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BMWブランドストア「FREUDE by BMW」はプロダクトを超え、世界観が体験できる新空間

  • 2024.9.30

カーライフその先の未来へ

九島辰也連載 BMW ブランドストア<br />
九島辰也連載 BMW ブランドストア

2024年6月、東京・麻布台ヒルズにBMWのブランドストア「FREUDE by BMW(フロイデ・バイ・ビーエムダブリュー)がオープンした。BMWの世界観を実現した、まるでブランドの「マルチバース」とも言える空間は多くの可能性と魅力を秘めている。

 

 

 

 

 

体験を入り口として、ブランドの世界観をいかに伝えていくのか

 

 

カーメーカーも最近はブランドでビジネスすることを前面に押し出すようになってきた。ヨーロッパのメーカーはそもそもその傾向にあるが、マーケティング的にそれを訴求するのはここ数年と言っていいだろう。先日も新しく就任したベントレージャパンのブランドダイレクターがプレゼンテーションで話していた。「我々はブランドビジネスをしています」と。

 

ブランドを立たせるための戦略としてヨーロッパのメーカーが行ったのがクルマとユーザーのタッチポイントを増やす場所の提供だ。ディーラーとは異なる空間で、より深く自分達のアイデンティティを知ってもらおうというストーリーである。
その観点で思い出すのが“アウディフォーラム”。日本ではアウディフォーラム東京として2006年に神宮前にオープンし、話題となった。すでに閉館してしまったが、本社のあるインゴルシュタットにはあると思う。ヨーロッパを起点に当時かなりの数が世界中に広まった。

自動車メーカーが提案する「マルチバース」で世界観を伝える

 

 

日本発もある。六本木にある“メルセデス・ミー東京”だ。ここはメルセデス・ベンツ日本が世界に先駆けて開設した「売らないショールーム」。前もって予約すれば試乗ができるが、セールスマンが積極的に介入することはない。メルセデスとしては異例の施設だったが、本国をはじめグローバルで高く評価された。ただ、残念ながら今年9月30日でクローズ。13年間の営業に幕を閉じた。ホームページによると移転予定となっているが、日本法人の社長交代を鑑みると、白紙のような気がしなくもない。

ブランドストアではここでしか体験できないBMW LUXURYの世界観が広がっている。
BMW LUXURYの世界観が広がるストア。
BMWのデザイン言語を具現化した全長約8mのアートピース「ポータル」が設置された螺旋階段。
BMWのデザイン言語を具現化した全長約8mのアートピース「ポータル」が設置された螺旋階段。

なぜそんな話をするかというと、BMWが新たにブランドストアを開設したからだ。場所はお馴染みの麻布台ヒルズ。その一角にあの青と白い丸いロゴが取り付けられた。

ブランドストア“FREUDE by BMW”は今年6月1日にオープンした。名前の由来は「FREUDE=歓び」に引っかかっていて、BMWが提供することで「駆けぬける歓び」となる。今回は頭に「人生に」が付くようだが、長年BMWがキャッチコピーに使ってきたワードの延長線上にあると言っていいだろう。この施設を通しての体験や発見、出会いが足を踏み入れた人に歓びをもたらす、といった感じのコンセプトをネーミングに託している。

 

 

1階にはランチ、カフェ、バーとして利用できる「CAFÉ & BAR B」がある。
1階には昼はランチ、カフェ、夜はバーになる「CAFÉ & BAR B」がある。
日本料理レストラン「無題」はカウンター8席の完全予約制。
日本料理レストラン「無題」はカウンター8席の完全予約制。
日本初導入のBMW STUDIOアパレルコレクションはここでしか買えないアイテムもある。
日本初導入のBMW STUDIOアパレルコレクションでは、ここでしか買えないアイテムもある。

ストアは二階建てになっており、それぞれのフロアに異なるゾーンを設ける。一階はカフェ&バーとマーチャンダイズが目に付く。カフェはランチ、ティータイム、ディナーで雰囲気を変えて営業、商品の陳列には日本発導入となるBMWライフスタイルコレクションのアイテムが並ぶ。ジャケットやパンツ、バッグやシューズなどだ。ここでしか販売されないアイテムだらけなのでBMWオーナーはもちろんカーガイは要チェックだ。

 

 

アートや食、空間‥・その特別感が歓びになる

 

 

もちろん、キモになるのはテーマごとで選ばれたモデルの展示。歴代モデルはもちろん、アートやカルチャーに関わるものが多い。ちなみに、9月後半は彼ら得意の「BMWアートカー」が置かれ、広く注目を集めた。これまで、アンディ・ウォーホルやジェフ・クーンズなど名だたる世界的なアーティストとコラボしてきただけに興味を持った人は多いだろう。今年アートカー20番目として制作されたMハイブリッドV8は、ジェリー・メレトゥとのコラボ作品であった。

プレミアムな体験ができる「エクスクルーシブ・ラウンジ」。
プレミアムな体験ができる「エクスクルーシブ・ラウンジ」。

2階は特別なゲストのためのエクスクルーシブ・ラウンジがあり、オーナーが寛ぐほかセミナーなどが行われるそうだ。室内に置かれたオブジェやアートがオシャレな世界観を醸し出す。また、アトリエと呼ばれる部屋ではBMW Individual オーダー・メイド・プログラムとしてカラーサンプルやレザーサンプルを手に取りながらクラフトマンシップを体験できる仕組みになっている。他には一階のカフェとは異なるカウンター8席のみの日本料理レストラン「無題」がある。こちらは完全予約制なのでお間違いなく。

 

 

なんてコンテンツが用意される“FREUDE by BMW”だが、冷静に見ると椅子やテーブル、ソファといったファニチャー類や調度品が凝っている。クルマ好きはどうしても展示車両やBMWに関するポスターに目が行ってしまうが、それ以外の部分もかなり精緻に考えられているのが素晴らしい。そんな目線で訪れるのもいいかもしれない。事前に連絡しておけば新型車の試乗もOK。最新のBMWを知ると新たな景色が目に入ってくるに違いない。

BMWブランドストア
BMWブランドストア

FREUDE by BMW

 

住所:東京都港区麻布台 1-3-1 麻布台ヒルズ タワープラザ 1F/2F
営業時間:11:00 – 22:00

九島辰也 Tatsuya Kushima

 

モータージャーナリスト兼コラムニスト。現在、サーフィン専門誌「NALU」のメディアサイト編集長、メディアビジネスプロデューサーを担当。これまで多くのメンズ誌、ゴルフ誌、自動車誌、エアライン機内誌などの編集長を経験している。メディア活動以外では2023-2024日本カーオブザイヤー選考委員、(社)日本葉巻協会会員、日本ボートオブザイヤー選考委員、メンズゴルフウェア「The Duke`s Golf」のクリエイティブディレクターを務めている。

 

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