学校の「皆勤賞」なくすべき？「休むのに罪悪感を覚える」「モチベーションになった」さまざまな体験談に、賛否の嵐

2024.10.21

小中学校や高校で、1回も学校を休まなかったときにもらえる「皆勤賞」。令和の今でも、「皆勤賞」を採用している学校もあるそうです。そんな「皆勤賞」の是非について、X（旧Twitter）にて議論が起こっています。

「休むべきときは無理せず休むということを教えるのも教育」「皆勤賞のために風邪でも登校してくる生徒がいて迷惑」「皆勤賞は登校のモチベーション向上につながる」等と、賛否両論くりひろげられているのです。あなたは、学校の「皆勤賞」はなくすべきだと思いますか？あったほうがいいと思いますか？

そこで今回は、「皆勤賞」はなくすべきかどうかをアンケートとって詳しく聞いてみました。

学校の「皆勤賞」はなくすべき？あったほうが良い？

小学校、中学校、高校などの学校において「皆勤賞」はなくすべきだと思いますか？あったほうがいいと思いますか？というアンケートを実施しました。

なくすべき派、あったほうがいい派、それぞれの回答をいくつか紹介します。

「なくすべき」という方の意見

実体験として…

一度も欠席や遅刻をしなかったのは確かにすごいことです。しかし、自分自身高2の時に精神的にしんどくて休みたいと言っても今まで無遅刻無欠席だったこともあり休ませてもらえず辛い思いをしたので、皆勤賞はなくすべきだと思います。
（20代女性・学生・奈良県）

わたしが学生ののときも皆勤賞というものはあったのですが、皆勤賞なんてものがあったせいで休むことに罪悪感を覚えるようになってしまいました。なので、皆勤賞なんてものは学生のうちになくしたほうがいいと思います。
（20代・フリーター・東北）

私も子どものころ皆勤賞というものをもらったことがあります。正直嬉しいという気持ちより、「だから何？」という気持ちでした。目指せ皆勤賞と親からも言われ、風邪をひいている日も行かされた記憶があります。でも今思えば周りにうつすリスクもあるので風邪をひいていたら休むべきだと思います。
（50代男性・アルバイト・東京都）

小学生の時には１年間一度も欠席や早退、遅刻をしなかった生徒を皆勤賞としてクラス全員の前で表彰していました。しかし逆に病気がちで欠席が多い子にとっては苦痛な時間でもあります。私の友達もわりと休みがちな子で、その子は毎年皆勤賞を表彰される時期に休むようになってしまいました。
（20代女性・会社員・関東地方）

子どもが無理をしてしまった

皆勤賞を目指すために発熱があっても学校に参加したりする生徒が後を経たない。自分の娘も同じでしんどそうにしながら学校に行こうとしたとき何度か止めた。なので皆勤賞は必要ないと思う
（40代男性・福祉職員・関西地方）

子どもが低学年の頃に、皆勤賞の賞状をもらえることを楽しみにしていたので、風邪をひいてしまった時に、少し無理をして学校へ行ったことがあったため、ないほうが、皆勤賞を気にせず無理せず過ごせると思うからです。
（40代女性・専業主婦・愛知県）

休むというスキルを育てるのも大切

最近は、自分のことをしっかり守るということが大切だという考え方になってきているので、皆勤賞のような頑張ることが大事というのは、古い価値観だと思うから。
（20代女性・会社員・大阪府）

体調が悪いのに無理をして学校へ行っても、普段のパフォーマンスは発揮できないし、周囲に風邪を移しても困るため。日本人は無理して働きすぎです。休むというスキルを育てることも大切だと思います。
（30代男性・カウンセラー・鳥取県）

それぞれに事情がある

「皆勤賞」自体は学校を一度も休まなかったということで素晴らしいことだと思います。ただ産まれながらに身体の脆弱な人もいて、どうしても学校を休まざるを得ない人もいるので、できればなくす方がいいと考えます。
（50代男性・会社員・四国地方）

親が土日が休みではない職種だったため、家族で旅行をしようとするとどうしても平日を組み込まないといけなかった。一律に土日祝日が休みである親の子どもだけではないし、それぞれの家庭の事情もあるからなくしてもいいと思う。
（30代女性・専業主婦・千葉県）

