FW・UTがなかなかうまくならない原因は、練習量の少なさ! それでもドライバーやアイアン、アプローチと同じくらい練習して、とはいいません。1カゴもいらない10球でいいので、練習すれば必ず上達して、コースでのミスもなくなるドリルを紹介します!
まずはUTの5球の練習方法を紹介します。
UT5球ドリル
まずは、FWよりもクラブ長が短いUTからスタート!
UT1球目:連続素振りをしてから打つ
長いクラブになればなるほど、クラブをうまく操るにはリズムが大切。まずは連続素振りでリズムをつかみましょう。素振りの最中は「クラブが動きたい方向にまかせて振る」。
すると、自然にスイング軌道がよくなるので、その軌道も感じてください。スムーズに振ろうとすると、グリップを強く握らなくなるのでリキみもとれます。そして、連続素振りと同じ感覚で打つのが1球目です。
UT2球目:骨盤を左に寄せて打つ
UTはゆるやかなダウンブローで打ちたい。その軌道は手先ではなく「腰をやや左にスライドさせての左軸」で作ります。これは、体の左サイドに置いたキャディバッグなどに腰の左側を近づける。
またはキャディバッグを押すつもりでインパクトしてください。少し手間ですが、1球でいいので面倒くさがらずにやってみましょう!
UT3球目:右手を上手に使う片手打ち
長いクラブでの振り遅れは、致命的なミスにつながってしまいます。振り遅れを防ぎ、ミート率を高めるためにも、右手1本での片手打ちで正しい右腕の使い方を覚えましょう。単に右手1本で打つのではなく、左手甲を右ヒジにそえるのがポイント。
スイング中に右ヒジが左手甲から離れるのも、押し潰すように近づきすぎてしまうのもNG。「右腕の長さをキープ」して打ちます。
UT4球目:トップまでに右肩甲骨を内側に寄せてから打つ
次は両手で握ってスイングしますが、右肩甲骨をトップまでに内側に寄せてください。クラブを持たずに体を回すと右手のほうが遠くなりますが(左写真)、この「右腕が長いまま」がミスの元凶。右肩甲骨を内側にスライドさせて右手を体に近づけると、クラブを両手で握っても右手1本打ちでつかんだ感覚や動きを邪魔せず「正しい右腕の長さ」で打てます。
クラブを握ると右手が下にくるため右腕を伸ばしてしまいがちだが、右腕が伸びたダウンスイングは振り遅れやヘッドファーストなどミスの原因になる
右肩甲骨を内側に寄れば、クラブを両手で握って打っても正しい右腕の長さで打てる
UT5球目:1~4球目までをまとめて打つ
5球目はUTの仕上げの1打。1球目から4球目で得たすべての要素をまとめて打ってください。
FW1球目は「骨盤の位置をズラさず打つ」
FWの1球目です。FWはかぎりなくレベルブローで打ちたい。そのため、そしてFWの練習量が少ない人は「腰の位置をズラさず」インパクトしましょう。腰のポジションを左に動かすUTとは違い、体全体をその場で回すイメージが有効です。
FW2・3球目は「フェースの開閉を抑えて手首のヒンジの動きで打つ」
ボールがつかまりにくいFWですが、フェースを積極的に返しながら打つと、リーディングエッジが地面に刺さりやすくなります。マットの上ではうまくすべってくれますが、本番では大ダフリになること。ボールをつかまえる動きは手首を甲側や手のひら側に折る「ヒンジの動き」で行ないましょう。すると、ソールがきれいにすべってくれます。これは少し難しいテクニックなので、2球目、3球目と2球を費やしてください。
FW4球目は「低くティーアップした球を打つ」
4球目はFWは極力ヘッドが地面に触れず「ボールだけをきれいに払い打ちたい」ので、低くティーアップしたボールを打ちます。アップライトな軌道は入射角やヘッドをリリースするタイミングがバラつきやすいので、フラットな軌道でのレベルブローを心がけてください。
FW5球目は「高くティーアップした球を打つ」
仕上げの5球目は、ティーを高くして難易度をアップ。ティーにはまったく触れず、ボールのみを芯でとらえれば完璧。FWでもっともダメなダフリのミスが出ない「ヘッドの高さをコントロールする」スイングを身につけましょう。
マットの上に直にゴムティーを置いてティーアップ。ゴムティーが飛ばなければ○。飛んでしまっても拾いにいける。
いかがでしたか。田中氏のレッスンをぜひ参考にしてください。
レッスン=田中 徹
●たなか・とおる/1988年生まれ、千葉県出身。168㎝、70kg。自称「1兆個のドリルをもつ男」と名乗り、インスタグラムには800以上のリール(動画)を投稿して人気。「Bull Golf」など都内でレッスンも行なっている。Bull Golf代表。
写真=相田克己
協力=Bull Golf