にマイナス記号を付けて計算
=−1000

これで答えが出ましたね。

なお、今回のように短い掛け算なら、負の数の掛け算のルールを使いつつ、次のように計算してもさほど時間はかかりません。

 −10×(−10)×(−10) ←「負の数×負の数」は正の数
=100×(−10) ←「正の数×負の数」は負の数
=−1000

まとめ

今回の問題はいかがでしたか?

掛け算では、「掛け算内の数の符号とその数」に注目することがポイントです。掛け算内の負の数が偶数個なら答えは正の数、奇数個なら答えは負の数というルールをぜひ覚えてください。

他にも負の数を扱った問題を用意していますので、挑戦してみてくださいね。

※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


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