なくすべきと答えた方の理由を見てみると、皆勤賞がマイナスに働き無理してでも学校へ行くようになるという意見が目立ちました。他にも家庭の事情や体質などで休まざるを得ないケースに対して配慮ができてないという声もありました。

「あったほうが良い」という方の意見

モチベーション向上につながる

病気なのに学校へ来ることはよくないが、元気で休まず学校へ来た子に何か賞をあげるのはいいと思う。モチベーションがあがるから。うちの下の子も、皆勤賞をもらったことがありとても嬉しそうにしていたので。
（40代女性・主婦・兵庫県）

健康の管理とか、毎日同じことを続けられる力とかが必要なことで簡単なことではないので、達成できた生徒がスポットライトがあたるようなシチュエーションがあってもいいんじゃないかと思うからです。
（30代男性・会社員・大阪府）

毎日学校に行くのが面倒くさいときでも、行くモチベーションアップになるからです。実際私自身も、皆勤賞で先生手作りのメダルと表彰状をもらったときはとても嬉しかったです。
（30代女性・フリーランスライター・神奈川県）

「嫌なことがあっても投げ出さない」という教育は必要

小学生の時から、皆勤賞以前に休み癖が着いてしまったら諦めグセがついてしまうから皆勤賞という仕組みは必要だと思います。実際に親戚の子は小学生の時から休み癖がついていて実際に不登校になっているから。
（20代男性・大学生・愛媛県）

私は特に取り柄もありませんでしたが、高校は楽しくも何ともないのに頑張って欠席0でした。
おかげで、何か嫌なことがあっても投げ出さない精神力がつきました。だから、皆勤賞はあった方が良いと思います
（40代男性・自営業・中部地方）

小学校の時、皆勤賞をもらいました。嫌なことがあってもなるべく学校にいきました。昨日は〇〇ちゃんは怒ってたけど今日は違うかもしれないと思って学校にいったりしました。今思うと、まだ小さな世界の中で生活しているので大人になるともっと嫌なことがあるので、行ける時は行けるようにしたほうがいい
（40代女性・会社員・埼玉県）

皆勤賞は名誉だった

何でも表彰される機会があったほうがいいということが理由です。高校時代、進学に特化したクラスにいながらも部活が忙しく、他のクラスの生徒が優秀賞をもらっている中、自分だけはもらえませんでした。ただ、皆勤賞だけは取れたので今でも誇りに思えています。
（50代男性・会社員・東京都）

皆勤賞は、毎日頑張って学校に通うモチベーションになります。
学生時代、皆勤賞を受賞した者は周囲の尊敬を受けるほどのステータスを持っていました。
私は病気になりがちで頻繁に休んでいたので、羨ましく思っていました。
（50代男性・自営業）

褒めてあげてほしい

私はあった方が良いと思います。
休むのは悪いことではないし、体調不良で無理して登校するのはナシだと思いますが、それとは別に頑張った子には褒めてあげて欲しいと思うからです。
「出来たらすごい＝出来なかったらすごくない」では決してないはずなので。
（40代女性・主婦・東京都）

一方であったほうがいいという意見では、学校に行くモチベーションになるという声が目立ちます。実際に皆勤賞があることで頑張れた、賞をもらえて嬉しかった、さらには投げ出さない力がついたと、自分のためになったと考えている方が多くいました。

あなたは「皆勤賞」はあったほうが良いと思いますか？なくすべきだと思いますか？

今回の集まったアンケート回答300件のうち、なくしたほうがいいという意見が159、あったほうがいいという意見が141で、ほぼ半々という結果になりました。

なくしたほうがいいという方の中には、実際に無理をして学校に行ったり、休むことに罪悪感を覚えてしまったという声がありました。また、感染症への意識の高まりから、周りにうつさないように体調が悪ければ無理せず休むという考えが浸透してきていることも、なくすべき派の意見から伺えます。

一方であったほうがいいと考える方は、皆勤賞がモチベーションになって学校を休まなくなり、嫌なことがあっても投げ出さない力がついたという声がありました。

休まずに学校に行くことは決して簡単なことではありません。頑張った子どもにスポットライトが当たる機会はありつつも、しっかり休むのは悪いことではないという雰囲気づくりも大事ですね。

※本記事は媒体独自に募集したアンケートを元に構成しています

・調査方法：インターネットサービスによる任意回答（記述式）
・調査期間：2024/10/16～2024/10/18
・調査対象：全国／18歳以上／性別不問
・有効回答数：300