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大人が意外と解けない数学「x^2–10x+25」→因数分解すると?

  • 2024.12.12
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展開・因数分解は中学校で学習します。

いくつかの「公式」がありますが、実はそれぞれの公式の基本的な考え方はすべて同じです。

正しく理解できているか、問題に挑戦してみましょう。

問題

次の式を因数分解しなさい。
x^2−10x+25

因数分解をするためには、「積が25、和が−10」になる2つの数を探さなければなりません。

まずは自分自身で答えを出してみましょう。

解説

今回の問題の答えは、「(x−5)^2」です。

どのように考えるのかを順に解説していきます。

因数分解のよくあるパターンの一つが、次の公式を利用するものです。

x^2+(a+b)x+ab = (x+a)(x+b)

これを今回の問題に適用すると、
a+b=−10
ab=25
(積が25、和が−10)
となります。

この条件を満たすaとbを考えます。

「積が25」となる掛け算をすべて書き出してみましょう。

1×25
5×5
(−1)×(−25)
(−5)×(−5)

上記の4パターンのみです。

この中で「和が−10」になるのは、「(−5)と(−5)」のときです。

したがって、因数分解をすると
(x−5)(x−5)
となります。

しかし、これを答えとするのは、適切ではありません。

「(x−5)(x−5)」というのは、同じもの(x−5)を2回掛け算する式です。

同じものを複数回掛け算するときは、累乗を用いて表さなければなりません。

以上より、

x^2−10x+25
=(x−5)(x−5)
=(x−5)^2

因数分解の公式として以下のものをはじめに紹介しました。

【1】 x^2+(a+b)x+ab = (x+a)(x+b)

しかし今回の問題は、実は次の公式があてはまる形の式です。

【2】 x^2+2xy+y^2 = (x+y)^2

教科書やテキストなどでは、それぞれ別のものとして紹介されることが多い公式ですが、実際には式【1】だけで完結しています。

それぞれの意味をきちんと理解していれば、公式をいくつも丸暗記する必要はありませんね。

まとめ

公式を丸暗記するのではなく、きちんと意味を理解することが重要です。

理解が深まると、さらに数学は楽しくなります!

※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法を持つものもございます。
あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。


文(編集):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」