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世界を沸かす新世代の歌姫タイラが語る故郷アフリカと音楽への想い【50 SHADES OF ME】

  • 2024.9.30
シャツ ブラ アンダーウェア/すべてJADED London ショートパンツ/Custom Sinead Gorey イヤリング/ Sarah Noor ネックレス/本人私物
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1 初めての日本はいかがですか?

想像していた通り……いえ、それ以上に素敵な国です。満喫させてもらっています。

2 滞在中に行きたい場所、楽しみにしていることは?

コスプレをしたいです。髪やネイルをバッチリ決めて、日本のみんながやってるようなメイクをやって。コスプレに挑戦したいです。

3 メットガラで印象的だったエピソードは?

二つあります。一つは抱え上げられて階段を上ったこと。それから、バルマンのデザイナーがドレスの裾をハサミでジョキジョキ切ったこと。クレイジーな体験でした。あのままじゃ歩けそうになくて(笑)。いい想い出です。

4 歌い始めたのはいつ?

物心がついた頃にはもう歌っていました。

5 ネットに楽曲をアップし始めた当時、どのようなアーティストの曲をカバーしていましたか?

最初は自分で適当に作った曲を歌っていました。インスタグラムは禁止されていたので、父親の携帯をこっそり使って自分のアカウントを作り、動画や写真をアップしてたんです(笑)。その後、アデルやボーイズIIメン、アリアナ・グランデリアーナなどのカバーを歌っていました。

6 大きな影響を受けたアーティストは?

とにかくマイケル・ジャクソンが大好きです。世界中のあらゆる人々、あらゆる年代から愛されている彼は永遠の存在です。多くの人々に影響を与えて、もちろん私も影響を受けています。

7 南アフリカ発の“アマピアノの女王”と呼ばれています。アマピアノをあなた自身の言葉で説明するなら?

アマピアノは、南アフリカで誕生し、発展した音楽ジャンルです。南アフリカ発祥のハウスミュージックのクワイトに、ジャズを掛け合わせたサウンド。今やその人気は南アフリカから世界に広がっています。

8 あなたが思うアマピアノの魅力とは?

全身で感じるスピリチュアルな音楽という点です。ログドラム(丸太の打楽器由来のベース)の特徴ある音色は、初めて耳にして「これは何?」と、誰もが思うユニークなサウンド。一度聴くと忘れられません。

9ライブに定評があります。パフォーマンスで心がけていることや、インスピレーションの源は?

観客です。常にオーディエンスの顔を見て、目を合わせて、コネクションを作りたいと心がけています。ハートのサイン、投げキスなども、会場の観客とその瞬間を共有し、繋がるため。もちろん歌にも全身全霊で臨みます。ダンスに関しては、自然に体が動き出している感じです。

10 デビューアルバム『Tyla』を制作するうえで最も大切にしたことは?

フレッシュなサウンド、私らしいサウンドを世界に紹介したいと考えました。満足できる音楽が生まれるまで、じっくり長い時間をかけて制作しました。

11 世界各国でライティングとレコーディングのセッションを繰り返す、その狙いとは?

頭の中に聴こえるサウンドを、実現させるためでした。ゼロから作る必要があったので、世界各地のさまざまな人々の協力を得て、セッションを重ねました。世界にアフリカのサウンドを届けたい、知ってもらいたいからです。そして、みんなで楽しんでほしいです。

12 常に海外や世界での活動を考えていましたか?

もちろん! 幼い頃から“ポップスターになりたい”、“世界一ビッグなスターになる”という夢を描いていたんです(笑)。今では、大人になった分、少し冷静になれたので、あまり自分にプレッシャーを掛けすぎず、現状を楽しみたいと思っています。

13 「Water」のレコーディングを終えたとき、世界的ヒットになる予感はありましたか?

まったく(笑)。いい曲なのはわかっていたけれど、本当にすべてが偶然で、気づいたら火がついていました。

14 パフォーマンス中に背中に水をかける動画がバイラルヒットとなりましたが、意図していたのでしょうか?

あのパフォーマンスも偶然でした。もともと水かけは違う曲でやっていたパフォーマンスで、ダンサーから水を掛けられるはずだったのが上手くいかなくて、代わりに自分でやったら、その動画が広まったんです。以前からTikTokチャレンジは大好きで、いつも動画はチェックしていました。でも、まさか私の動画でみんながチェレンジしてくれるとは。家族と、いつもみんなのチャレンジ動画を観ています。

15 バカルディと呼ばれるあなたのダンスも人気です。トゥワークとの違いは?

アハハハ。トゥワークと違って、お尻ではなく背中を使って踊るのがポイントです。バカルディは南アフリカのプレトリア発祥のダンス。ずっと前から伝わる文化的でユニークなダンスです。

16 本格的にダンスを始めたのはいつから?

実は本格的にダンスを学んだことはなく、アフリカ文化の一部として、いつも音楽に合わせて踊っていました。私にとってダンスは、とても自然なことなんです。

17 普段のワークアウトのメニューは?

主にダンスですね。特にレッスンを受けるわけではなく、ステージ用のリハーサルが多いです。ジムに行ったり、ウェイトトレーニングも時々。

18 得意なスポーツは?

学生時代にホッケー、ネットボール、ソフトボールなどチームスポーツをやっていました。あとジャングルを走り抜けるクロスカントリーも(笑)。

19 観戦するならどのスポーツ?

観るのは体操だけ。私には到底できない宙返りなど、とても興味深いです。

20 Y2Kファッションのアイコンとして取り上げられることも多いですが、こだわりは?

ファッションはY2Kだけでなく、さまざまな方面からインスピレーションを取り入れたいと思っています。歌い始めた頃は、衣装にかけられるお金もあまりなかったので、自前の服を切ったり破ったりアレンジしてステージに立っていました。それが今でも私のスタイルになっている気がします。

21 最近はどんなファッションが気になりますか?

ウェストに花を付けて、踊って揺らしたりとか。K-POPやJ-POPも好きなのですが、彼女たちのスタイルもすごくクールだと思います。

22 ファッション面にも南アフリカの要素を取り入れていますか?

南アフリカに私のような格好の人はいないかも(笑)。でも、ボーホーな感じや、カラフルな色使い、大きな花や貝殻を使ったり、少し変わったスタイルが好きです。ミスマッチな感じも。みんなからは、「(原始家族)フリントストーン」のキャラみたいってよく言われます(笑)。

23 メイクに関するこだわりは?

シンプルにすること。重ねすぎず、フレッシュでウェットな感じが好きです。ウィングライナーと、ハーフまつ毛とリップライナーがポイントです。鼻の上にブラシでちょこっとラインを入れるのも気に入っています(笑)。

24 常にストックしているお気に入りのスナックは?

激辛のドリトス フレーミングホットが大好き。あとフェレロ ロシェのチョコレートやアイスクリームも。

25 南アフリカに帰ったら絶対に食べるのは?

もちろん母の手料理です。みんなでブラーイ(Braai)を呼ばれるバーベキューをします。プトゥーやパップ(南アフリカの主食)と一緒に、とにかくみんな肉をたくさん食べます。帰ったら、いつも食事が楽しみです。あとレストランならナンドーズ(チキンの有名チェーン店)に行きたいです。

26 自分の性格で気に入っているところは?

シリアスに考えすぎないこと。冗談を言って楽しく笑っていたいです。

27 歌手になっていなければ、何を目指していましたか?

おそらく音楽界でほかのアーティストの世話をしたり、イメージやサウンドを作る裏方を務めていたと思います。両親は大学に通ってほしがっていましたが……アフリカでは学業や教育がすごく重んじられていて、成功するためには進学しなければならないと考えられているんです。でも私が決してその限りでもないと証明しちゃったけれど(笑)。

28 南アフリカについて、よくみんなに誤解されていると思うのは?

いまだに未開の地だと思われていると感じます。動物に乗って通学しているとか、水道がないとか、ステレオタイプの考えをもっている人がいて驚かされます。もっとアフリカについてよく知ってほしいです。

29 アフリカならではの、あなたが好きな価値観とは?

年上の人に対する尊敬の念です。もっと年長者を尊敬すべきだと感じます。私が上に立って、年長者へ指示を出さなければいけない場面では、とても違和感を覚えます。アメリカでは年齢差はあまり関係ないようですが、私には重要な価値観だと思います。

30 グラミー賞授賞式には誰と出席しましたか?

両親と私のチーム。両親は初めてアメリカを訪れたのですが、授賞式も体験してもらえてとてもうれしかったです。

31 有名になってラッキーだったことは?

よかったのは、私の音楽を広くみんなの元に届けられたこと。私の音楽を聴いて、一緒に歌ってくれて。こうしてアジアに来ることができて、私のファン“タイガーズ”にも直接会えて、とてもうれしいです。

32 逆に困ったことは?

常に仕事の予定がギッシリで、しばしば疲れ切って出掛けたくない日があることです(苦笑)。

33 南アフリカ出身の憧れのスターは?

ヨーロッパでも活躍しているリラ(Lira)というシンガーです。両親が私のために彼女のサイン入りCDを手に入れてくれたのを覚えています。シャキーラと「Waka Waka (This Time Is For Africa)」で共演したフレッシュリーグラウンドも大好きです。

34 俳優業に対する興味は?

もちろん挑戦したいです。アニメーションの吹き替えも。お伽噺やディズニー、ピクサー系ファンタジーなど、シリアスすぎない作品をやってみたいです。

35 好きな映画は?

ハル・ベリー主演の『ザ・コール 緊急通報指令室』。スリラーやホラー、犯罪ドキュメンタリー系が好きなんです。

36 よく見る夢は?

映画のような夢をよく見ます。いつもシチュエーションは違っているけど、起きたらすぐにメモしておきます。ハラハラするスリリングな夢が多いです。

37 今までにもらったベストアドバイスは?

“他人を温めるために、自分を燃やし続けることはできない”というもの。すごく頭にこびりついています。誰かに何かしてあげたいけれどできないときに、私はすごく申し訳なく思い、自分を責めてしまいます。自分を犠牲にしがちな性格なので、もっと自分を大切にしなさいと、このフレーズを教えられました。

38 毎日絶対に欠かせない日課は?

お祈りです。でも私の場合は、いわゆるお祈りではなく、神様に話しかけたり、相談する感じに近いです。“今日は疲れたから早く仕事を終わらせて”とか(笑)。

39 よく思い出す子どもの頃の出来事は?

4人の姉弟を、よく思い出します。大家族で、みんな仲よし。庭にある木によく登り、スーパーヒーローごっこをしていました。みんなそれぞれが特別なパワーを持っていて、私のパワーは“キュート”。お姫様パワーでいつも世界を救っていました(笑)。

40 贅沢するなら何にお金を使いたい?

家族のために何かしてあげたいです。家族にいい生活をさせてあげたいし、両親には旅行などをして、もっと人生を楽しんでほしいです。

41 健康のために気をつけていることは?

水をたくさん飲むこと。

42 収集しているものはある?

ポラロイド写真。

43 時間には正確?

努めてはいるけれど、つい何かに没頭して時間を忘れてしまい、そして最後に大慌てしがちです。

44 仕事以外でいま夢中になっていることは?

絵を描くのが好きですが、最近はあまり。代わりに世界を旅して、さまざまな文化に触れ、常に新しいことを学んでいます。新しい体験に夢中です。

45 理想の休日の過ごし方は?

家にこもって何もしないこと。クーラーの効いた部屋でボーッと寝ていたい(笑)。退屈したらお菓子を食べながら映画を観たり、TikTokをやったり。

46 もし動物に生まれ変わるなら何になりたい?

もちろんタイガー(と言いながら、ガオーと威嚇のポーズ)。

47 今後、コラボレーションしたい人は?

ドージャ・キャットと曲を作りたいです。

48 帰宅したらまず何がしたい?

靴を脱いで、服を脱いで、それからトイレに行きます(笑)。

49 世界を変えるパワーがあれば、何を変えたいですか?

他人に対する思いやりや心遣いを、もっとみんなに持ってほしいです。特によく知らない人に対しても、そういう気持ちをもってほしいです。

50 最後にもう一つだけ、あなたについて何か教えてください。

この来日で日本がとても好きになりました。アジアが大好き。すぐにでもまた日本に戻ってきたいと思います。

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Photos: Akihito Igarashi Styling: Lee Trigg Assisted by Ki Ukei and Trez Hillman Text: Hisashi Murakami Editor: Yaka Matsumoto

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